ウイルスはどうやって進化する?

5月 23, 2020
新型コロナウイルスの感染が拡大し、その致死率の上昇や突然変異に対する恐れが大きくなるかもしれません。ですが、私たちは突然変異についてどのくらい知っているのでしょうか。

残念ながら、ウイルスやその影響は、私たちの社会においてこれまでになく大きなものとなっています。ウイルス量、パーセンテージ、再感染という言葉については、このパンデミックが始まるまで考えたことがなかったという人も多いでしょう。そして、新型コロナウイルスに関して言えば、より複雑なメカニズムがあります。ウイルスはどうやって進化するのでしょうか。

ウイルスはどうやって進化する?

ウイルスの世代周期は大変短いものです。細胞に入り、その遺伝子情報複製機能を引き継ぎ、自己を複製し、感染をさらに続けるために、細胞にそのコピーを残します。

この拡散と遺伝的可塑性のため、多くのウイルス、特にRNAタイプのウイルスは突然変異率が例外的に高いのです。この突然変異率は、自然選択の過程と組み合わさり、ウイルスは素早く効果的に宿主の防御機能に適応されます。

この知識は、私たちが現在経験しているパンデミックを理解する上で欠かすことができません。すでに動物の体内に存在していたウイルスの適応でないのであれば、結局新型コロナウイルスとは何なのでしょうか。

ウイルスの進化についてさらに知りたい方は、ぜひ今日の記事を参考にしてみてください。

コロナウイルス

ウイルスの進化:うまく行われる変化

すでに私たちが知っているもので考えましょう。インフルエンザです。A型インフルエンザ、B型インフルエンザは、同様に私たち人間の間で流行します。ですが、A型インフルエンザの進化は、B型よりも3倍速いでしょう。

では、この事実の裏に隠れていることとはなんでしょうか?

Journal of Virologyで紹介された研究では、私たちにこの質問の答えを投げかけてくれています。免疫系自体の反応の他に、分子レベルでの突然変異は、ウイルスがどのように適応するかにとても重要な役割を果たすかもしれません。当たり前に聞こえるかもしれませんが、突然変異の数が多いからといって進化率が高いと決定付けるのは簡単なことではありません。突然変異の多くは、ウイルスにとって望ましいものではなく、不適当なものかもしれません

新たな突然変異が起こったために宿主をもっと早く死に至らしめるとしたらどうでしょう?

ここで関わってくる複雑な一連の変化があります。最も効果的な変化が自然選択によって修正されることによって終わるかもしれない、というのはよく起こりうることです。もし、突然変異のウイルスが宿主を長く生かし、もっと多く複製することができれば、もっと多くの人を感染させるでしょう。

ここで一つ、はっきりとしておくべきことがあります。ウイルスは、良くなるために突然変異をするのではありません。これらの変異はランダムに起こり、最も有効なものが拡散していくのです。COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスの例に従い、どれほど多くの変異株が人間を感染させるのに失敗してきたか考えてみましょう!

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空気中のコロナウイルス

ウイルスの突然変異の種類

一般的なウイルスの突然変異は、2種類に分けることができます。

  • 抗原変異:この場合、2種類以上のウイルスが混じり合い、新しいものを作り出します。これは免疫系を非常に誤解させます。免疫系がこのウイルスを知ろうとし闘おうとしますが、複数のウイルスでできたこの新しいウイルスはかつてにないものであるため、新しいメカニズムを作り出す必要があります。この例の一つが、A型インフルエンザウイルスです。
  • 抗原連続変異:これはウイルスの表面のタンパク質の突然変異で、普通、免疫系は認識せず、攻撃もしません。突然現れ、以前の感染で作られた抗体を使って免疫系が体を守るのを難しくします。インフルエンザのワクチンが毎年変わるのはこのためです。

 

私たちの体は、病気と闘う方法を学ぶ必要があります。そして、ワクチンは最も効果的な手段です。もし、ウイルスが変化すれば、ワクチンも変えなくてはいけません。こうすれば、感染することなく、ウイルスと闘う方法を体に教えることができるのです。

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突然変異とコロナウイルス

では、この知識を現在の状況にどう当てはめればいいでしょうか?

現在までの短期間で、COVID-19の突然変異率について知り得ることは不可能です。2種類が推測されています。ですが、サンプルグループ、統計的バイアス、様々な意見などから、この考えは時間が経つにつれて支持率が落ちているようです。

この分野の専門家は、Journal of Microbiologyからの抜粋中で、このパンデミック中の突然変異率は、心配するべきものではないと述べています。前述したように、突然変異の多くは、実際のところウイルスにとって良いことではないのです。深刻さや感染上の実質的な変化が起きるためには、いくつかの遺伝子が変わらなくてはいけないのです。

ウイルスがそれほどの短期間でその過程や動態を変化させることは極めて稀です。

繰り返しになりますが、私たち一人一人が落ち着くことが鍵です。自然界において、突然変異や変種はごく当たり前のことです。ウイルスがどのように進化するかについての研究は、引き続き行われています。このウイルスがどのような変異株であろうと、私たちの目標は、ウイルスの広がりを徐々に抑えてパンデミックを落ち着かせることなのです。