ランナー膝の家庭療法

30 9月, 2020
ランナー膝は、走ったり飛んだりするスポーツをする人に多い怪我です。この記事では、家庭でできる対処法をお伝えします。

ランナー膝または正式名称を「腸脛靱帯炎」は、怪我、筋力低下、過負荷、または身体的外傷の結果として現れることがある痛みです。「ランナー膝」というその名前は、ランニングやジャンプをするアスリートに多く見られるためにそう呼ばれています。

最も一般的な症状は、膝の前部の軽い痛みです。また、走っている時や階段の上り下り、長時間座っている時にも痛みが増します。また、膝をついたり、しゃがんだりしたときにも悪化することがあります。

軽度の問題の可能性がありますが、正確な診断を受けるためには、医師や理学療法士のところに行くのが一番です。その後、専門家が、リハビリプログラム、投薬、または手術が必要かどうかを判断することができます。

そして、一時的に痛みを和らげるのに役立つ家庭療法がいくつかあります。しかし、家庭療法は一番の治療法ではないことを心に留め、軽度の場合にのみ使用しましょう。では、ランナー膝を治療するための家庭療法にはどのようなものがあるのでしょうか? 以下で詳しくお伝えします。

ランナー膝の家庭療法

医学文献検索サービスのOpen Access Journal of Sports Medicine(スポーツ医学のオープンアクセスジャーナル)に掲載されている情報によると、ランナー膝には原因がたくさんあり、原因によってそれぞれのケースが異なります。そのため、家庭での治療法を試す前には、医師に相談する必要があります。

身体検査、レントゲン、CTスキャン、MRIスキャンで痛みの原因を特定します。原因がわかれば、休息、理学療法、鎮痛剤、装具、あるいは手術が医師より勧められるでしょう。

さて、ここからは、あなたがランナー膝に悩んでいる場合、どのような家庭療法を試すことができるを見てみましょう。医学的治療はもちろん、十分に休ませたり過度の労力を必要とする活動を避ける必要があります。

氷嚢

氷嚢 ランナー膝の治療

ランナー膝の痛みを和らげる第一歩として、炎症を抑えることが挙げられます。そのためには冷たいものを貼るのが有効です。氷を布で包んだり、冷湿布を貼ったりすることができます。

Physical Therapy in Sport(スポーツの理学療法)誌のシステマティックレビューで示唆されているように、寒冷療法は膝の腫れを減少させるという良い効果があります。しかし、それが具体的にランナー膝にどのように役立つのかを見るには、より多くの証拠が必要です。

そのため、寒冷療法を唯一の治療法として使うべきではありません。他の研究では、間違った方法で行うと問題を引き起こす可能性があることも示されているので、注意して使用する必要があります。例えば、あまりにも長い間氷をつけたままにしておくと、皮膚や神経を傷つけたりする可能性があります。

そのため、氷嚢を使うときは、必ず氷を布や専用の袋に包んでください。さらに、使用時間は短時間にとどめてください。万が一、悪い反応が出た場合は、すぐに使用を中止してください。

生姜

伝統的な医学では、生姜は、さまざまな問題を治療するために使用されてきました。事実、現代の文献でも、その特性の多くを支持することができます。

こちらもお読みください:座りがちな生活がもたらす心臓への悪影響

The Journal of Strength and Conditioning Research(筋肉とコンディショニングの研究についてのジャーナル)に発表されたレビューでは、生姜の抗炎症性と痛みを緩和する特性が、アスリートの痛みを鎮めるのに有用であることが示唆されています。実際に、生姜の効果は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に似ていますが、副作用はありません。

つまり、生姜の天然抽出物を通してこれらの特性を得ることができます。軟膏にして局所的に使用したり、紅茶に生姜を入れて飲んだりできます。ジンジャーティーを作るには、コップ1杯分のお湯に大さじ1杯のおろし生姜を追加します。

注:最近の研究では、生姜を摂取しても副作用が出ることはほとんどないことがわかっています。しかし、過剰に摂取すると胃痛を引き起こす可能性があるのでご注意ください。

ランナー膝の家庭療法 生姜

ウコン

ウコン(ターメリック)のようなスパイスは、ランナー膝の治療にも役立ちます。最初の選択肢にするような治療法ではありませんが、補足として摂取することで、痛みや炎症と戦うのに役立ちます。

European Journal of Applied Physiology(応用生理学の欧州ジャーナル)誌に掲載された研究では、ウコンの主な活性化合物であるクルクミンが、サイトカインと呼ばれる炎症性化学物質の存在を減少させることがわかりました。このおかげで、激しい運動後の筋肉痛を和らげるのに役立つ可能性があるといいます。

こちらもお読みください:どこで起こる?疲労骨折の原因と症状

また、医学誌「Drug Design, Development and Therapy(医薬品の設計、開発、治療)」には、クルクミンには関節痛を落ち着かせる抗炎症作用があると報告されています。このように、ウコンで身体機能や生活の質を向上させることができます。

スープやスムージーなどのレシピにウコンを少量ずつ加えても良いでしょう。さらに、錠剤の形で買うこともできます。ウコンを摂取するためには、特に妊娠しているかどうかを確認し、何か持病があるなら医師に相談しましょう。ウコンは安全と考えられていますが、中には好ましくない反応が出る人もいるかもしれません。

ランナー膝を緩和するために他にできることは?

前述した治療法や医師に相談する以外にも、ランナー膝を治療する方法があります。それには、バランスのとれた食事を心がけ、ソーセージ、赤身の肉、加工食品など、炎症を起こす可能性のあるものを食べるのを控えることが含まれます。一方で、水分補給を怠らず、喫煙や飲酒などの悪習慣を避けるようにしましょう。

とにかくは、まず安静にして、休んだ後に適度な運動をするようにしましょう。安全に行うためには、理学療法士に相談し、その勧めに従うのが一番です。問題の兆候があれば、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

  • Halabchi F, Abolhasani M, Mirshahi M, Alizadeh Z. Patellofemoral pain in athletes: clinical perspectives. Open Access J Sports Med. 2017;8:189–203. Published 2017 Oct 9. doi:10.2147/OAJSM.S127359
  • Martimbianco, A. L. C., Gomes da Silva, B. N., de Carvalho, A. P. V., Silva, V., Torloni, M. R., & Peccin, M. S. (2014, November 1). Effectiveness and safety of cryotherapy after arthroscopic anterior cruciate ligament reconstruction. A systematic review of the literature. Physical Therapy in Sport. Churchill Livingstone. https://doi.org/10.1016/j.ptsp.2014.02.008
  • Markert, Summer. (2011). The Use of Cryotherapy After a Total Knee Replacement. Orthopaedic nursing / National Association of Orthopaedic Nurses. 30. 29-36. 10.1097/NOR.0b013e318205749a.
  • Wilson, P. B. (2015, October 1). Ginger (Zingiber officinale) as an analgesic and ergogenic aid in sport: A systemic review. Journal of Strength and Conditioning Research. NSCA National Strength and Conditioning Association. https://doi.org/10.1519/JSC.0000000000001098
  • Nikkhah Bodagh M, Maleki I, Hekmatdoost A. Ginger in gastrointestinal disorders: A systematic review of clinical trials. Food Sci Nutr. 2018;7(1):96–108. Published 2018 Nov 5. doi:10.1002/fsn3.807
  • Nicol, L. M., Rowlands, D. S., Fazakerly, R., & Kellett, J. (2015). Curcumin supplementation likely attenuates delayed onset muscle soreness (DOMS). European Journal of Applied Physiology115(8), 1769–1777. https://doi.org/10.1007/s00421-015-3152-6
  • Chin, K. Y. (2016, September 20). The spice for joint inflammation: Anti-inflammatory role of curcumin in treating osteoarthritis. Drug Design, Development and Therapy. Dove Medical Press Ltd. https://doi.org/10.2147/DDDT.S117432