うつ病:/人にはわかってもらえない5つの側面
うつ病の発症率は年々上昇しており、世の中が社会的・技術的に進歩すればするほど、現代人が幸せから切り離されていくことを示しているかのようです。
うつ病に悩む人々からよく聞かれる不満の1つが、世間がいかにうつ病を些細なことだと考えているかという点です。
しかし実際は、うつ病は非常に複雑でデリケートな問題です。
厚生労働省はうつ病を、「眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。」と定義しています。
本記事ではうつ病を発症した人が苦しむ5つの側面についてご紹介します。
1. 私はあきらめたわけじゃない;私は弱い人間じゃない
うつ病の患者は、自分に起こることのすべてに関して自分自身を責めてしまいがちだという点です。
「うつ病の人な何かをあきらめることを許したからうつ病になった」という考え方は間違いですが、このような社会の風潮や考え方がうつ病患者の罪悪感を悪化させていることは明らかです。
不安やうつに悩まされている人の個人的な環境は「触媒」となり、うつ症状をさらに悪化させます。
- うつ病は、ストレスの多い環境に不適切な反応をしたために自然発生する精神障害ではありません。うつ病の発症までに時間がかかります。
- ほとんどの場合、うつ病には複数のトリガー(引き金)と呼ばれる原因があります。
- トリガーは生物学的なものである場合や、ある種の脳内伝達物質が不足することが原因だと考えられています。
2. 薬を飲むだけでは治らない
一般の人たち勘違いの一つが、うつ病の 心理的プロセスは薬を何錠かのめば治ると思っていることです。
- 薬だけでうつ病を治すことはできません。
- 生活習慣病が蔓延し、プラス思考を持つ人が少ないと言われる現代社会の状況が、薬を1錠のんだから解決するわけではありません。
- うつ病は2~3ヶ月の治療で完治するような病気ではありません。
- うつ病は再発性の病気です。
うつ病を治療するときに大切なのは、毎日の生活や人生におけるさまざまな状況に対処する方法を学んで行くことが大切であり、 家族や友達のサポートが必要なのもこのためです。
家族や友達が、いつも「元気?すぐ良くなるよ」などと繰り返す場合は、不安感が強まり症状が悪化する結果に終わります。
ご注意ください。
3. 悲しみがうつ病を引き起こしたわけじゃない
悲しみとうつ病と結びつけるのはよくあるまちがいです。いくつかの点をはっきりさせておく必要があります:
- 悲しみとはネガティブな状況(愛する人を失った、心の底から願っていたことが起こらなかったなど)を体験したことに基づく感情です。
- 悲しみは、幸福感や嫌悪、怒りなどと同じく、現れては消えて行く感情や精神状態です。
- うつ病は病気です。それは悲しみを特徴とする思考回路や感情を伴いますが、それと同時に物事への関心の喪失、自殺願望、恐怖心、罪悪感などを伴う精神疾患です。
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4. 1人になりたいけど、自分から離れてほしくはない
多くの人たちが知らないうつ病のもう1つの側面は、1人になりたいという願望と、同時に他の人を必要とするという矛盾した感情です。
この心理的かつ感情的な現実は、うつ病に苦しむ人が声に出して言うことができないものの切望している気持ちです。
うつ病患者のまわりの人は直感力と感受性とを働かせ、中立的な態度でサポートを提供することを学び、うつ病患者の言葉に左右されることなく、できる限りサポートすることが大切です。
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5. うつ病は頭の中だけに存在するものではない
うつ病を引き起こすような極度の疲労、慢性的ストレス、慢性的な不眠症などをまだ体験したことがない人もいるでしょう。
- うつ病は精神的な要因だけが原因の病気ではなく、時には身体の疲れ、体内バランスの乱れ、脳内物質のバランスの乱れ、または線維筋痛症のような病気がうつを引き起こすこともあります。
- 身体が苦しむときには心も苦しみます。このことを忘れてはなりません。
今回ご紹介した5つ側面を心に留めることで、うつ病に苦しんでいる人たちに対しより共感を持って対応することができるでしょう。
引用サイト:厚生労働省みんなのメンタルヘルス