グリーンウォッシングの見分け方
グリーンウォッシングとは、環境を大切にする人を食い物にする、欺瞞に満ちたマーケティング戦略です。企業は、何百万人もの消費者が環境に優しい商品を求めていることを知っています。つまりグリーンウォッシングは、企業が自社の製品を環境に良いものと思わせる方法にすぎません。
これはただの欺瞞なので注意が必要。なぜなら、そんな製品は環境に優しいどころか、環境に悪い製品と同じく、公害の元になっているだけだからです。例えば、緑色のいかにも環境に配慮したようなカラーのラベルや、紛らわしい用語、自然の画像の使用などが使われます。
これらの戦略はすべて、「グリーンウォッシング」とまとめて呼ばれます。企業のイメージを綺麗さっぱり「ウォッシュ(洗浄)」し、環境問題に関心を寄せる顧客に訴えかける手法です。製品が本当に環境に優しいかどうかを見極めるには、さまざまな方法があります。
グリーンウォッシングとは?
グリーンウォッシングという言葉はすでに聞いたことがあるかもしれません。「グリーン(緑)」は、環境保護、持続可能な生産、地球温暖化レベルの削減を目的とした消費などのイメージを指します。「ウォッシング(洗浄)」は、実情が見えないが表面だけは綺麗に洗浄・漂白されているイメージを表しています。
つまり、グリーンウォッシングとは、企業が環境に配慮しているように見せかけるための手法を指す言葉です。しかし、商品の生産や流通など、蓋を開けてみれば具体的に環境面に介入しているわけではありません。
グリーンウォッシングとみなされるマーケティングは、環境保護をアピールする広告費への投資が、実際の二酸化炭素排出量削減の試みよりも大きい場合にも見なされます。このようなことは、日常的に数多くの企業が行っており、最近生まれた現象でもありません。
消費者として、グリーンウォッシングかどうかを見極めることが重要です。そうすることで、騙されずにすみますし、グリーンウォッシングが消費者の心に植え付ける懐疑心に影響されずにいられます。
いつから使われ始めたのか
この言葉は1990年、英国の作家、植物学者、博物学者であるデビッド・ベラミーによって作られました。毎年4月22日に行われる「国際マザーアースデー」にてグリーンウォッシングという言葉を発したベラミー氏ですが、その当時からすでに、インチキな環境保護アピールをする企業慣行を指摘していました。
グリーンウォッシングという言葉は、違法行為や非倫理的行為を漂白して見えなくするイメージ戦略である「ホワイトウォッシング」から派生したものです。一見、単なるインチキ広告のように見えますが、グリーンウォッシングは消費者に深刻な悪影響をもたらします。
- 欺瞞:論理的に思える説明で、消費者の環境保護への関心を満たすことのない誤ったイメージに訴えること。
- 変化がない:もちろん、グリーンウォッシングでは、COP で承認された「緊急目標」である地球温暖化を摂氏 1.5 度未満に抑えることにはつながりません。
- 懐疑心:グリーンウォッシングは消費者に懐疑心を植え付け、本当に排出量を削減する措置を講じている企業に悪影響を与えます。
時には、環境にとって本当に良いものなのか、そうでないのかを見分けるのが難しい場合もあります。
グリーンウォッシングを見分けるには?
グリーンウォッシングの可能性を特定するために考慮すべき行動(英語の記事)はいくつかあります。グリーンウォッシングはマーケティング戦略であるため、ロゴ、言葉、スローガン、イメージに着目するが基本です。そして、企業がどのように生産しているかについての情報が多ければ多いほど、その企業の真の環境責任を特定することが容易になります。また、商品がどのように構成されているかを知ることも非常に重要です。環境NGOのグリーンピースは、さまざまなグリーン・マーケティング戦略を明らかにした報告書(スペイン語)を公開しています。
キーワード
最も一般的な手法のひとつは、製品パッケージに持続可能性に関連する特定の言葉を取り入れることです。例えば、「ナチュラル」、「エコ」、「サステナブル」、さらには「グリーン」といった言葉が、サステナブルとは全く関係のない炭酸飲料のボトルに記載されていることがあります。
グリーンウォッシングのラベル
もうひとつのグリーンウォッシング戦略は、パッケージにラベルを貼ることです。これは、規制機関が発行する公式の環境配慮ラベルで消費者を混乱させる方法です。
小さな緑の葉、緑色のロゴ、リサイクルに関するメッセージなどがそれです。これらは消費者を混乱させるために付け加えたデザインです。
成分
製品によっては、環境面との関連性がほとんどないのに、天然由来の成分が1つか2つ含まれていることがよくあります。成分におけるグリーンウォッシング戦略は、環境に良さそうに聞こえる成分が入っていること強調することです。引っかからないためには、利用者が自ら情報を入手し、商品のラベルを詳しく読むことが重要です。これは食品や化粧品によく見られる手法なので注意しましょう。
色
エコっぽく見える1番のカラーは緑色。木々、森林、草、自然環境全体をイメージさせる色だからです。このため、企業は環境に対する責任感を演出するために、製品ラインナップの一部または全部を緑色を基調としたものに変更します。しかし、これはグリーンウォッシングの手法かもしれません。
大きな画像
自然環境を描写した写真やアニメーションによる宣伝は、グリーンウォッシュの常套手段です。花の軌跡が描かれた燃料の排出や、樹木や森林の存在だけでは、環境に対する責任を意味するものではありません。
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グリーンウォッシングの例
特に地球温暖化に対する意識が高まった1990年代から2000年代にかけ、多くの企業が、エコをユーザーにイメージさせるためにグリーンウォッシングを行いました。当時、環境問題に対する消費者全体の責任がより明確に認識されるようになっていたのです。また、消費者の習慣にも変化が起こりました。
ファーストフード
環境汚染を進める人気企業に、ファーストフードチェーンがあります。イメージ向上のため、マクドナルドは2010年に欧州の一部の国でブランドカラーを変更しました。
このキャンペーンは、ロゴの赤をフォレストグリーンに変えただけという、グリーンウォッシュの典型的なケースでした。企業活動がアマゾンの森林伐採を助長し続けている一方で、社会的・環境的責任を示す戦略を取ったのです。
エネルギー部門
グリーンウォッシングをアピールするのが一般的なもうひとつの分野は、エネルギー部門です。誤解を招くような言葉や意味のない用語を使いながら、最も汚染度の高い活動のひとつである化石燃料への投資を続けています。
原子力エネルギー(スペイン語の参考資料)は、そのCO2排出量の少なさから、持続可能なエネルギーとして宣伝されることが多いのですが、実際に使用する燃料の種類を無視することが多いのです。
グリーンソーダ
グリーンウォッシングの決定的な例は、コカ・コーラ ライフという、砂糖と甘味料を組み合わせたソーダの発売です。このキャンペーンでは、環境とのつながりを連想させる「ライフ」の文字が入ったグリーンラベルのパッケージが使用され、「自分の本質(ネイチャー)を発見しよう」というスローガンも添えられていました。
ビオヨーグルト
アクティビアヨーグルトは、生命やエコロジーを意味するBioを名前の一部とするロングセラー製品です。しかし2004年、欧州連合(EU)は、有機農業に由来しない食品に、「エコ」と「ビオ」を使用することを禁止しました。そのため、アクティビアヨーグルトは商品名を変更せざるを得なくなり、グリーンウォッシュの慣行が明らかになったのです。
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グリーンウォッシングとの戦いには利点がある
多くのマーケティングチームは、消費者が見分けるのが難しい微妙な線を攻める戦略を生み出そうとしています。そのため、グリーンウォッシングに引っかからないようにするためのツールや情報を持つことが不可欠です。
見分ける努力をすることで恩恵を受けるのは消費者だけではありません。生産プロセスを改善し、持続可能な社会への移行を実現しようとしている企業も同様です。環境保護は単純な一朝一夕にして完成する作業ではなく、ただネーミングや色の変えるだけ以上のものが必要になるものです。
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