手根管症候群の自然療法
手根管症候群は、1日数時間に及ぶコンピューターでの仕事やタイピングなどの作業によって起きる、とても一般的な病気です。手や指に力が入らない、麻痺する、刺すように痛むなど、この病気を特徴付ける症状はたくさんあります。この記事では、手根管症候群の主な原因と、家庭で出来る自然な治し方についてご紹介します。
手根管症候群とは?何が原因なのか?
この病気は、手の動きや手のひらや指の感覚をつかさどる手首の正中神経に対して、圧力が増加した結果として引き起こされます。これは狭い管のような場所なので、少し腫れを起こしただけで神経を圧迫し、痛みや力の入らなさ、または麻痺を感じることがあります。
この病気はコンピューターの使いすぎやその他激しい運動によって引き起こされます。例えば、長時間にわたるタイピング、マウスのクリックのしすぎ、仕事での繰り返し作業、楽器の演奏、スポーツなどは、すべて腱炎や滑液包炎を引き起こす活動です。
手根管症候群は通常30歳から60歳の人々に起こり、女性よりも男性に起きやすい病気です。以下に挙げるような要因でも、この病気が発生します。
- アルコール中毒
- 手首の関節炎
- 骨折
- 手首の嚢胞や腫瘍
- 感染症
- 肥満
- 水分の貯留(妊娠や閉経)
- 関節リウマチ
手根管症候群の人々で最も共通する症状には、以下のようなものがあります。
- 片方または両方の親指・人差し指・中指の麻痺(原因となる活動による)がある
- 上記部位において刺すような痛みがある
- 手から肘にかけて広がる痛みがある
- 細かい動きや作業が困難である
- カバンを持つときなどに握力が低下する
- 手に力が入らない
- 指や手のひらが熱を帯びる
- 夜間の麻痺が頻発する
お家でできる手根管症候群の治療法
- 1日大さじ1杯のアマニ油を2〜4週間続けて摂取する。この油に含まれる脂肪酸は、腫れを予防したり減少させたりしてくれます。
- ジャガイモ、バナナ、玄米、鶏むね肉など、ビタミンB6の豊富な食べ物を食べる
- 腫れを引かせるために、冷たい湿布を手首や手に貼る。温湿布や暖かいタオルは症状を悪化させるので、使わないこと。
- 少量のアーニカオイルを綿球に染み込ませ、患部に塗る
- 1カップの沸騰したお湯に大さじ2杯のしょうが粉末を溶かします。ふたをして、冷ましてください。1日2カップ飲むと、すばらしい抗炎症作用があります。
- 大さじ3杯のフェヌグリークの粉を十分な水で15分間、ペーストができるまで火にかけます。ペーストが冷めたら、手首や手の最も痛い所に塗ります。
手根管症候群に効く3つのジュース
- 最初にご紹介するジュースは、グレープフルーツ1個、オレンジ1個、パイナップルのスライス1枚を使用します。グレープフルーツとオレンジを洗って、半分にして、絞ります。液体をミキサーに入れたら、パイナップルのスライスを加えます。すべてを混ぜ合わせ、濾します。グラス1杯を空腹時に、予防としては3日に1回、痛みや症状の治療の場合は毎日飲んでください。
- 2つ目のジュースは、ケールの葉1枚と青りんご2個を使います。りんごを洗い、皮をむき、小さく切ってください。ケールと一緒にミキサーに入れ、少し水を加えます。数分間ミキサーにかけましょう。1日1杯飲むと良いでしょう。
- 3つ目のジュースは、パイナップルスライス1枚、りんご半分、しょうがの薄切り1枚を使用します。パイナップルを細かく切って、ミキサーに入れます。種と皮を取り除いたりんごと、薄切りにしたしょうがを加え、ミキサーにかけましょう。1日グラス1杯、できれば朝に飲みましょう。
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手根管症候群を予防するためにオススメできること
- 自然な向きや角度を保つこと:手や手首を曲げないようにし、できるだけ頻繁にストレッチするようにしましょう。タイピングする時間が長い場合、手首が不自然な角度にならないような場所にキーボードを置いてください。容器のふたを開けたり、物を持ち上げたりするときには、指だけでなく手全体を使うようにしてください。これによって、手根管にかかる圧力を和らげることができます。仕事中には、1時間に数分は手を休め、違う作業をしてください。
- 健康なライフスタイルを送る:循環器系全体における問題を予防することができます。夜は十分に休みを取り、日常的に運動をし、タバコを吸わず、十分な量のフルーツや野菜を食べ、たくさんの水を飲み、脂肪や砂糖を控えるようにしましょう。
- 睡眠時の姿勢に注意する:夜寝る時に最適な方法は、腕を体の横に置き、手首をまっすぐにしておくことです。反対に、体の下に手がある状態で寝ると、手首にかかる圧力が増えることになります。
- 手首のあたりを動かすエクササイズをする:圧力を抑え、循環を良くすることができます。例えば、掌を下にして、手首で小さい円を描くように回してください。または、手を広げて、親指を伸ばし、右手の親指を左手で掴み、優しく引っ張り、親指のストレッチをします。5回やったら、反対の手にもやりましょう。その他のエクササイズとしては、指を広げたり、手を握ったり開いたりしたり、ボールをできるだけ強く握ったりする方法があります。また、手首を突き出した状態で前腕部を机に置いたまま、軽い重り(2キロ以下)を持つことで、手首を曲げて重りを持ち上げるエクササイズができます。
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- 人間工学に基づいた製品を使う:このタイプのキーボードはとても人気がありますが、他にも人間工学に基づいた製品はあります。これらは手首・手・ひじに圧力がかかりすぎるのを防いでくれます。
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