睡眠不足が引き起こす七大疾病
寝不足や睡眠不足を経験したことはありますか?
ほとんどの人が経験したことがあるでしょう。
眠りが浅かったり、 十分な睡眠時間 をとらないと、日中眠気におそわれてうとうとしたり、 体がだるくなったり、集中力が持続しないなどの悪影響が現れます。
また、よく眠れなかった翌朝は、目の下のくまが気になることもありますが、それ以外にも、 睡眠不足が原因で多くの病気を発症するリスクも高く病気によっては慢性化する恐れがあります。
世界保健機関によると、私たちが心身の健康を維持するためには、毎日7時間~8時間の睡眠時間が必要ですが、ライフスタイルの変化やテクノロジーの進歩によって、現代人は睡眠時間が不足し、眠りの質が低下していると報告されています。
テキサス大学の研究によると、必要な最低睡眠時間をとらずに7日間過ごした被験者は、遺伝配列に異常がみられるようになったことが明らかになりました。
これは肥満や心臓病、記憶障害のような深刻な病気を引き起こす原因と考えられているため、睡眠不足が重大な病気にかかるリスクを高めるという研究結果に結びつきます。
脳卒中にかかるリスクの上昇
アメリカ合衆国のメイヨークリニックの研究によると、睡眠障害の患者は脳卒にかかるリスクが高いことがわかっています。
成人で、6時間以下の睡眠しかとらない人は、十分な睡眠をとっている人に比べて脳卒中にかかる確率が4倍も高いことがわかっています。
肥満のリスク
寝つきの悪い人や睡眠時間が6時間以下の人は、異常な食欲をみせることがあります。
この場合、カロリーが高く脂肪分の多い食べ物を好む傾向にありますが、それは睡眠不足により体内のホルモンバランスに異常をきたし、その結果、食欲が抑えられなるからです。
また、多くの研究結果において、十分な睡眠をとらないと、体内のグレリンとレプチンのレベルが劇的に変化し、慢性的な肥満になることも明らかになっています。
グレリンは食欲を増進させるホルモンで、レプチンは食欲を抑えるホルモンですが、睡眠の短い人は、睡眠中にグレリン量が増加し、レプチン量が減少してしまいます。
つまり、食欲抑制作用が正常に機能しないことで肥満になりやすく慢性化しやすい傾向があると言われています。
ご存知ですか?:タイプ別:肥満とその原因6選
糖尿病にかかるリスクの上昇
アメリカ疾病管理予防センターの研究によると、睡眠の質が悪いと慢性病を引き起こすリ スク高いことがわかっています。
その一つが 2 型糖尿病です。
2型糖尿病とは、肥満や睡眠不足といった生活習慣の乱れが、体内で作られるインスリンの作用を不足させる原因の一つとなる糖尿病のことですが、体内のインスリン分泌は正常でありながら、血中のブドウ糖を上手に処理できず血糖値があがりますが、睡眠不足の患者にはインスリン治療の効果がさほど上がらないことも報告されています。
こちらの記事もご参考に:糖尿病の見逃せない8つの初期症状
記憶障害
睡眠が足りないと、忘れっぽくなったり、集中力が低下することはよく知られていますが、実は睡眠不足を放置すると、脳の認知機能が低下するリスクが高まるということを忘れてはいけません。
一晩徹夜するだけでも、脳細胞が減少します。
カリフォルニア大学の調査によると、健康な生活を送るには適正な睡眠時間が大切であることがわかりました。
睡眠には、私たちが起きている間に傷ついた細胞を修復するという目的があり、脳細胞も睡眠中に修復されます。
つまり睡眠が足りていない状態が習慣化すると脳がダメージを受け、その後は修復ができなくなるリスクが高まります。
風邪をひきやすくなる
体に必要な睡眠時間をとらないと、免疫機能の低下につながることがあります。これは風邪やインフルエンザにかかりやすくなることを意味しています。このことは、カーネギー・メロン大学の研究チームによって明らかにされました。
心臓疾患
睡眠が不足すると、心臓病を引き起こす原因になる化学物質やホルモンが体内で形成されます。
このことはヨーロッパ心臓疾患ジャーナル(European Heart Journal)で発表されており、一日6時間以下の睡眠しかとらないと、 48 %もの人が心臓疾患にかかると言われています。
一方で、ハーバードの健康情報誌(Harvard Health Publication)は、寝不足が高血圧につながり、それによって動脈が詰まりやすくなることが原因で心臓疾患が発症すると紹介しています
癌の発症率の増加
米国癌研究所の実験によると、睡眠不足は腸内癌や乳癌のリスクを高めるという結果が出ました。
1,240名の被験者のうち、睡眠時間が一日 6 時間未満の人は、ほかの人より二倍も腸にポリープとみられる症状がありました。これを放置すると、悪性腫瘍になってしまう可能性もあります。
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