コミュニケーションに役立つ「I(アイ)-メッセージ」

08 2月, 2020
人間同士のコミュニケーションはとても複雑なものです。自分自身をより適切に表現するための多くの方法が開発されています。その中でも今回ご紹介したいのは「I-メッセージ」と呼ばれるコミュニケーションツールです。本記事で詳しくご紹介します。

「I(アイ)-メッセージ」または「私メッセージ」と呼ばれるこの方法は、パートナーや相手を傷つけることなく、自分の考えや感情を表現したい時に役立つコミュニケーション方法です。

他人の行動が気に入らないという状況を想像してください。

ほとんどの人は、自分が抱いている不快感とそれによって生じる複雑な感情を相手に伝えるのが難しいと感じるでしょう。

また、相手との衝突を避けるために、自分が本当に言いたいことを言わずに我慢することもあります。

自分が相手に伝えたいことを話すと決めても、ついつい自己主張的な口調になったり、相手を怒らせない適切な言葉を見つけるのに苦労することもあるでしょう。

このような状況において、「I-メッセージ」は、相手を非難せずに敬意を表しながら自分を表現できる、完璧なテクニックだと考えられています。

I(アイ)-メッセージとは何ですか?

「I-メッセージ」は、相手を攻撃することなく、自分の感情を断定的に表現する機会を人々に与えるコミュニケーション戦略です。

自分の考えを話す時には、主語を「自分」にして伝えたいことに集中し、そこから派生する感情を伝えます。

コミュニケーションに役立つ「I(アイ)-メッセージ」 会話をする二人

「I-メッセージ」は、人々がより積極的に自分自身を表現できるコミュニケーションツールです。また相手との衝突を軽減する効果も期待できます。

たとえば、「あなたは絶対に何も片付けないじゃない!」という言葉を、一緒に暮らしている人に伝えるケースがあるかもしれませんが、この言い方だと、言われた相手は攻撃されていると感じて、同じようにこちらに対して、攻撃的な言い方で言い返す可能性があります。

相手に何か伝える時には、主語を「I(私)」にして、以下のように伝えましょう。

「先月は、私が家の掃除をすべてしました。私は、掃除に関して十分なサポートが得られているとは感じられません。」

これは、話をしている人が、主語を「I(私)」にして、何が起こったのかを説明しながら、自分の感情を相手に伝え、言葉の中で相手を非難することには焦点を置きませんでした。

このように表現することで、相手がこちらのいうことに共感しやすくなりますし、相手も判断力を失わず、冷静に自分の感情をこちらに伝えることができる効果があります。

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「I-メッセージ」と「You(ユー)-メッセージ」の違い

「You-メッセージ」とは、口論や話し合いの場で誤って使われがちなコミュニケーション方法です。

「I-メッセージ」と「You-メッセージ」の違いは次のとおりです。

非難

「You-メッセージ」を使うと、相手を非難する言葉になる傾向が強いため、相手が攻撃されたと感じる可能性があります。

相手との良好なコミュニケーションを妨げるだけでなく、相手が感じるべき罪悪感を強調するという逆の効果しか得られません。

相手は自分を弁護し、責任を逃れ、あなたからの非難や批判に反論するでしょう。

「I-メッセージ」の場合は、例えば、恋人から連絡がなかった翌日、「あなたのせいで昨日は本当にひどい日だった。ありがとう!」という代わりに「私は、昨日電話をもらえなかったので寂しかった」と伝えれば、言われた相手は攻撃されたり非難されているとは感じないでしょう。

批判

「You-メッセージ」を使うと、相手を批判する傾向があります。

例えば、相手がいつも遅刻してきたり時間にルーズな場合、「あなたはいつも同じような行動をする。あなたはいつまでたっても絶対に変わらない!」と言われた場合、言われた相手は問題を解決したいとは感じないでしょう。

この場合、「I-メッセージを」を活用して以下のように具体的に伝えましょう。

「遅刻するかもしれないと教えてもらえないと、私はとても緊張してしまいます。」と伝えれば、相手を批判したり判断せずに、自分の感情を伝えられるでしょう。

コミュニケーションに役立つ「I(アイ)-メッセージ」 口論中のカップル

「You-メッセージ」は相手を批判して良好なコミュニケーションを妨げ、問題の解決を難しくします。

衝突を避けて解決する

「You-メッセージ」は、二人の間で起こっている問題の核となる部分を解決することはできないだけでなく、状況を悪化させる可能性もあります。

しかし「I-メッセージ」は、両者の間で解決策を見つける優れたコミュニケーション戦略となります。

何が起こったのかを相手に説明し、自分がどう感じたかを表現し、代替案を提案することに集中することで、二人の間に生じている問題も解決に大いに役立つでしょう。

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「I-メッセージ」の使用方法

  • 一人称である「私」を使った言葉を定式化する:「…な時に私は心配になります」「…になると私は気分が悪くなります」「…だから私は悲しいです」などです。
  • 相手の行動を出来るだけ客観的に説明する:「遅刻しそうな時に教えてくれないと…」「私が1日の出来事をあなたに説明してもあなたに聞いてもらえない時…」「私の親友のことをあなたが悪く言うとき…」などです・
  • 相手の行動に対する自分の感情を説明する:「私の時間に敬意を払ってもらえていないように感じます…」「..の時、私はあなたに無視されているように感じます.」「…をされると私は感謝されていないように感じます」などです。
  • 解決策を提案する:「次回、遅刻する時には早めに教えてもらえると私は嬉しいです」「今回のような長い行列を避けるために、次回はもっと早い時間に買い物に行きたいです」「来週は、一緒に洗濯ができたらいいなと思っています」などです。

「I-メッセージ」は、友人、パートナー、家族や親戚、職場の同僚、そして今会ったばかりの人に対しても使うことができる、コミュニケーション戦略です。

「I-メッセージ」と言うコミュニケーションを行うことで、相手が罪悪感を感じるのを防ぎながら、自分が経験した状況を相手に伝えて、相手を攻撃することなく解決策を提案することができます。

この方法を活用すれば、相手が防御的にならず、こちらの気持ちを理解してくれるため、こちらが提案する解決策により協力的になるのに役立つでしょう。

  • Armero, M. (2018). Aprendiendo a vivir. Uno Editorial.
  • Castanyer, O. (2014). Aplicaciones de la asertividad. Editorial Desclée de Brouwer.
  • De Castro, A. (2013). La comunicación oral: Técnicas y estrategias. Editorial Universidad del Norte.