一型糖尿病の子どもを育てる

一型糖尿病は、主に子どもの頃に発症する自己免疫疾患です。アメリカでは現在、およそ125万人の患者がいるとされています。今日は、一型糖尿病の子どもを育てることについて見ていきましょう。
一型糖尿病の子どもを育てる

最後の更新: 28 11月, 2019

一型糖尿病は慢性の病気です。ですが、適切にコントロールをすれば、生活の質が落とされることはないでしょう。糖尿病の子どもには、確かに特別のケアが必要ですが、普通の生活を送ることは可能です

今日は、一型糖尿病という病気について、また一型糖尿病を抱える子どもを育てることについてみていきましょう。

一型糖尿病

一型糖尿病は、主に子どもの頃に発症する自己免疫疾患です。インスリンを作り出す細胞に影響を与えます。糖尿病全体の10%を締め、高発生率は10〜15歳の間に見られます。

一型糖尿病の子どもの膵臓はインスリンを生成する能力を失っています。体の免疫系自体が、インスリンを合成し分泌するベータ細胞を攻撃し、破壊するからです。

ペプチドホルモンであるインスリンは、炭水化物の吸収を促進することによって、炭水化物、脂質、タンパク質の代謝を正常化します。これには、血液から肝臓や脂肪、エネルギーを作り出すのに必要な骨格筋細胞へのブドウ糖を含みます。そのため、この欠乏を補う必要があるのです。

一型糖尿病

一型糖尿病の根本的な原因は知られていません。ですが、遺伝や特定のウイルスが関係しているのではないかと考えられています。第一型糖尿病が最初に現れるのは、通常子どもの頃や思春期間前であるのですが、中には大人になってから現れることもあります。

 

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一型糖尿病の子どもを育てる際のアドバイス

一型糖尿病の子ども

次に、一型糖尿病の子どもやその家族が、この病気をうまく付き合い、生活の質を保つための一般的な推奨事項をご紹介します。

1. 一型糖尿病についての知識を増やす

もし、お子さんが一型糖尿病だと診断されたら、この病気の基本的なことを知ることが大切です。また、子どもを取り巻く環境を正常化するよう導くことが大切です。これにより、子どもさんが新しい生活習慣を取り入れやすくなるでしょう。

家族や学校の先生など、子どもと関係する大人は皆、共通理解をし、医学的ケアはもちろん、子どもの心のケアに努めましょう。

2. 食事ガイドラインを理解する

糖尿病 一型糖尿病の子ども

子どもの一型糖尿病の治療には、食べ物が鍵です。そのため、家だけでなく学校でも食べる物のコントロールを行いましょう

主な注意事項は以下のようなものです。

  • バランスの良い食事を取りましょう。インスリンの影響が下がっており、肥満へと繋がりやすくなりますので、消化できる脂肪の量をコントロールする方法を本人が知り、覚えなくてはいけません。
  • 一価炭水化物の摂取を限定しましょう。血糖値の急上昇を避けるためにも、一価炭水化物の摂取量に気をつけましょう。加工されたペストリーやジュース、シロップ、クッキー、ジャンクフードなど砂糖を多く含む食べ物は避けましょう。
  • 保護者は、学校での給食メニューを必ずチェックしましょう。幼い子どもで、血糖値を安定に保つための午前中のスナックが必要な場合は、学校に伝えて対応してもらいましょう。

 

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3. 薬物療法を受ける

一型糖尿病の子どもは、一日に数回インスリンを打たなくてはいけないでしょう。毎食時前に超高速型インスリンを打ち、それと別に1日に1〜2回、遅効型インスリンを打ちます。

リラックスできる環境で、できれば自宅で投与するのが良いでしょう。子どもが小さすぎる場合や自分でできない場合は、保護者が学校などにも付き添うなどの配慮が必要となるでしょう。

4. 血糖値をチェックする

ブドウ糖 一型糖尿病の子ども

糖尿病の子どもは、定期的に血糖値のチェックをしましょう。人差し指からのちょっとした血液を調べるだけで、血糖値を確認することができます。

5. エクササイズ

糖尿病を抱える子どもも、そうでない子どもと同じような身体活動をすることができます。ただし、以下のガイドラインには従いましょう。

  • 食事が内容が変わってきますので、エクササイズの前後には血糖値をチェックしましょう。
  • 糖尿病の子どもがエクササイズをしている間、付き添いお保護者や教師は、炭水化物が豊富な食べ物がいつでも出せるようにしておきます。突然血糖値が下がった場合(低血糖)の対処法となります。

まとめ

現代では、一型糖尿病をコントロールし、生活の質を良く保つ方法があります。血糖値を正常にコントロールすることが大切なのです。

そのためには、周りの大人がこの病気について知っておくことが欠かせません。親だけでなく周りの大人が理解を深め知識を持っていることが、子供と親にとっての助けとなるでしょう。


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