尿路感染症のための抗生物質

6月 6, 2020
尿路感染症にとってのベストと言える抗生物質が何かはまだ判明していません。全ての抗生物質には短期的、中期的、長期的な副作用があります。また、細菌は抗生物質に耐性を持つようになります。

尿路感染症はよくある感染症です。男性よりも女性の方がなりやすいでしょう。女性の方が泌尿生殖器が短いからです。実際、5人に1人の女性が、生涯のうち一度は尿路感染症になると言われています。尿路感染症は、泌尿器系のどの部分にも起こり得ます。つまり、膀胱、プロバイオティクス腎臓、尿管、尿道のどこが感染してもおかしくないのです。ですが、感染の80%は下部尿路や膀胱、尿道です。

尿路感染症の中でも最も多いのは、女性の膀胱炎、男性の前立腺炎です。年配の方では、発生に男女差はあまりありません。季節的、地理的要因はないようです。今日は、尿路感染症とその治療に使われる抗生物質について詳しく知りましょう。

尿路感染症

女性と尿路感染症

尿路感染症を引き起こすのは細菌です。尿路感染症のケースの70〜90%は、細菌大腸菌が原因です。大腸菌の他、プロテウス・ミラビリス、ブドウ球菌、クレブシエレラ・ニューモニエ、腸球菌なども原因としてあげられます。

中には尿路感染症になりやすい人たちもいます。リスクが高いのは、糖尿病の方、免疫抑制、高齢者などです。神経因性膀胱の方、膀胱が空っぽにできない方、尿道カテーテルを使用している方も尿路感染症になるリスクが高いでしょう。

男性に多い尿路感染症は、前立腺炎、尿道炎、精巣上体炎、精巣炎です。女性は、膀胱炎や無症候性細菌尿症(特に妊娠や排尿症候群からくる)が多いでしょう。

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抗生物質の使用

尿路感染症の治療としては、まず抗生物質が投与されることが一般的です。尿路感染症の治療で最もよく使われている抗生物質は、以下に挙げるグループのものです。

  • キノロン系抗生物質:下部尿路感染症の治療に使われる。消化吸収が良いため、まずは静脈注射で投与し、その後経口投与されることが一般的。妊娠中の女性は、妊娠後期以降なら投与可能。
  • アミノグリコシド系抗生物質:特に、感染の原因がグラム陰性菌である時に使われる抗生物質。有害な副作用があるため、短期的な使用のみ。
  • セファロスポリン:第一世代セフェムの使用は推奨されていない。一方、第二世代は軽度の感染に、第三世代はより深刻な感染に使われる。
  • アミノペニシリン/βラクタマーゼ阻害薬:胎児への影響はないとされているため、軽度の感染や妊婦の尿路感染症に推奨される。だが、この抗生物質に抵抗力のある細菌はたくさんある。
  • トリメトプリム/スルファメトキサゾール(TMP/SMX):原因となる細菌が特定され、その細菌がこの薬剤に敏感である場合にのみ投与される。それ以外のケースでは推奨されていない。
  • ニトロフラントイン:主に再発予防のために使われる。妊娠初期の投与は推奨されていない。
  • ホスホマイシン:グラム陽性菌、グラム陰性菌の両方に対して有効な抗生物質。単回投与。最も効果的でよく使われている抗生物質の一つ。

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考慮すべきデータ

細菌と抗生物質

抗生物質治療は、尿路感染症を引き起こす特異物質に対して行われます。尿路感染を引き起こす細菌のほとんどは、大腸菌だということを考えると、検査結果が出るのを待ちつつ治療をスタートするのが良いでしょう。

他の薬剤にも言えることですが、抗生物質にも副作用があります。副作用の多くは一時的で、投与後すぐに現れるでしょう。副作用として、発熱、吐き気、下痢、嘔吐、頭痛、発疹、腱のトラブル、神経のダメージなどが挙げられます。また、長期的に続く副作用もあります。これは、抗生物質の多くは、膣や腸内フローラに影響を与えるためです。従って、婦人科系や消化管の細菌や真菌が増殖しやすくなります。抗生物質の治療と一緒にプロバイオティクスを摂取することを勧める医師がいるのはそのためです。

細菌が抗生物質に耐性を持つようになるのが問題です。

今後数年のうちに、細菌は多くの抗生物質に対して耐性を持つであろうと研究者は予測しています。こういった抗生物質には、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン、 アモキシシリン、アンピシリンなど様々な抗生物質が挙げられます。現時点では、ホスホマイシンだけが細菌に勝つことができると考えられています。そして、新たな治療方法がないかという研究はこれから先も続けられていくでしょう。

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