小さな死、プチ・モルトって何?

オーガズムを感じると、脳の活動はピークに達し、その後下降していきます。この大きなな変化が、オーガズムの後の”プチ・モルト”つまり”小さな死”の原因なのです。
小さな死、プチ・モルトって何?
Sergio Alonso Castrillejo

によってレビューと承認されています。 薬剤師 Sergio Alonso Castrillejo.

によって書かれた Virginia Martínez

最後の更新: 06 12月, 2022

フランス語のプチ・モルト、つまり”小さな死”は、強いオーガズムを感じた後にフェードアウトしてしまう、一部の女性に起こる状態です。

多くの人にとってはただの噂話なのですが、実は、プチ・モルトが本当に存在することを示した科学的証拠がいくつかあるのです。

”プチ・モルト”って何?

プチ・モルトは、オーガズムを感じた後の女性の意識の変化です。意識を失ったり、フェードアウトしてしまうという表現で説明されています。

ですが、これに関する研究はそれほどありません。また、単なる噂話やセックスネタだととらえている人も多くいます。文化によっては、オーガズムはスピリチュアルなトランスの一種だと考える文化もあります。

しかし、現代科学はこの”小さな死”の生理学的原因について探索してきました。そして、オーガズムの最中や後に起こる脳波の変化を示した研究がいくつかあります。また、オーガズムは脳の活動も変えてしまうのです。

 

 

オーガズムを感じている間に脳に起こること

オーガズム 小さな死、プチ・モルトって何?

クライマックスの瞬間、脳の様々な部分が活性化されます。実際、陰核(クリトリス)には8,000もの末端神経が集まっています。だからこの部分を刺激すると、脳に感覚が連発するのです。

イリノイ州エヴァンストンにあるノースウェスタン大学で行われた研究では、オーガズムがどのように脳に影響を与えるかが調べられました。この筆者によると、性的な刺激がリズミックで十分な刺激を与えるものであれば、”神経同調”をもたらすということです。

脳は、快感からくる報酬回路の活性化に答え、扁桃体、小脳、側坐核(ドーパミンの分泌による)、脳下垂体(エンドルフィンとオキシトシンの分泌による)といった部分を活性化し始めます。

興奮は横眼窩前頭皮質が抑制されている部分に”性的トランス”を引き起こします。そしてオーガズムの最中、脳はたった一つのことにフォーカスします。それは、感覚のセンセーションです。

強いオーガズムは、意識状態を変えてしまうようなものだとも言えるのではないでしょうか。

 

オーガズムやプチ・モルトの間に脳が”停止”するわけではない

強いオーガズムは女性の脳の一部の機能を一時的に下げてしまうのではないかと長年考えられてきました。ですが、全く逆のことを示した研究もあります。

ボランティアによりMRIをしながらオーガズムを経験してもらった実験によると、次のように結論付けられました。オーガズムの最中、脳の活動はゆっくりと活発になり、ピークを越えると下がっていくのです。

 

 

プチ・モルトとは?

セックスとプチモルト

脳の中の激しい変化を受け、絶頂がすぎた後の状態を、フランス語では”プチ・モルト”と呼んでいます。

女性の中には、気を失ったように”フェードアウト”してしまう感覚を覚える人がいることも納得ですね。脳が通常の動きを取り戻すまで、少し待つ必要が出てくることもあるでしょう。

どのようなケースでも、女性のオーガズムにはたくさんの利点があります。例えば、以下のようなものです。

  • よりよく休める
  • 気分が改善される
  • 自己愛が刺激される
  • 痛みに強くなる。女性のオーガズムには痛み止めの効果があります。これは、クライマックスの時、背側縫線が活性化するからです。そして痛みをブロックするセロトニンが分泌されます。
  • ストレスを減らす
  • 心臓の機能が改善する

女性のみなさん、オーガズムを心配することは何もありません。オーガズムは死に至るようなものではありません。逆に、脳と体にたくさんの利点を与えてくれる喜びなのです。


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  • Nan J. Wise, et al., “Brain Activity Unique to Orgasm in Women: An fMRI Analysis”, Journal of Sexual Medicine, November 2017, Volume 14, Issue 11, Pages 1380–1391
  • James G. Pfaus, Gonzalo R. Quintana, Conall Mac Cionnaith, Mayte Parada. “The whole versus the sum of some of the parts: toward resolving the apparent controversy of clitoral versus vaginal orgasms”. Socioaffective Neuroscience & Psychology, 2016; 6 (0) DOI: 10.3402/snp.v6.32578

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