双極性障害の人と一緒に暮らすためのアドバイス
双極性障害の人との生活は、挑戦の日々と言えるかもしれません。刻々と変化する相手の感情は、まるで山登りをしていて様々な局面に出くわすのと同じようで、双極性の人と一緒に住んでいると、突然起こる浮き沈みの激しい感情にかなり圧倒されてしまう可能性があるでしょう。
一般的に「普通」の人との人間関係を築くのはすでに十分複雑です。今から、気分が常に変化する人に接して交流すると想像してください。
双極性障害の人の気分の変化には、多くの要因が影響を与える可能性がありますが、周りの人々が良い影響を与える可能性もあります。
双極性障害とは何ですか?
双極性障害の人の気分は常に変動します。躁状態になることもあればうつ状態に陥ることもあります。
このような気分の変化は双極性障害の特徴であり、躁発作に続いてうつ発作、または二つが混合する発作がよく見られます。
双極性障害の人は、気分が突然変化します。この変化にはいくつかのサブタイプがありますが、基本的な症状は躁病エピソードとうつ病エピソードの間のどちらかです。
これらの変化は毎年起こる可能性があり、2サイクルと3サイクルで起こる可能性があります。その他のケースでは、1つのエピソードが起こり、その後は別のエピソードが起こるというのが数日続きます。
こちらもご参照を:双極性障害についての大きな誤解
躁病エピソード中の心構え
双極性障害の患者が躁病エピソードを発症している時には、次のようなことが起こります。
- 多くの喜び、楽観主義的な考え、精神的強さを表現し、勇気づけられているように感じる
- 不安、緊張、または不調を感じる
- 途中で止まることなく早口で話し、一つのトピックから別のトピックにすぐ変わる
- 一度にいろいろなことを実行でき、多くをやり遂げられるように感じる
- クリエイティブでエネルギーに満ちているように感じる
- 睡眠時間が減り、疲れを感じる
- 自分のニーズが満たされない、または自分が必要なものが手に入らず結果としてイライラする
- リスクのあるプロジェクトを行う、過剰に何かを購入するか不必要にお金を使う
- 性的に興奮することが増える
うつ病エピソード中の心構え
- 極度な悲しみを感じる
- 過度に心配になったり見捨てられたように感じる
- かつて刺激を受けた活動への興味を失う
- 集中できなくなる
- 疲れと無関心さが現れる
ここでご紹介したように、双極性障害を発症すると、世界の頂点に立っているような気持ちから、世界から完全に見捨てられた気分になります。これは、躁病エピソードからうつ病エピソードへの急な変化が原因で起こります。
こちらもお見逃しなく:精神疾患〜10の警告症状
双極性障害を発症している人との生活
双極性障害を発症している人と一緒に生活するのはとても難しいことですが、家族とパートナーのサポートは、彼らが幸せに暮らすための決定的要因になります。
既存の研究では、双極性障害の人と一緒に生活するのは容易ではないことが確認されています。多くの場合、周りの人が気分を害したり、誰かが自分の空間に侵入しているように感じます。患者の周りにいる人の感受性も、患者からの性的な要求によって傷つく可能性もあります。その反面、様々な研究が、患者へのサポートが重要であることを示唆しています。
双極性障害の人と一緒に住んでいる人は、行動を変えようと努力しても何も変えることはできないことに留意する必要があります。
一部の人々、特に患者と恋愛関係や婚姻関係など何らかの関係がある人々は、しばしば患者の習慣や様子を観察し、相手が怒ったり落ち込んだりしないように特定の行動を抑制しようとします。しかしこのような対策は、双極性障害者の極端な反応を防ぐことはできません。
双極性障害者と一緒に暮らすためのヒント
- 自分自身と双極性障害の患者の両者、そして周りの人々のためにも、専門家の助けとサポートを求めてください。
- パートナーがまだ診断を受けていない場合は、治療を受けることによって得られるサポートなどにより、物事がよりスムーズに進み、診断後はより良い状況になるとパートナーにしっかり示す必要があります。
- 愛と理解を示しましょう。双極性障害を発症している人を批判したり叱責する代わりにしっかりとサポートしましょう。私たちにできる最善のことは、双極性障害を発症している人に、私たちが彼らのことを気にかけ大切に思い、彼らの幸福のために最も良いものだけを望んでいると理解してもらうことです。
- この障害によって、自分たちと患者のどちらもが受ける可能性のある悪意のある声には耳を傾けず、心理学者や精神科医に相談しても大丈夫であることを理解してください。専門家の治療とサポートは、患者と自分たちの人生を変え改善するのに役立ちます。
- 双極性障害の患者が特に落ち込んでいると感じるときには、身体活動を積極的に行うようにアドバイスしてください。体を動かすことで、気分が良くなるだけでなく、一人ではないことを理解させるのに役立ちます。つまり活動的ではない状態は、できるだけ回避する必要があります。
- 双極性障害を発症している人を被害者にしたり、患者に起こっていることについてあなたが責任を負う必要はありません。必要に応じて、心理療法などに参加して患者をサポートする方法があります。
他に何ができる?
- 最初にあなたが疲れてしまわないように、自分自身の精神面での幸せを大切にして心をケアする必要があります。
- 運動を行う、正しい食生活に従う、そして自分がやりがいがあると感じるアクティビティーを行うなど、自分にとっての身体面での幸せを求めることが大切です。
このようなガイドラインに従うのはとても良いことであり、気分の向上につながります。これはあなただけでなく、双極性障害の人と苦労して暮らしている人すべてに当てはまるでしょう。
双極性障害の人があなたを傷つける可能性がありますが意図的に傷つけようとしているわけではないので、この障害に対処するために専門家の助けを借りることが大切となるでしょう。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Gutiérrez-Rojas, L., Martínez-Ortega, J. M., & Rodríguez-Martín, F. D. (2013). La sobrecarga del cuidador en el trastorno bipolar. Anales de Psicologia. https://doi.org/10.6018/analesps.29.2.124061
- Herrero Villanueva, J. A., & Serrano Parra, M. D. (2006). Planes de cuidados al paciente con depresión y trastorno bipolar. Oferta Terapéutica En Enfermería de Salud Mental.
- María, D., Lic, P., Perinot, L., & Gagliesi, P. (2015). Trastorno Bipolar Guía para pacientes, Familiares y allegados. Fundación Foro.
- Suárez, M. Z., Montes, M. G., Jarabo, D. S., & Forteza, G. L. (2015). Trastorno bipolar. Medicine (Spain). https://doi.org/10.1016/j.med.2015.08.003
- Trastorno bipolar – Síntomas y causas – Mayo Clinic. (2018). Retrieved 16 September 2020, from https://www.mayoclinic.org/es-es/diseases-conditions/bipolar-disorder/symptoms-causes/syc-20355955
-
Goossens, P. J., Van Wijngaarden, B., Knoppert-Van Der Klein, E. A., & Van Achterberg, T. (2008). Family caregiving in bipolar disorder: caregiver consequences, caregiver coping styles, and caregiver distress. International Journal of Social Psychiatry, 54(4), 303-316.
-
Boyers, G. B., & Simpson Rowe, L. (2018). Social support and relationship satisfaction in bipolar disorder. Journal of Family Psychology, 32(4), 538.