急性と過剰使用の二つに分類:軟部組織損傷の治療法
軟部組織は一般的に、腱、靭帯、筋肉で構成されています。
筋肉は、 筋繊維と呼ばれる収縮性の繊維状細胞で構成されており、その弾性により収縮や伸縮が起こります。
一方、腱は、筋肉と骨を結合する部分で、エネルギーを骨に伝達して動きを引き起こします。
靭帯の構造は腱に似ていますが、その機能は、強靭な結合組織の短い束を使って骨と骨を繋ぐ関節を形作り、また補強することです。
軟部組織の損傷は、急性と過剰使用による損傷の2つに分類されます。
急性軟部組織損傷
急性の軟部組織損傷は、転倒や何かによる打撃などの突然の外傷によって引き起こされます。
捻挫、ストレイン損傷、そして打撲はここに分類されます。
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捻挫
捻挫とは文字通り足をひねることで、靭帯が引き伸ばされたり引き裂かれる症状が、足首、膝、手首によく起こります。
捻挫はその重症度に応じて、次のように分類されます。
- グレード1(軽度):わずかな伸びやひねりが起こり、靭帯線維にわずかな損傷がある
- グレード2(中等度):不完全な靭帯断裂
- グレード3(重度):不安定性を引き起こす総靭帯断裂
重症度は3段階に分かれていますが、痛み、打撲、腫れ、炎症といった症状は、すべての捻挫に共通しています。
ストレイン損傷
ストレイン損傷とは、患部の過剰使用、ストレッチ、または極端な力がかかることで起こる軟部組織の損傷です。
ストレイン損傷は、筋肉が収縮するときに急激な過伸張が加わることなどが原因で起こり、肉離れから完全な裂傷までの、広範囲の損傷が起こります。
ストレイン損傷の一般的な症状をご紹介します。
- 筋痙攣
- こむら返り
- 筋力低下
- 炎症
打撲
衝突や転倒など、外からの力によって打撲による損傷が起こります。
血管の破損により、皮膚の色の変化が起こり、動きが制限されることもあります。
急性軟部組織損傷の治療
治療は、損傷の種類と重症度によって異なります。
急性軟部組織損傷が発生した場合、最初に適応されるのが最初の治療は、RICEの法則(Rest(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上))です。
損傷の原因となった活動を中止して休息を取り、1日数回、氷または冷湿布を20分間適用してください。
炎症を防ぐためには、弾性のある圧縮包帯を着用して、損傷部分の手足を心臓の上に持ち上げることが推奨されます。
軽度の捻挫の治療にもRICEの法則が効果的ですが、中程度の捻挫では、患部の固定が必要になることが多く、重度の捻挫の場合は、損傷を修復するための手術が必要になることもあります。
肉離れなどのストレイン損傷の場合、同じようにRICEが適用されます。
軽度の場合は、RICEによってほとんどの痛みが緩和され、機動性が回復しますが、症状が改善しない場合や症状が軽度でない場合は、必ず医師の診察を受けてください。
軟部組織の過剰使用による損傷
過剰使用による損傷は、時間の経過とともに徐々に発生します。
同じ場所を頻繁に使っているため、体や患部が治癒するのに十分な時間がない場合に起こります。
最も一般的な軟部組織損傷は、腱炎と滑液包炎です。
腱炎
腱炎という軟部組織の損傷は、腱の炎症や刺激で、通常は、腱に影響を与える一連の動きの繰り返しにより発生します。
腱炎の典型的な症状は、腫れとその活動を繰り返すことで悪化する痛みです。
こちらもご参照を:腱炎のタイプとその原因:自然な方法で治療しよう!
滑液包炎
滑液包とは、腱と骨や筋の間,皮膚と骨の間などに存在する滑液が入った袋状のもので、摩擦を軽減するクッションの役割があります。
滑液包炎とは、度重なる圧迫や過剰な摩擦、そして外傷によってこの滑液包に炎症が起こることです。
患部の酷使による怪我の治療
専門家は、腱炎の治療に必要な柔軟性の改善には、休息、抗炎症剤、そして適切な運動を推奨しています。
ただし腫れが続く場合、腱に重大な損傷を引き起こす可能性があるため、外科的な治療を必要とすることがあります。
滑液包炎の症状を和らげる場合は、原因となっている活動や運動を変更することや、抗炎症剤の服用が必要がです。
症状が改善され場合は、液体を取り除く必要があるかもしれません。
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