子ども時代に受けた5つの心の傷

あなたの幸福や健康、独立した人格として成長していくための能力などに影響を与えた子ども時代の出来事を認識することで、心の傷は次第に癒え始めることでしょう。
子ども時代に受けた5つの心の傷
Bernardo Peña

によってレビューと承認されています。 心理学者 Bernardo Peña.

によって書かれた Raquel Aldana

最後の更新: 04 1月, 2023

私たちはしばしば、子ども時代に 心の傷 を負います。また、何が今の自分を妨げているのか、なぜ不快に感じていて、自分が何を恐れているのかを自覚していないことも時々あります。

多くの場合、物心ついたばかりの頃に経験した心の傷がそれらの原因となっています。また、その傷は完全に癒えることはありません。

幼い頃の心の傷は、大人になってからの人格や、問題が起きたときの対処の仕方などに影響を与えます。

私たちは心の傷を自覚し、それらに支配されないようにする必要があります。癒すタイミングが遅くなるほど、傷は深くなります。同じ苦しみを再び経験することの恐怖は、実生活での成長を妨げるいくつもの仮面を作ってしまうことになります。これは避けなければいけないことです。

裏切り、侮辱、不信、見捨てられること、不正…これらはリズ・ブルボーが著書「五つの傷」(The 5 Wounds That Keep You from Being Yourself)において述べているものです。

これらの5つの傷について見ていきましょう。

1. 見捨てられることへの恐怖

幼い頃見捨てられた経験のある人にとって、誰かに見捨てられるかもという不安は大人になっても最大の恐怖となります。子どもにとって、まだ未知のことばかりのこの世界で、孤独で、誰からも守られないことの恐怖がどれほど苦痛であるか想像してみてください。

見捨てられること

結果的に、大人になるにつれ、自分が再び見捨てられることを避けるためにはどんな手段でも取るようになります。そのため、子ども時代に見捨てられる経験をした人は、パートナーをすぐに見捨てたり、将来の計画をすぐにあきらめてしまう傾向があります。自分から相手を遠ざけることによって、子どもの頃と同じ苦しみを味わうことを避けているのです。

このタイプの人々には、次のような考えや言動が共通しています:「あなたが私から去る前に、私があなたの元から去る」「誰も私を助けてくれないから、私も誰も助けない」「あなたは一度去ったらもう戻らないだろう」…

彼らは、一人になることへの恐怖や、見捨てられることへの恐怖、ハグなどの身体的接触を拒否されたことの心の傷と向き合わなければいけません。癒すことの難しい傷ですが、一人になることへの恐怖と向き合い、物事をポジティブに考えるよう訓練することは、一歩踏み出すために良い方法と言えます。

2. 拒絶されることへの恐怖

この種の心の傷は、自分自身の感情や考え、経験を受け入れることを難しくします。

これは子どもの頃、両親やその他の家族、学校の友人などから拒絶されたことによって起きるものです。この心の痛みは、健全な自尊心と自己愛が成長することを妨げます。

また、自分が拒絶されている、必要とされていないといった感情や、自尊心の低下の原因になります。

拒絶された子どもは、自分は愛される価値や理解してもらう価値がないと感じ、同じ苦しみを再び味わうことを恐れ、より孤独におちいるようになります。

子どもの頃に拒絶されてきた人は、臆病で人に理解されにくい大人になる傾向があります。そのため、自分自身を混乱させる心の中の恐怖と向き合わなければなりません。

もしあなたがこのタイプに当てはまるなら、他人ではなく自分自身のすることを気にかけるようにし、自分のことは全て自分で決めるようにしましょう。誰かが去っていったとしても気にかけないように努め、誰かがあなたをイベントに招待するのを忘れたとしても、自分のせいだとは思わないでください。あなたの人生を生きるのは、あなた自身なのです。

3. 侮辱

この心の傷は、私たちが他人から認められない、または他人から批判されたと感じるときに生じるものです。子どもの頃にバカだ、だめなやつだ、太っているなどと言われたり、他人に知られたくない問題について人前で言及されたことなどが原因となります。これらのことが子どもの自尊心を傷つけることは明らかで、また「自分には価値がある」という健全な感覚を養うことを難しくします。

恐怖

これはしばしば、依存的な性格の原因となります。このタイプの人々は自分を守るためにわがままで自己中心的になり、反対に他人を侮辱するようになる傾向があります。

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このタイプの人々は自立心と自由に生きることを学び、自分自身が何を必要とし、何を恐れ、何を優先とするかを理解する必要があります。

4. 裏切り、または他者を信頼することへの恐怖

この心の傷は、身近な人に約束を破られ、裏切られた・だまされたという感情が生じたときに負うものです。結果として、嫉妬などのネガティブな感情につながる不信感が生まれ、約束を破られたのは自分に価値がないからだと感じたり、他人が持っているものでも自分はそれを持つに値しないと感じるようになります。

子どもの頃にこの心の傷を負うことは、成長したときに、他人を操作するような人格や、完璧主義の原因となります。このタイプの人は、あらゆることが変更不可能で、完結していて、確実であることを欲します。

信頼することの恐怖

もしあなたがこのタイプに当てはまるなら、あなたの周りにいる誰かがあなたより強いキャラクターの持ち主だったときに、その人をコントロールしなくてはいけないと感じるのではないでしょうか。これは防御機能であり、失望から自分を守るための盾なのです。

この種の心の傷は、どう振る舞うか、他人に対してどんな偏見を持っているかといったことに反映されます。このタイプの人は忍耐と寛容さ、 一人で過ごすこと、他人に責任を委ねることを学ぶ必要があります。

5. 不正

不正の感情は、最初に面倒を見てくれた人が冷たい性格の権威主義者だった場合に芽生えます。このような厳しい性格の人物から受けた心の傷によって、幼い頃のみならず成長した後も、無力感と、何をやっても無駄だという感覚を持つようになります。

アルバート・アインシュタインはこの考えを次のよく知られた言葉でまとめています:

私たち全員が天才なのです。しかし、魚を木に登る能力で評価するなら、魚は一生自分はバカだと思い込んで過ごすことになります。

この種の心の痛みを経験した人は、結果的に、心がかたくなになり、物事を白か黒かで判断するようになります。重要な人物であろうとし、権力を持とうとしたり、大きな成功をおさめようとします。

また、秩序を守ることと、完璧であることに執着するかもしれません。彼らはしばしば急進的な考えを持っており、自分の決断に自信を持つことができなくなります。

こういった問題を解決するためには、柔軟性や、他者を信じる気持ちを持つことができるように、不信感や精神的な厳格さと向き合っていく必要があります。

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あなたの幸福や健康、独立した人格として成長していくための能力などに影響を与えた子ども時代の出来事を認識することで、心の傷は次第に癒え始めることでしょう。

最初の一歩として、幼い頃に負った心の傷を受け入れ、自分自身が抱いている怒りの感情を認め、時間をかけて心を癒していきましょう。

出典:リズ・ブルボー「五つの傷」(The 5 Wounds That Keep You from Being Yourself)(2003)


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