腸内にガスが溜まる症状から分かる健康状態
腸内に余計な空気が溜まると、腹部の膨満感を起こします。腸内に溜まるガスは、食べたものから生じる細菌が原因です。健康的な食生活、運動、各種ビタミンの摂取などが習慣になっていなければ、継続的に腸内にガスが発生するでしょう。
腸内のガスの原因として可能性があるものとして、急いで食べる、食べる時に多くの空気を吸い込んでいる(例えば食べながら話すなど)、または大量に食べるなどが挙げられます。
ガスが溜まる症状は病気?
腸内にガスが溜まるという症状は病気とはみなされませんが、消化器官において何かがうまく機能していないというサインだと言えます。
一方、砂糖やセルロースを大量に摂り過ぎているのかもしれません。これらの炭水化物は、消化や吸収がされにくく、腸に残って最終的に便として排出されることになります。
しかし、カリフラワー、レンズ豆、干しブドウ、ブロッコリーなどの食品も同じ症状を起こします。この場合は、おならとしてガスが出るのは全く自然なことです。
心配するべき?
ガスは、単なる一時的な不快感である場合が大半です。基本的には重大な病気の兆候ではありません。しかし、頻繁に症状が出たり、その他の症状を伴う場合には、医師の診察受けて損はありません。
腸内のガスは食生活が良くないことのサイン
正しく食べ物を噛まない、大量に早食い早飲みする、ストレスがたまっていてイライラしていると言った場合に消化が悪くなり、ガスが溜まる可能性があります。
更に、どんな食べ物を食べているかも消化に影響します。加工食品、揚げ物、糖分・甘味料の多い食べ物や飲み物は、ガスやお腹が重く感じるといった症状を引き起こす食品の例です。
なぜこんなにガスが溜まる?
腸にガスが溜まりやすくなる習慣があります。少し触れましたが、
- 急いで食べる
- 大量に食べる
- ストローで飲む
- 入れ歯を使用している
- 食事と共に大量の水分を取る
- 頻繁にガムをかんだり飴をなめる
しかし腸内にガスが溜まる症状には、精神状態も影響しています。ストレスや不安感は、人が早食いすることを促してしまい、より多くの空気を一緒に飲み込んでしまうために後にガスが溜まるのです。
実際、2017年に発表された研究によると、不安感やストレスと言った感情は、過敏性腸症候群(IBS)のような症状の発達に影響するとされています。これらの感情は、腸と脳の情報伝達に影響するようです。
更に便秘の場合には、もちろん便がとどまっていることが原因でガスが溜まりやすくなります。
その一方で、メイヨークリニックの専門家が示すように、極端にガスが溜まる場合は別の病気の可能性があります。自己免疫性膵炎、糖尿病、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、胃酸の逆流などがその例です。
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注意すべき症状
- 胸やけ
- 胃に異物感がある
- 食べ物を飲み込んだ時の不快感
- 食欲不振、嘔吐、めまい、または下痢
- 便秘と体重の低下
- 便の色の変化
- 何らかの薬を服用した後にガスがたまる
- 強く継続的な腹痛。特に高齢者の場合
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予防は可能?
腸内にガスが溜まるのを防ぐためには、食生活に変化を与えることが必要不可欠です。以下の点に注意してみてください。
- 飴をなめないようにしましょう。
- パスタを食べるのは週1回にしましょう。
- できるだけよく熟れたフルーツを食べましょう。
- チーズやヨーグルトの量を減らしましょう。
- トマト、ニンジン、セロリを少なめにしましょう。
- 調理法は、揚げ物より焼き物や煮物を選びましょう。
- 砂糖が多く含まれる製品は摂らないようにしましょう。
おすすめでない食品
- レンズ豆、ヒヨコ豆、インゲン豆などの豆類のみのピューレ
- キャベツ、キュウリ、レタス、ブロッコリーなどガスを大量に発生させる野菜
- 小麦粉やシリアル
- 乳製品、特に牛乳
- ラディッシュ、ジャガイモ、生のタマネギ
- 清涼飲料水
- アルコール
- チョコレート
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腸内に溜まったガスの対処法は?
運動をすることは、消化器官の機能を改善するために非常におすすめです。ガスを減らすだけでなく、お腹の痛みや張りにも効果があります。以下がお勧めの運動の例です。
- 胸を張った良い姿勢で歩く
- サイクリング、ヨガ、ピラティス
- 階段の昇り降り
また、消化プロセスを助けるプロバイオティクス(善玉菌)のサプリメントを処方する専門医もあるでしょう。
一方、1日に何度も強い腹痛を感じる場合は、鎮痙剤が効果的でしょう。この薬は腹部の筋肉を緩め、腸に直接作用します。
自己判断で薬を飲まず、医師の診察を
自分の判断で薬を飲むのはやめましょう。痛みの原因が分からなくなり、適切な治療法を決定するのが難しくなるからです。その意味では、実際には別の病気が原因の場合があるにも関わらず、薬を飲んだせいで、そのようなことはないと思い込んでしまうことがあるのです。
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