糖質って体にとって必要なの? ホントのことを知ろう!
ケトジェニックダイエットが注目を集めるようになり、体の機能を維持するために本当に糖質を摂取する必要があるのか、疑問の声が多くあがっています。実は、近年、このことについては専門家からさまざまな意見が出されています。ということで今回の記事では、科学的にわかっていることをすべてお伝えします。
その前に、現代人は糖質を大量摂取する傾向にあることを知っておきましょう。これは主に、過度に加工された食品の摂取量が増加しているためです。これらの製品には、味を長持ちさせるために単糖とトランス脂肪酸が多く含まれています。
糖質とは
ここで言う糖質とは、主にグルコースが結合した単炭水化物のことです。
複雑な構造をしていますが、一般的に腸での吸収率が高く、インスリンの分泌量を増やします。このため、糖質を摂取すると体内で生成されるインスリンの量が増加し、中期的には有害であることがわかっています。糖には以下のような栄養素が含まれます。
単糖類
単糖類は簡単に言うと、グルコース分子が単純な結合で結ばれたものです。単糖類を日常的に食べすぎると、代謝に悪影響を及ぼしたり体重増加のリスクがあるため、健康に悪いと言われています。学術誌「Frontiers in Bioscience」に掲載された研究では、この主張を裏付ける結果が出ています。
二糖類
二糖類は、単糖類がO-グリコシド結合で合わさったもので、単糖類に比べて吸収速度がやや遅いものの、単糖類の仲間には変わりありません。そのため、できるだけ摂取量を抑えることが賢明です。
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多糖類
多糖類は、グルコースを主成分とする炭水化物ですが、結合によって形成しているため、分子量が大幅に増えています。このため、多糖類は複合糖質に分類されます。
吸収の速さが落ちるので、体内での効果に違いがあります。多糖類では、血糖値のピークが比較的低くなるのです。
体内で糖はどうやって代謝されるの?
糖質は小腸に達し、酵素によって分解されてから吸収されます。その後、血中に入り、血糖値を上昇させ、インスリンの分泌を促します。インスリンは同化ホルモンであり、栄養素を細胞や肝臓に運ぶことができます。
体を動かしているときは、糖分は筋肉組織に運ばれ、すぐに使えるエネルギーに変換されます。しかし、安静時には、肝臓や筋肉のグリコーゲンという形で糖分は体内で蓄えられます。
問題は、蓄えられる量には限界があるということです。グリコーゲンが飽和状態になると、体は肝臓で糖を脂肪に変換し始め、後に脂肪組織として蓄積します。
こうした脂肪の増加は、一定量を超えると、健康に悪影響を及ぼすことがわかっています。具体的には、脂肪は体内の炎症を促進し、多くの場合、疾患の発症につながります。
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糖を摂取した後、体内のブドウ糖は何に使われるの?
先に述べたように、体内でのブドウ糖の主な用途はエネルギーの生産です。ブドウ糖は、嫌気性代謝に適したエネルギー源であり、好気性代謝にも使用されます。
しかし、好気性代謝では、脂肪酸や糖質以外のグルコースも利用されます。好気性代謝は、脂肪酸とタンパク質が関与する生理学的プロセスによって形成されるものです。
ここで重要なのは、ブドウ糖が脳のエネルギー源として機能していることです。しかし、これまでの通説とは異なり、ブドウ糖以外の化合物でもこの機能を完璧に果たすことができます。例えば、ケトーシスで生成されるケトン体などです。
糖質の摂取は本当に必要なの?
実際のところ、様々な研究結果が、座りがちな生活を送る人に糖質は必要ないことを示しているようです。スポーツをしている人の場合でも、糖質の摂取については議論の余地があります。炭水化物の摂取量が少ない状態でも、体は完全に機能します。むしろ、このような食生活は体に良い影響を与えるとさえ言われることがあります。
とはいえ、複合糖質を含む低糖質の食事を検討しても大丈夫でしょう。そのためには、お菓子や過度に加工された食品の消費を大幅に減らし、新鮮な食材を使った食事を増やす必要があります。そうすれば、バランスが取れた食生活ができ、体の機能にも有利に働きます。
糖質はあまりお勧めできない栄養素
ここまででわかったように、糖質は健康の観点ではほとんど価値をもたらさない栄養素と言えるでしょう。事実、多くの専門家が、運動不足の人は糖分の摂取を控える必要があると提唱しています。アスリートの中でさえ、糖質の摂取を控える人は少なくありません。糖質制限をすることで、中期的には、代謝の柔軟性とパフォーマンスが向上する可能性が見込まれます。
明らかなのは、糖質の摂取を減らすことは、健康に良い影響を与えるということです。でも、だからといって、糖質を完全に取り除かなければならないのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません!
グリセミック指数が低いもの、つまり複合糖質を摂取すれば大丈夫です。主に塊根類や豆類に含まれているのでおすすめです。
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