歩き方でわかるあなたの心と健康
驚くべきスピードで歩いている人を街で見かけたことはありませんか?
歩き方は、健康状態や性格を知覚的に診断する方法です。
急いで歩いている人は何か緊急の事情があっただけで、せっかちな人ではないかもしれません。
また反対に、背中を丸めて歩いている若者の背中を後ろから見て「自尊心の問題を抱えていたり自分に自信が持てないのかな」と考えたこともあるでしょう。
しかし別の角度から見ると、この若者は、歩きながらただ携帯電話を操作していただけかもしれません。
歩き方は見る角度によって、その人物の行動や性格など、様々な情報を教えてくれます。
私たちの心の状態や健康状態、そして女性が月経で苦しんでいる時期なども、実は歩き方からわかってしまうのです。
心配の度合いが高いときの歩き方
心配性の方が悩みを抱えているときなどは、歩き方が変わります。
国際的に認知されている雑誌であるCognition誌で、イギリスのケント大学が行った「心の動揺レベルに関する最新の研究」が発表されました。
この研究は、被験者に目隠をしてその行動を観察しました。
被験者には事前に、自分が「心配性」か「のんびりタイプ」かを自己診断するアンケートを行い、目的地点を見せた後に目隠しをしました。
その後、被験者に目的地点に向かってまっすぐ歩くように指示をだしました。
心配の度合いが高い人ほど、左の方向へ曲がっていくという研究結果が出ました。つまり、心配性の方が抑制されていると感じる時、右脳が活発になり、歩く時に左にそれる傾向があります。
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認知症になるリスクが非常に高いときの歩き方
そりかえった歩き方をする人は、認知症の初期である可能性があります。アメリカのアルベルト・アインシュタイン医学校が行った最新の研究によると、そりかえって歩く方は運動認知リスク症候群(MCR)である可能性が高いことがわかりました。
運動認知リスク症候群(MCR)は認知異常を特徴とし、記憶力の低下と歩行速度の遅さと関係しています。
この研究でデータを収集した、60歳以上の成人2万6802人のうちの10%がMCRだと診断されました。
この研究後に行った追跡調査によると、健康だと診断された人とMCRだと診断された人の中で、10年以内に認知症を発症した人の数は、MCRだと診断された人が健康な人の2倍にのぼりました。
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性的オーガズムを楽んでいるときの歩き方
え?性的オーガズム?と驚いた方もいらっしゃるでしょうが、文字通り「歩き方であなたの性生活がわかる」のです。
ベルギーの研究者チームが、「女性は歩く時の体の動かし方で、最近膣でオーガズムを感じたかどうかがわかる」と発表しました。
Journal of Sexual Medicine誌によると、この研究では健康な女性の性生活の履歴を調査し、彼女達が膣でオーガズムを感じたかどうかを「推測」するというものでした。
性科学者達が女性の行動や態度を観察した結果、オーガズムを感じたかどうかという「推測」の正解率は 81.25%でした。
オーガズムを感じたことのある女性は、歩く時に体を大きく動かす、つまり骨盤を使って大またで歩く傾向があることがこの研究から明らかになりました。
排卵中の女性の歩き方
歩き方から女性の排卵日を見破ることもできます。
Personality and Individual Differencesジャーナルでは「排卵時期の女性の踊りや歩き方に男性は惹き付けられる」という結果を発表しました。
ドイツの研究者は46人の女性の排卵時期を記録し、その女性達が踊ったり歩く姿をビデオに録画しました。
そして、このビデオを男性のグループに見せて、女性の動きから女性を評価してもらった結果、排卵中の女性が、排卵中でない女性よりも男性から高い評価を受けました。
この研究から、月経中や排卵中の女性は、ある種のシグナルを体の動きから発していると言うことがわかりました。
私たちの体はいつも私たちに語りかける
今回ご紹介したように、認知症をはじめとする病気を発症する危険性がわかる可能性があるという注意すべき側面から、性生活に関する問題まで、歩き方から多くのことがわかります。
歩き方をただの行動として捉えず、あなたの健康活動を改善するのに役立つとお考えください。