落ちる夢を見るのはなぜ?その原因は?
落ちる夢を見るのはなぜ?
落ちる夢は珍しいものではありません。眠りに入り、夢を見始めたころ、突然底知れぬ深みに落ちて行きます。足の下の地面が消えてしまうこともあれば、崖っぷちから転落することもあり、恐ろしい感覚を体験します。心臓がバクバクし、びっくりして目が覚めますが、心も頭も不安感でいっぱいです。ベッドから転げ落ちたんじゃないかと思うことさえありますし、実際に落ちてしまった人もいます。こういう現象はどうして起こるのでしょう? 以下、考えられる説明をいくつか挙げてみます。
1. 睡眠の第1段階で起こる
落ちる夢を覚えているのなら、それは眠りに入って数分以内に起きているはず。スペインのマドリード病院にある睡眠研究所では落ちる夢について研究を行い、それは耳の中にある前庭系と触運動覚システムとの間のわずかなアンバランスの結果である、と結論しています。
寝入りばなは身体がまだ横になった姿勢に適応していないため、落ちていっているような感覚とともに目が覚めるのです。このため、実際にベッドから転げ落ちる人がたくさんいます。
2. ストレスも重要な要因
この現象を体験したときの感情的状態を思い出してみてください。落ちる夢は、ストレスともつながりがあります。ストレスがあると、脳の活動レベルが高くなります。コルチゾールが脳のコア機能を促進し、脳波は最大の活動レベルに達します。この状態で横になると、身体は弛緩しますが、脳の活動は通常よりもずっと活発になったままです。
そこで、過活動の脳と弛緩した身体という、新たなアンバランスが起こります。それが落ちていく感覚を生み出し、その感覚が夢の中に取り込まれた結果、ビクっと目を覚ますわけです。
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3. 金縛り(睡眠麻痺)現象
金縛り(睡眠麻痺)は、私たちの脳が起きていて、身体が寝ている状態(浅い眠り)にあるとき起こります。悪夢を見ていると意識しているのに、起きることができません。感覚は非常にはっきりしており、あまりに現実的なので、恐怖にとらわれることさえあります。落ちる夢を見ているときは、実にいやな体験なので、地面に激突する前に目覚めたいと願わされます。
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以上のことから、落ちる夢の主な原因はストレスであると言えます。脳が過度に興奮していると、睡眠の第1段階で、身体と脳の間のアンバランスが起こります。このアンバランスに対する反応として、脳が不安感に満ちた夢を作り出すのです。このほか、落ちる夢は遠い昔のヒト科の祖先から受け継いだ本能だ、という説もあります。これらの祖先たちは木の上で眠っていたため、墜落を避けるために突然目覚める必要があった、というのです。おもしろいでしょう?
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