ふだん無視されがちな/うつ病の5つのサインとは?

· 7月 30, 2016

うつ病は脳の化学成分を変えてしまうため、現実をゆがめて受けとめがち。

通常ならあたりまえに思えるはずの他者の言動を、ネガティブにとらえてしまうのです。

うつ病の患者さんやまわりの人たちがこの事実に気づくのは、症状がかなり進んでしまってからのケースがほとんど。それというのも、うつ病の初期症状に気づかないためです。

厚生労働省のサイトこころの耳では「うつ病は、脳のエネルギーが欠乏した状態であり、それによって憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、さまざまな身体的な自覚症状を伴うことも珍しくありません。つまり、エネルギーの欠乏により、脳というシステム全体のトラブルが生じてしまっている状態と考えることもできます。」と説明しています。

この精神系疾患の最も圧倒的な感覚は悲しみですが、その他にも深刻な症状を体験しているという事実を無視している人がたくさんいます。

このため、症状が軽いうちに治療する機会をみすみす見逃して、病状を悪化させてしまうのです。

もちろん患者さんによって個人差はありますが、うつ病を発見するために役立つ、いくつかのサインがあります。

今回は、うつ病の初期症状として最も一般的な5つのサインをご紹介します。

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1. 突然の体重の変化

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うつ病の最も明らかな身体的サインのひとつは、突然の体重の変化です。

1ヶ月の間に体重が5%以上減少した、あるいは増加したというのは、体に何かしら異常があるというしるしです。

ここで問題にしているのは、ダイエットやエクササイズ計画を実行していないのに、びっくりするほど体重が減った、という場合です。食欲がガクンと落ちたため、栄養不足が起こっていると考えられます。

もちろん、この症状には十分注意しなければなりません。貧血・疲労・集中力の欠如などの深刻な症状を引き起こすことがあるからです。

逆に急に体重が増えた、という場合もあります。これはうつ病が引き起こした不安感のため、過食に陥り始めた可能性が大きいです。

2. 睡眠パターンの変化

この症状は、長く続くようならさらに注意が必要です。症状がはっきりしているうえ、一般的に反応もすぐに現れます。

ただ覚えておく必要があるのは、これは、うつ病以外の原因でも起こりうるということ。寝る前に電子デバイスを使う・脂っこいものを夕食に食べる・ストレスが溜まっているなどでも、睡眠パターンの変化を引き起こす可能性があります。

精神系疾患のある人は、日中眠くなり、夜になると目が冴えるケースが多いようです。

この問題に気づいたら、できるだけ早く解決策を見つけなければなりません。うつ病による睡眠障害は、睡眠薬やアルコール飲料への依存を引き起こすことがあるからです。

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3. 怒り・イライラ

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悲しみやその他のネガティブな気分の変化にも注意しなければなりません。一般的にいって、これらの変化は、睡眠障害や、食欲不振に伴う栄養失調が原因です。

特定の人に対して、イライラすることもありますが、そういう人たちはあなたに何が起こっているのか理解できません。

ケンカになるのを避けようとして孤立し、怒りやイライラが内向することもあります。

うつ病は脳内の化学成分を変えるため、いつもだったら何でもないことでも、歪んだ見方をしてしまうのです。

4. 罪悪感

うつ病の患者さんは、常に罪の意識を感じる傾向が高いと言われています。

さらにひどいことに、この罪悪感からますますネガティブな感情に深く沈んでしまうことがあります。

これは、悲しみを体験しているときにまちがった判断をくだしてしまったときや、愛する人たちとのあいだに特定の話題がのぼるときなどにひどくなるものです。

罪悪感は、人間関係を損ない、人とのつながりにマイナスの影響を与えてしまいます。このため、うつ病を克服するために必要な、まわりのサポートを得られなくなってしまうという悪循環を引き起こす、かなり複雑な要素だといえます。

5. 体のあちこちが痛む

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つい数十年前まで、メンタルヘルスの専門家たちは、感情が体の痛みを引き起こすとは考えていませんでした。

しかし数々の研究の結果、感情と体の痛みとの間にはつながりがあり、実際それはこれまで考えられていたものよりもずっと強いということが判明しました。

これには、肌の過敏症から、筋肉痛・筋肉の凝り・消化器系疾患まで幅広い症状が含まれます。

もちろん、それぞれの症状にはさまざまな原因が考えられますから、体の痛みや不具合がうつ病・ストレス・その他の精神的な問題に由来するものかどうかを判断するため、徹底的な検査が必要となります。

うつ病は深刻な心の病気で、その症状は悲しみや泣くことなどに限りません。複雑で危険な状態ですから、できるだけ早く克服するために、医師の診断を受ける必要があります。

ここに挙げた症状の多くは、ほかの病気とまちがわれやすいものですが、正しい治療を受けるために、十分な注意を払うことが大切です。

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