自己投薬と健康へのリスクについて考えよう
セルフメディケーションとは、処方箋がない状態、つまり医学的な介入なしに薬を服用することです。薬が安くインターネットなどで入手できるようになったために、比較的簡単に医薬品が手に入るようになったことが懸念されています。
前述した「医学的な介入なし」という言葉は、医師による診断または処方箋のいずれかの専門的な介入がない状態で、治療への監督も行われていないことを意味します。現代社会において、自己投薬という習慣が増えていますが、ほとんどの人は、自己投薬によって薬を服用した場合に、自分だけではなく自分以外の多くの人に悪影響を与えるという事実を理解していません。
頭痛、発熱、風邪などの軽い症状を緩和するために使用する市販薬がありますが、これらの市販薬を使用できるのは、ある程度の期間のみです。症状が長引く場合は、必ず医師に相談するか診察を受ける必要があります。
今回の記事では、自己投薬の危険性と健康的な代替手段のいくつかをご紹介します。
自己投薬と鎮痛剤
鎮痛薬と抗生物質は、一般的に最も誤用されている薬とも言えるでしょう。
残念ながら、これらの薬物の消費に関する推定によると、すべての年齢層や幅広い範囲の疾患を持つ多くの人の間で起こる鎮痛剤への大規模な曝露があることを示しています。
これらの薬を無差別に、または専門家の指示や監督なしに使いすぎると、腎臓や消化器系に深刻な影響を及ぼし、胃潰瘍から肝臓の壊死までも引き起こす可能性があります。
危険な形の自己投薬:抗生物質
残念ながら、世界の中には、感染症などの診断を受けていない人でも、抗生物質を一般的に購入できる国があります。薬の知識がなくても、よく知られている名前だけで薬を購入しようとするケースも多くみられます。
抗生物質を頻繁に自己投薬できる国もありますが、その結果、特に外来の細菌性病原体に対して、良くない結果として抗生物質への耐性が生まれることも記録されており非常に危険です。これは、抗生物質などの薬物の乱用が細菌の耐性を引き起こし、特定の疾患の治療を不可能にすることを意味します。
抗生物質などの薬剤の無差別な使用により世界の全人口の健康に危険が及ぶのを避けるためにも、医師や専門家による監督なしに抗生物質を使用しないでください。
その他のケース
ここでは、多くの人々が医師による処方や指導なしに服用する傾向がある薬と、サプリメントのグループをいくつかご紹介します。
- 局所消毒薬
- ビタミンとミネラルのサプリメント
- 抗ウイルス薬と咳抑制薬
- 胃腸薬
- 下剤
- 制酸剤
- 抗鼓腸薬
ただし、この記事で強調したい最重要事項は抗生物質の耐性です。
こちらの記事もご参考に:ラフターセラピー:笑いは百薬の長
抗生物質の耐性
薬剤耐性と呼ばれることもある抗生物質への耐性は現在、世界的な危機にさらされています。一度はこの言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、これがどれほど大きな問題かについて深く理解している人は多くないでしょう。
菌株が抗生物質に耐性を持つようになるということは、抗生物質がその特定の細菌に対して効果がないという意味です。その結果、これらの微生物は、ある所定の薬物の作用から身を守るためのさまざまなメカニズムを発達させます。
では、何が問題なのでしょうか?
特定の薬剤が機能しなくなった場合は、別の種類の薬剤を使用すれば良いのではないでしょうか?
まさしくこれが、現代社会が行っている解決方法です。しかし、新しい抗生物質を開発し使いすぎると、細菌も耐性ができるなど、様々な問題が生まれます。さらに問題は、抗生物質の選択肢が不足しており、いつか完全に抗生物質が不足するリスクがあるという点です。
新薬の開発は長く、複雑で、非常に費用のかかるプロセスです。このため、自己投薬を行わず、必ず医師の指導とアドバイスに従うことがとても大切です。
自己投薬の健康リスク
医師や薬剤師が関与していない自己投薬は、多くの場合、本人が気づかない健康上のリスクをもたらす可能性があります。そのいくつかをご紹介します。
- 中毒
- 有効性の欠如:自己投薬による薬の服用は誤用なので、有効性の欠如が起こります。特に、ウイルスの治療に使用される抗生物質の場合に良く起こる一般的なリスクです。
- 依存症や中毒症状:ベンゾジアゼピンを服用することで起こる可能性があるリスクです。
- 臨床プロセスへの深刻な遮蔽
- 抗生物質の耐性:上記で説明したように、個人の抗生物質への耐性が生まれます。
結論
処方薬について質問がある場合は、医師または薬剤師に相談してください。医師が処方や治療を指示しない限り、処方箋が必要な薬を自己判断で服用するのはやめましょう。
市販薬を使用する場合も、その正しい服用法について必ず薬剤師に相談してください。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Tobón Marulanda, F. Á. (2002). Estudio sobre automedicación en la Universidad de Antioquia, Medellín, Colombia. Iatreia.
- Ras Vidal, E., & Moya Ortiz, P. (2005). Prescripción médica o automedicación. Atencion Primaria. https://doi.org/10.1157/13079153
- Wirtz, V. J., Dreser, A., & Leyva, R. (2009). El debate sobre la automedicación. Salud Pública de México. https://doi.org/10.1590/s0036-36342009000300004
- Galán, T. A. (1999). El rol del farmacéutico en automedicación . Uso de medicamentos : análisis desde la experiencia en España. Pharmaceutical Care España.