反栄養素の特徴

反栄養素は腸管レベルで特定の元素の吸収を妨げます。抗栄養素は基本的には否定的に考えられていますが、実際には健康維持に重要な役割を果たしています。それって一体どのいう意味なのでしょうか?
反栄養素の特徴
Saúl Sánchez Arias

によって書かれ、確認されています。 栄養士 Saúl Sánchez Arias.

最後の更新: 14 1月, 2024

反栄養素は、腸内での物質の吸収を妨げる化合物で、天然または合成のものがあります。さらに、日頃摂取している食品や飲料の中にも含まれているため、近年研究の対象となっています。

反栄養素の成分は自然界に存在し、体に害を与えるものではありません。最も一般的なものはにはどんなものがあるのでしょうか? 知っておくべきことは何でしょうか? 詳しくは、続きをお読みください。

食品や飲料に含まれる主な反栄養素

反栄養素は、健康的な食生活を送ろうとする人々を困惑させます。しかし、これらの物質を含む食品の利点は、可能性のある悪影響を上回ります。少なくとも、ハーバード公衆衛生大学院が発表した論文によればそう示唆されています。

タンニン

タンパク質や鉄分の吸収を阻害するポリフェノールの一種。レスベラトロールを豊富に含むブドウに含まれ、苦味があります。しかし、鉄をキレート化する力があるにもかかわらず、健康に不可欠な抗酸化作用を含んでいます。

さらに、British Journal of Pharmacology誌に掲載された論文によると、タンニンの摂取は心血管疾患の予防に役立つようです。そのため、タンニンを食事に取り入れるのが重要です。

また、貧血の合併症が起きないように、他の食品からも鉄分とビタミンCを定期的に摂取する必要があります。

タンニンを大量に摂取することは、菜食主義者にとっては危険因子です。というのも、植物性の鉄は動物性の鉄に比べて生物学的利用率が低いからです。従って、動物性食品を含まない食事では、このミネラルの摂取量を監視する必要があります。

要するに、この種の食事ではビタミンCの摂取量を増やすとともに、植物性鉄を多く含む食品とタンニンを含む食品との間隔をあけたほうが良いということです。

2種類のブドウ。
タンニンはブドウなどの果物に含まれています。タンニンは鉄分の吸収を阻害しますが、優れた抗酸化物質です。

フィチン酸

主に種子、穀類、ナッツ類、特定の豆類に含まれます。亜鉛、鉄、カルシウムの吸収に影響を与える可能性があります。また、タンパク質分解に関係する消化酵素の一部を阻害する可能性があります。

しかし、フィチン酸は血糖曲線をコントロールし、インスリン抵抗性を軽減するのに役立ちます。また、2016年に発表された研究によると、脂肪肝の発症リスクを低減する可能性が発見されています。

今のところ、この点について確かな証拠を提供するための人間を対象にした治験はまだ不足しています。しかし、フィチン酸が健康に良い影響を与えることは明らかです。

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シュウ酸カルシウム

シュウ酸カルシウムは特定の緑葉野菜に含まれています。カルシウムと結合し、吸収を低下させます。さらに、鉄分やマグネシウムなどの他のミネラルを阻害することもあります。

過剰摂取は腎臓結石を誘発しますが、腎臓結石は脱水症状によるものであり、遺伝的な要因によるものである可能性もあります。

さらに、腸内細菌叢の生物多様性は、この種の病気のリスクを大幅に減らすことができます。微生物病原学(Microbial Pathogenesis)』に掲載された総説によると、ラクトバチルス属の細菌はシュウ酸塩を分解して結石の形成を防ぐ役割を担っています。

食物繊維

食物繊維の過剰摂取は、食事からの栄養素の吸収を妨げることがあります。通常量の摂取であれば、グルコースの吸収を遅らせ、コレステロールの吸収を部分的に阻害します。しかし、割合が多くなるとタンパク質の吸収を妨げる可能性があります。

しかし、食物繊維はどのような食事にも必要です。なぜなら、腸の通過に関連する問題を軽減するだけでなく、満腹メカニズムの管理も改善するからです。

さらに、食物繊維の摂取は、発酵プロセスによる微生物叢の選択的増殖に関係しています。食物繊維の摂取量が十分であれば、心血管リスクも低下します。

持っている人と腸。
食物繊維の過剰摂取はタンパク質の合成を妨げる可能性がありますが、消化や心血管の健康などには欠かせない栄養素です。

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バラエティに富んだ食事を取ることで、反栄養素を味方につけよう

反栄養素は、腸管レベルで特定の化合物の吸収を妨げる物質です。しかし、多くの場合、健康な体には必要な物質です。従って、食事には必ず含まれていなければなりません。

一番良いのは、バランスのとれた健康的な食事 を心がけることです。そうすることで、体に必要な栄養素の供給が確保され、抗栄養素の影響を受けにくくなります。

そのためには、食物繊維の摂取に気を配ることです。食物繊維は満腹中枢を最適に働かせ、食欲を減退させ、間食を減らすのに効果的です。


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