淋病の予防と治療法
淋菌は、淋菌と呼ばれる細菌を持った人との接触により感染する性感染症(STD)で、残念なことに現代社会では一般的な性感染症となっています。
性感染症である淋病を発症する原因は、性的な接触です。
生殖器(膣)への挿入、アナルセックス、オーラルセックスなどが含まれますが、出産時に母から子供へと感染することもあります。
淋病で注意するべき点は、淋菌の保持者が無症状であることが多く、感染した人には顕著な症状が現れないため、自分が淋菌の保持者である自覚がないまま病気が広がります。
淋病の治療
診察と治療という観点から見ると、患者を性別と年齢に応じて、男性、女性、子供と分類することが重要です。
こちらもご参考に:
あなたが知っておくべき11種類の性感染症(STD)
男性の症状
男性患者の10%未満が無症状です。 残りの90%は、淋病に感染すると特有の症状を発症します。 1週間の潜伏期間の後、次の症状が現れます:
女性の症状
淋病を発症している女性の半数が無症状ですが、症状が現れると男性よりも深刻化します。
女性の淋病の症状をご紹介します:
- 黄色の分泌物(膿に似ている)および膣と尿道の悪臭
- 排尿時の痛みと刺さるような痛みの増加
- 性器粘液が赤くなり、刺すような痛みや痒みを伴う
- 腹痛
- 月経周期外の出血
ご存知でしたか?:
最も一般的な5つの性感染症
女性にとっての淋病の最も大きなリスクはその感染の拡大です。 淋病は痛みを伴う骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こし、慢性化するだけではなく、不妊症の原因になることもあります。
また、卵管へ悪影響を及ぼす危険のある淋病は卵管炎や子宮内膜炎の発症のリスクを高めるだけではなく、複雑な機能を持つ女性の生殖器の一部が淋病の影響を受けると、腹部を通じて体内の他の部分へと感染が広がる恐れがあります。
子供の症状
出産時に母親が淋病に感染していると、赤ちゃんにも感染するリスクが高まります。これは淋病に感染した母親の産道の分泌物や粘膜に接触することが原因です。
母親から淋病に感染した赤ちゃんは、多くの症例によると、新生児眼炎として知られる結膜炎の一種を発症します。しかし現在では、赤ちゃんが生まれるとすぐに点眼薬で目を洗浄して、結膜炎の発症を予防しています。
その他の合併症のリスク
淋病は、合併症を発症するリスクはありますがその可能性は低く、性生活によっても個人差があります。
- 淋菌性直腸炎: 肛門での性交により、淋病の症状が肛門から直腸に現れることがあります。 淋菌性直腸炎の症状としては、 肛門の痒みや不快感、腹痛などの痛み、そして下痢や血便がありますが、ほとんどの場合が無症状です。直腸に炎症が起こるため排尿時の刺すような痛みが悪化することもあります。
- 咽頭淋病:オーラルセックスによって発症する咽頭淋病は、一般的な咽頭炎の症状と似ています。
淋病の診断と予防
淋病かどうかを診断するために医師は、患者の臨床歴を調べると同時に身体検査を実施します。 これらの検査を通じて、医師は患者の症状を診断し、適切な治療法を提示します。
女性の場合は上記の診察に加えて、正確な診断のために膣の細胞診が行われます。
他の性感染症と同様に、過去数年間で淋病の症例数が増加しています。 コンドームなどの予防法が身近になり、誰でも手に入れることができるのに、逆に淋病などの性感染症が広まっているのは皮肉なことです。
淋病を予防する唯一の方法は、性的関係や行為(膣、肛門、口のいずれであるかにもかかわらず)を行う際に、コンドームを使って自分の体を守ることです。また避妊具の使用に加えて、女性は婦人科、そして男性は泌尿器科での定期検診が重要になります。
淋病の治療
淋病の治療は抗生物質の投与という薬物治療が一般的で、 セフトリアキソンを、クラミジアの治療もカバーするドキシサイクリンとともに処方することが多くあります。
無症状であっても、すべての性的な接触を調べて治療に専念することが大切なため、治療が完了するまでは医師が性行為を禁止することがあります。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Wang, X., & Gao, Y. (2015). “Gonorrhea”, Radiology of Infectious Diseases: Volume 2. https://doi.org/10.1007/978-94-017-9876-1_10
- Little, J. W. (2006). “Gonorrhea: Update”, Oral Surgery, Oral Medicine, Oral Pathology, Oral Radiology and Endodontology. https://doi.org/10.1016/j.tripleo.2005.05.077
- Skerlev, M., & Čulav-Košćak, I. (2014). “Gonorrhea: New challenges”, Clinics in Dermatology. https://doi.org/10.1016/j.clindermatol.2013.08.010
- Walker, C. K., & Sweet, R. L. (2011). “Gonorrhea infection in women: Prevalence, effects, screening, and management”, International Journal of Women’s Health. https://doi.org/10.2147/IJWH.S13427