乳ガン克服者の女性らしさを再生するタトゥーアーティスト

7月 9, 2017

世界保健機関(WHO)によると、毎年138万人が、乳ガンと診断されていますが、乳ガンによる死亡者の数は減少しています。乳ガンの早期発見と革新的な治療によりこの病気の発見の早期治療が可能になったことも死亡者が減少している理由の一つです。

乳ガンを発症すると、長期的な身体的、感情的、そして精神的なダメージを受けます。そして単純乳房切断または根治的乳房切断により患者の身体が変化し、なかなか癒されない心の傷となることもあります。

胸を失ったり、乳房切断により乳首や乳頭を切除するのは多くの女性にとって受け入れがたい現実です。

本記事でご紹介する「乳ガンのためのタトゥーアーティスト」たちの新たな試みは、乳ガンと闘う勇敢な女性たちの女性らしさを再生するために始まりました。

特別なタトゥーで自尊心を回復させる

タトゥーは一度入れるとそのデザインが肌に一生涯残るので、タトゥーを入れる人の数はそれほど多くありません。

本記事では、シンプルなタトゥーが乳ガンのような特別なケースにどのように貢献するのかをご紹介します。

ステファニーさんは乳ガンの克服者です。乳房切断術を受けた後、再建手術を決意しました。

ただし乳房の再建手術は非常に複雑で、特に乳首の再建は難しいと言われています。乳首の再建は主に「着色」と言うタトゥーに似た手法が使われますが、この手法を取り入れる病院が少ないという点と、着色が永久的に保たれるわけではないのが問題となっています。

数年前、スペインのマドリッド在住のタトゥーアーティスト、ヘロ・バラスコ氏が、新しいプロジェクトの開始をソーシャルメディア上で発表しました。

これは、彼の所有する施設やサービスを「乳首」の再建に利用する際は、必要ならば無料で施設の使用やサービスを提供するという内容でした。

これにより、ステファニーさんは乳房を取り戻しました。乳房を再建した後、ステファニーさんは家族と海に出かけましたが、この時、彼女のお嬢さんに「お母さん!気をつけて!ビキニが落ちてきて、周りの人から胸が見えてしまいそう!」と言われたそうです。

驚くような内容の話ではないように聞こえるかもしれませんが、ステファニーさんは「私にまた胸ができたのよ!」と、これがいかに嬉しい出来事であったのかを笑顔で語ってくださいました。

特別なタトゥー

ガン患者は、乳首を再建するのはとても特別なタトゥーなのだと語ります。

乳首と乳輪は女性の乳房の中でも「女性らしい」大切な部分で、患者本人とそのパートナーしか見ることがない部分であっても、また自分以外は誰も見ないとしても、女性の身体には大切で繊細な部分です。

乳房を切除してこの部分がなくなるのは、女性にとってトラウマとなる可能性の高い非常にデリケートな問題です。

タトゥーアーティストであるジェロ・ソリアーノ氏は、女性にとって非常にデリケートなこの問題をしっかりと理解し、乳ガン生存者の女性は自尊心を取り戻す権利があると信じています。彼はオレンジと茶色などの色を使い、乳ガン生存者の女性が自尊心を回復できるような乳首と乳輪の再建に尽力しています。

一般的な乳房再建術は素晴らしい手術で、洋服を着ている時は見た目には何の問題もないように感じられるかもしれませんが、実際は大切なものが欠けています。

つまり、形はきちんと再建されても、乳首がないことで女性の自尊心は低下することがあります。(もちろん、状況への対応には個人差があるので、すべての女性がそうだというわけではありません)

外科医とタトゥーアーティスト

外科医とタトゥーアーティストの両者が協力し合うことで、女性の乳房が再建され、乳ガン患者の心身の回復が成功します。

タトゥーによる再建施術は細かい作業ですし、乳首と乳輪はデリケートな部分なので患者の人生などについて尋ねることもあります。

そのため、このタトゥーサービスは個人クリニックのような場所で行われ、通常ヨーロッパでは胸1つにつき300−400ユーロかかります。

胸の再建手術に至るまでに乳ガン患者には治療費、手術代、そして治療中のカツラなどの細かなアイテムを含む経済的な負担と、ガンを発症し乳房を失ったと言う心身への負担があります。

そのような状況でも、乳ガンを克服し、女性らしさを取り戻したい、美しくなりたいと言う気持ちが強い方も多くいます。

そんな時に高額なタトゥー費用を負担させることはしのびないということで、これらのタトゥーアーティストたちは活動しています。

乳ガンから回復した女性の状況は様々で、個人差がありますが、こうしたタトゥーアーティストたちはタトゥーサービスで乳ガン生存者をサポートしています。

あなたへおすすめ