運動をするときに乳酸が果たす役割

11月 10, 2019
医学やスポーツの世界では乳酸がよく話題になります。今回は、運動をするときに乳酸が果たす役割と、なぜそれが重要なのかについて学びましょう。

乳酸は、体内で起こる乳酸発酵などの多くの生化学プロセスで重要な役割を果たす化合物です。

大量の乳酸を生成する身体の組織の1つは筋肉であり、炭水化物がエネルギーとして使用される場合に起こる過程が、乳酸発酵と呼ばれています。

本記事では乳酸について詳しく説明します。

乳酸の生成

運動をするときに乳酸が果たす役割 激しい運動をする女性

激しい運動を行うと、筋肉内で乳酸が生成されます。

体が炭水化物を分解してエネルギーを得るときに、主に筋肉細胞と赤血球で乳酸が生成されますが、激しい運動中、または感染症や病気にかかったときにはこの機能が低下します。

全体として、乳酸の主な供給源はグリコーゲンと呼ばれる炭水化物の分解です。この物質は、複数の糖鎖(グルコース)によって形成される自然エネルギーの貯蔵庫であり、炭水化物の分解は多くのエネルギーを生成する筋肉にとってとても大切な栄養源の一つです。

ただし、グルコースを使用するには酸素が必要なので、酸素の供給が低下している状況では、細胞は経路を短くし、発酵によってエネルギーを生成します。

エネルギーにピルビン酸を使用する細胞もあれば、そうでない細胞もあるため、筋肉は多くの乳酸を生成します。

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乳酸と筋肉

乳酸は燃料となるため、筋肉はグルコースから意図的に乳酸を生成して、エネルギーとして使用します。

筋肉細胞はグルコースを乳酸に変換し、細胞内のエネルギー生産を担うミトコンドリアと呼ばれる細胞小器官がそれを吸収して使用します。

ミトコンドリアは、乳酸を輸送する特徴的なタンパク質を持っているため、激しいトレーニングを行うとミトコンドリアを倍増させ、より多くの乳酸を燃焼させます。

その結果、筋肉の働きが良くなります。

運動中の乳酸

運動をするときに乳酸が果たす役割 休憩中の女性

運動により、細胞はより多くのピルビン酸を使用するように適応し、乳酸の生成が低下します。

つまり、継続して運動を行うと筋繊維が発達します。

休んでいるときや、軽めの運動をしているときには、筋繊維はほとんど使われないため、私たちの体は、多くのピルビン酸を乳酸に変換します。

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動的な物質:乳酸

体が乳酸を生成するとき、近くの筋肉に入ろうとします。これは、乳酸濃度が低い血流と筋肉細胞間という空間を含みます。

乳酸が別の筋肉に入ると、有酸素エネルギーに使用されるピルビン酸塩に再変換される場合があります。

心臓も乳酸を燃料として使用します。その後、肝臓に行き、グルコースとグリコーゲンに戻ってこのサイクルを再開します。

また乳酸は、体内のある部分から別の部分にすばやく移動することもできルため、必ずしも肝臓に行かなくても、一部の乳酸が筋肉内でグリコーゲンに戻されるという研究結果もあります。

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