ディスレクシアという学習障害を抱える子どもたち

8月 5, 2019
幼い時期にディスレクシアだと診断を受け、適切な支援や訓練を受けることで、その後の様々な困難に打ち勝つことができるでしょう。

子どもたちは皆、それぞれのペースで学習します。新しいことをすぐに習得する子もいれば、時間の掛かる子もいます。では、ディスレクシアを抱えている場合はどうでしょうか。ディスレクシアを抱えている子は、読み書きの習得が困難です。ですが、適切な心理学的・教育的サポートがあれば、ディスレクシアを抱えていても個々の能力を発達させることはできるでしょう。

ディスレクシアは、私たちが想像する以上によくある学習障害です。ディスレクシアを抱える子どもは、どれほど一生懸命読み書きに挑戦したり、指示に従おうとしても、”グズ”だとか”遅い”、などという心無い言葉で片付けられることがあるかもしれません。

今日は、子どものディスレクシアについて見ていきましょう。

子どものディスレクシアとは

本を読む子どもたち

簡単に出来る人にとっては、文字を読むことは自動的で当たり前のことと感じるかもしれません。ですが、実は脳にとってはとても複雑な仕事なのです。子どもにとって、”話すこと”は自然な過程ですが、”読むこと”は学習して習得することなのです。

例えば、英語で言うと、読むこととは、語の持つ音を理解し、それぞれのアルファベットの文字が持つ音と単語を関連させなくてはいけません。音と文字が結びついて単語が形成されるのです。これらの語を認識して初めて読むことができるのです。

ですが、このプロセスは全ての子どもにとって同じではありません。ディスレクシアを抱える子どもの脳は、そうでない子どもの脳とは違って発達し、機能しているのです。ディスレクシアの中にも数種類ありますが、一般的に言うと、ディスレクシアを抱える子どもは単語を作る音がわからない傾向にあります。さらに、その音を作るのがどのアルファベットかを理解するのが難しいようです。

ディスレクシアは、知的能力や学ぶ意欲とは関係ありません。ディスレクシアを抱えていても、適切な指導法に基づいて指導されれば、完璧に学び、成功することが可能なのです。そのためには幼い時期に診断されることが大切です。

 

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ディスレクシアの症状

子どもがディスレクシアの場合、幼児期に以下のような症状が現れるでしょう。

  • あまり話さない。他の同年齢の子どもと比べ、知っている語彙が少ない。
  • 数字や色、文字を学ぶのに困難さが見える。
  • 文字に興味がない。
  • 指示に従うのが困難である。ルールややるべきことを常に思い出させなくてはいけない。

もう少し年齢が上がり、読み書きをする年齢になると、以下のような症状が見られるでしょう。

 

本を読む少年 ディスレクシア 子ども

ディスレクシアだと診断されずに成長し、思春期を迎えた場合、以下のような症状が見られるでしょう。

  • 言葉を声に出して読む、解読することが苦手である。人前での音読を嫌がる。
  • 似た音だが意味の違う言葉を間違って選ぶ。
  • 正しい順序で考えを表すことが困難である。書く際の文字や文法、句読点を間違う。
  • コミュニケーション能力にも影響を及ぼす場合があるため、グループ活動に参加するのが難しい。社会生活に影響を与えることもある。

 

ディスレクシアが子どもに与える影響とは?

ディスレクシアを抱える子どもは、学校で困難な時を過ごすかもしれません。怠けているように思われたり、不公平に感じたり、モチベーションをなくしたり、時にはクラスメートからのからかいの対象となることもあるでしょう。ディスレクシアを抱える子どもたちは、適切な支援と訓練を受けなければ、学校で惨めな思いをするかもしれません。学校で受ける評価や成績、評判などを不当に受け取ってしまうかもしれないのです。

学校でうまくいかないことが続くと、学ぶ意欲を失います。また、自分自身の能力に対しても疑いを抱くでしょう。これは他の活動にも影響を及ぼします。つまり、生活の質全体に影響を及ぼしてしまうのです。

ディスレクシアを抱えながら、適切な支援や訓練を受けないでいると、以下のような問題を抱えてしまうかもしれません。

  • 不安感
  • 食欲の増加、または減退
  • 不眠や悪夢など睡眠トラブル
  • ストレスからくる頭痛や嘔吐、腹痛など
  • 倦怠感、不安定な気持ち、悲しみ、突然の気分の変化、学校生活での困難
  • 社交生活が困難
  • 挑発的な行動や攻撃的になるなどの問題行動。これは防御メカニズムからくる
  • 自己評価が低い

 

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ディスレクシアを抱える子どもへの手助け

本を読む母と子 ディスレクシア 子ども

ディスレクシアを抱える子どもたちは、型にはまらない方法で物事を考えるため、とても創造性に富んでいます。他の人とは違う方法で問題を解決します。早い段階から支援を受け、訓練を受けることができれば、ディスレクシアに打ち勝ち、いずれ自己評価や心の健康に影響を与えるであろう問題の多くを回避することは可能です。

漢字や書き取りの間違いがあるかもしれず、情報を処理することに時間を費やすかもしれませんが、大切なことは、周りの人がサポートすることです。ほったらかしにして自信を喪失させ、ただ社会から取り残されていくのを黙認するわけにはいきません。読むことを推奨し、励まし、家庭で読む時間を作ってあげるのは親の役目です。楽しく本を読む方法はたくさんあります!

さらに、子ども自身がディスレクシアについて理解すること、そしてそれは、”頭が良くない”ということではないのだと理解することが大切です。また、自信がつくような様々な機会を持たせることを忘れてはいけません。スポーツやアートなど様々な分野に挑戦できるよう、働きかけましょう。

もし、お子さんがディスレクシアであるなら、人と違うことは悪いことではない、ということを心に留めておきましょう。お子さんがディスレクシアであることは、お子さんを変えてしまうことではありません。あなたのお子さんへの愛は何も変わらないのです。