自己愛性パーソナリティ障害について

自己愛性パーソナリティ障害のある人は、ほとんど他人に共感を覚えることができません。また、自分に対する批判に腹を立てやすく、対人関係の問題を抱えています。
自己愛性パーソナリティ障害について
Alejandro Duarte

によってレビューと承認されています。 生物工学者 Alejandro Duarte.

によって書かれた Daniela Echeverri Castro

最後の更新: 06 12月, 2022

自己愛性パーソナリティ障害は、過度に自己中心的な感覚を持ち、他者に対する純粋な共感をほとんど持たない精神状態です。通常、この障害を持つ人は、自分は特別な扱いに値すると考えていて、注目の的であるべきだという気持ちが常にあります。

一般的に、自己愛性パーソナリティ障害の人は、対人関係の分野で欠点があります。なぜなら、自分自身に意識を集中させていて、他人に何が起こっているかなど気にも留めないからです。実際に、他人が自分に絶え間ない賞賛を浴びせてくれ、自分の自尊心を満たすときのみ、他人を受け入れるのです。

しかし、そんなお面の背後には、わずかな批判で崩壊する、脆弱な自尊心が潜んでいます。このため、期待に応えられないと不満を感じ、失望するため、抑うつ状態に陥りやすい傾向があります。

同様に、周りの人と自分を常に比較しており、自分に勝る人間はいないと思っているため、周りの人との関係に満足していないことがよくあります。

この障害の原因は何なのでしょう? 特定方法は?

今回の記事では、トリガーとなる要因と、障害の兆候を特定するのに役立つサインについて説明します。

自己愛性パーソナリティ障害の原因

他の精神障害と同様に、自己愛性パーソナリティ障害を説明する明確な原因はありません。しかし、専門家によると、この障害は神経生物学的要因、遺伝的要因、環境的要因の組み合わせの結果であると考えられています。

そう考えた場合、下記に当てはまる時に障害のリスクが高くなります。

  • 過保護または過度に批判的な家族との関係が悪い。
  • 自分の行動と思考に脳が追いつかない感覚がある。
  • 両親または近親者の複数に、自己愛性パーソナリティ障害がある。
  • 外観や能力を理由に過度な賞賛を受けている。

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自己愛性パーソナリティ障害の兆候

全体的に、自己愛性パーソナリティ障害とその重症度を特定するのに役立つ多くの兆候があります。ほとんどの場合、自己中心的であり、自分の能力を誇張し、他人を自分より劣っていると見なす、ということが兆候の一部です。

さらに、下記が挙げられます。

  • 過度な傲慢
  • 絶えず称賛されたがる
  • たとえ自分の実力に見合わずとも、優越性を認めさせたがる
  • 自分の実力と才能の誇張
  • 将来の成功と、完璧で理想化された恋愛を手に入れることができるか心配する
  • 他人に対する優越感と自分自身を比較する必要性
  • 自分と同じくらい凄い人の周りにしかいようとしない
  • 会話を独占する
  • 特別扱いを期待する
  • 自分の利益のために他人を利用し、他人のニーズや感情を全く無視する
  • 共感力の欠如
  • 他人を羨みながら、他人から羨まれていると思い込む
  • 傲慢はまたは生意気な言動
  • 自分は偉大であると思い込む、またはすべてにおいて自分は最高だと主張する
自己愛性パーソナリティ障害の兆候

また、自己愛性パーソナリティ障害がある人は、批判に対する耐性がほとんどなく、逆風が吹く状況に直面するのが苦手です。

その結果、次のような兆候も表れます。

  • 焦りや怒り
  • 社交的スキルの欠如
  • 他人を見下し、不当に扱うことで、自分の方が優れているという印象を与えたがる
  • 感情や行動を抑制できない
  • 自分が完璧でないと思うことで引き起こされるうつ病または不安障害
  • 不安感、罪悪感、屈辱感
  • ストレスに対処し、変化に適応することができない

診断

通常、自己愛性パーソナリティ障害の診断は複雑なことが多いです。結局のところ、その症状の多くは他の障害の症状と似ています。そして、一度に複数の人格障害が診断される場合もあるのです。

この精神疾患を診断するためには、医療専門家により精神障害の診断および統計マニュアル(DMS-5)の基準が検討されます。さらに、身体検査を行い、集中的な心理評価を行います。

自己愛性パーソナリティ障害の治療

自己愛性パーソナリティ障害 治療

残念ながら、この障害を持つ人が治療を受け入れることは非常に困難です。

自分勝手な振る舞いと、「自分は完璧である」という思い込みのために、自分に問題があるだなんて受け入れません。ですから、専門家から助けを得ることは考えないのがほとんどのケースなのです。

しかし、もし本人が診断を受けて治療をすることを決めた場合、専門家から認知行動療法のセッションを勧められるはずです。

全体的に、その目的は次のとおりです。

  • 他の人とより良い関係性を築くことを学ぶ
  • 自分の行動の原因を理解する
  • 人と近しい関係性を維持できるようになる
  • チームワークの能力を強化する
  • 批判と失敗に耐えられる能力を学び、受け入れる
  • 感情を認識して制御する能力を高める
  • 達成不可能な目標を達成したいという欲求を解放する
  • 真の自尊心を向上させる
  • ストレスの多い場面でも自制する

薬剤治療

基本的に、自己愛性パーソナリティ障害を治療する薬はありませんが、不安とうつ症状を軽減する抗不安薬または抗うつ薬を使用することを医師が提案する場合があります。

最後に、自己愛性パーソナリティ障害は、年月が経つにつれ悪化する可能性がある、というのは特筆すべき事項です。しかし、これは障害の原因と本人のライフスタイルによって違いが出ます

しかし、周りの人との健全な関係性があり、治療を続ければ、大幅な改善は見込まれます。治療は非常に重要です。


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