膣からの分泌物:さまざまな種類のおりものについて
おりものに気づいていない人や、気づいているけれど恥ずかしくて話すことができない人が多くいます。
膣からの分泌物であるおりものにはさまざまな種類があり、臭い、色、量、そして粘性が異なります。
おりものは「下り物」と表記されることからもわかるように、腟や子宮からの分泌物が腟外に流れ出してくるものを指します。
おりものは、膣の健康を維持するために必要な多くの機能を果たす、正常で女性の体に必要なものです。
おりものの機能の一つが「自浄作用」で、死んだ細胞や細菌を排除して、感染を防ぎながら膣をきれいに保ちます。
また、女性の生殖システムの健康状態を見る良い指標となるため、おりものの変化は、病気の検出にも役立ちます。
今回の記事では、膣に存在するさまざまなおりものの種類と、その意味について説明します。
さまざまな種類のおりものがある理由
おりものは、感染症や性感染症の発症によって変化する可能性があります。
さまざまな種類のおりものについて言及する前に、生理学的に見ると月経サイクル全体にわたっておりものが変化する事実を理解してください。
女性は月経サイクルに応じて異なるタイプのおりものが分泌されますが、これは正常なことです。
女性ホルモンに応じておりものが変化しますが、女性ホルモンも月経サイクルによって変化します。
たとえば、排卵日が近い場合にはおりものが増え、粘性も高くなる傾向があります。
これは生殖機能が正常に作用して、女性が受精の準備を整えているという意味です。
同様に、女性が性的に興奮したときにもおりものが増加します。
このときのおりものは、通常、透明または乳白色です。ただし、水っぽく透明で、量が多い場合もあります。
おりものには特有のさまざまなにおいがありますが、通常は気になるほどの臭いではありません。
感染症などの病気によっておりものの臭いが変化する可能性があるため、正常な臭いを知ることが大切です。
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おりものの種類
おりものの種類は、色、臭い、粘性、量などの特徴によって分類することができます。感染症や病気を発症すると、何らかの形でおりもののパターンを変える可能性があります。
おりものを分類する時に最も重要なのがその色です。
ただし、臭い、粘性、そして量をしっかりと分析することも重要です。
感染症をはじめとする病気は、これらの特性のいずれかを変化させる可能性があります。
前述したように、白いおりものは正常です。
ただし、灰色がかったり量が増えていると、何らかの病気の兆候である可能性があります。
おりものの色は白いけれど、かゆみや灼熱感がある場合は、カンジダ症にかかっている可能性があります。
カンジダ症は、カンジダ菌によって起こる女性にとって一般的な感染症で、最も一般的な膣障害の一つだと言われています。
これは、膣内のpH値の変化と密接な関わりがあります。
おりものが黄色や黄色がかっている場合は、強い臭いやかゆみや、または灼熱感などの不快な症状を伴います。
これはトリコモナス症、クラミジア、そして淋病などの性感染症やその他の感染症を発症している可能性があります。
血液の痕跡があるために、おりものが茶色になることがあります。
このタイプのおりものは、月経の直前や直後に現れる傾向がありますが、性交による小さな傷が原因である茶色のおりものが出る可能性もあります。
ただし、長期間にわたって茶色のおりものが続く場合は、がんなどの深刻な病気を発症している兆候かもしれません。
また、膣内に何らかの刺激を引き起こす異物がある可能性もあるため、必ず婦人科医の診察を受けてください。
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結論
生理学的に、おりものは常に変化する分泌物で多くの種類があります。
おりものの色や量の変化は、何らかの病気の兆候である可能性があるため、おりものの状態に注意を払うことが大切です。
臭いに関しても注意が必要で、感染症などを検出する指標の一つとなります。
おりものに関して何か気になる点がある場合は、婦人科医の診察を受けることが大切です。
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