ライム病の治療法について知っておくべきこと

ライム病は、最初は皮膚に紅斑を引き起こすだけの感染症ですが、治療せずに放置すると、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。今回の記事では、ライム病の治療法について詳しくご紹介します。
ライム病の治療法について知っておくべきこと

最後の更新: 03 2月, 2021

ライム病は、1975年に最初に発見されたため、その治療法が確立されたのもごく最近のことです。ライム病とは、ダニに刺されて感染する、ボレリア属の細菌であるライム病ボレリアによる感染症です。

ライム病に感染する場合は、ダニとの接触が起こります。ライム病は、広大な畑、森、またはハーブなどを栽培している田舎でより一般的に起こります。ただし、すべてのダニがライム病の感染源になることを意味するわけではありません。

ライム病は、早期発見と早期の治療を行わないと重篤な神経学的合併症を引き起こします。さらに、使用する薬や、患者の年齢とライム病の症状の重症度によって異なります。今回の記事では、ライム病の治療について知っておくべきことをすべて説明します。

ライム病とは何ですか?

ライム病の治療法について説明する前に、ライム病についてより詳しく理解を深める必要があります。前述のように、ライム病は、特定のダニの咬傷によって感染が起こる感染症です。

ダニに噛まれた後、患部には小さな隆起が現れます。これは数日で消えますが、その後、発疹が皮膚に現れて徐々に広がります。この発疹には、かゆみや痛みはありませんが、周辺に紅斑が拡大します。これは、医師が「遊走性紅斑」と呼ぶものです。

また、多くの人が全身の倦怠感、発熱、頭痛を発症します。ライム病の問題は、これらの症状が消えてから数年経っても、合併症が現れる可能性があるという点こす。

たとえば、患者は特に膝の関節痛を発症するのが一般的です。同様に、髄膜炎、顔の片側の麻痺、または手足の脱力へと進行する可能性があります。場合によっては、心拍数の変化や記憶障害が現れることがあります。

 

ライム病の治療法について知っておくべきこと 刺された跡
ダニによる咬傷はしばらくすると消えますが、合併症は数ヶ月または数年後に現れる可能性があります。

こちらもご参照を:ライム病とその危険性

ライム病の治療

ライム病の治療は、上記のすべての合併症を回避するための最良の方法なので、できる限り早く治療を開始する必要があります。細菌感染症であるライム病には、抗生物質が使用されます。

治療方法の種類とその選択、そして治療の効果は、感染の重症度とそれがライム病がいつ検出されたかによって異なります。Colombian Medicine Actに発表された総説では、これについて詳しく説明しており、病気が進行した場合、軽度の場合と比べて治療は満足のいくものにはならないことが確認されています。

早期のライム病治療

感染が早期に発見された場合、患者は薬を経口投与することができます。最も広く使用されている抗生物質はテトラサイクリンと、通常はドキシサイクリンがのぞまです。医療専門家が処方する用量は、一般的には、1日あたり200ミリグラムで、服用期間は21日から30日間です。

ただし、Family Medicine誌に掲載された研究によると、ドキシサイクリンはある特定の条件を持つ患者、例えば子供や妊婦、には使用できません。9歳未満の子供の場合、専門家はペニシリンなどの別の種類の抗生物質の使用を推奨しています。

一方、妊娠中の女性や授乳中の女性では、アモキシシリンまたはセフロキシムを使用するのが最も良い選択肢です。最新の発表は、21日以内のライム病の治療も効果的であることを示唆しています。

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後期またはより重症なライム病の治療

ライム病の診断が遅れて病気が進行すると、医師たちは他の薬を選びます。この場合に最も一般的に使用されるのは、ドキシサイクリンです。ドキシサイクリンと他の薬を使った治療方法の違いはライム病に感染するとウイルスが組織に定着して複製されるため、この場合の治療は、静脈内投与でより長い時間行う必要があるという点です。

特に中枢神経系で合併症が発生した場合も同様です。前述したように、顔面神経麻痺や髄膜炎につながる可能性がある状況においては、医療専門家は静脈内に投与する抗生物質を選択します。

これらの合併症に最も一般的に使用される薬はセファロスポリンです。予後は良好ですが、患者はできるだけ早く治療を受ける必要があります。ただし、早期に治療を受けた患者でさえ、しばらくの間症状に苦しむ可能性があります。

ライム病の治療法について知っておくべきこと ダニに刺された人
ダニを介したライム病の感染は、夏場のキャンプ場などで特に一般的です。

合併症のリスクを軽減する早期のライム病治療

神経学面の合併症や関節の合併症のリスクが高いライム病に関しては、患者はできる限り早くライム病の治療を開始することが大切です。一般的には、医師は抗生物質を処方します。

感染を早期に発見し、症状が軽度である場合、通常は経口ドキシサイクリンが処方されます。ただし、子供や妊娠中の女性患者には、アモキシシリンなどのペニシリン系の抗生物質を処方するのが最善の方法です。後期の症状が現れている場合は、薬を静脈内投与する必要があります。

ライム病の主な対策は予防です。 ダニのいる環境を避けるため、家からできる限りダニを排除し、夏のピクニックやキャンプ場では、予防策を講じる必要があります。 簡単な対策で感染のリスクが軽減します。


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