卵巣の早期摘出について

24 11月, 2020
卵巣の早期摘出は、ホルモン依存性のがんになるリスクが高い女性に行う予防手術です。これは、決して軽視してはいけない決断です。

卵巣の早期摘出術(技術的には「卵巣摘出術」と呼ばれます)は、医師が女性の卵巣を摘出する外科手術です。両側性卵巣摘出術、つまり両方の卵巣を摘出する場合と、片側性卵巣摘出術があります。

がんが卵巣に影響を与えている場合、この卵巣摘出が必要になることがあります。しかし、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高い女性には、たとえ症状が出ていなくても、予防策として推奨されることもあります。

卵巣は、卵管の先に位置し、女性の生殖系に属する器官です。そこには卵巣があり、毎月、卵巣から受精のために卵子が分泌されます。

卵巣は女性ホルモンの主な供給源です。卵巣はエストロゲンとプロゲステロンの両方を産生するため、卵巣の摘出は必然的に女性のホルモンバランスに影響を与えます。

卵巣の早期摘出の理由

生殖において、女性の卵巣はエストロゲンとプロゲステロンを放出する役割があります。これらの性的ホルモンは、女性の生殖系に影響を与えるだけでなく、乳房などの体の他の部分にも影響を与えます。

乳房には、エストロゲンとプロゲステロンの受容体があり、乳房の構造を変更する原因となります。例えば、月経直前になると、胸が硬くなったと感じることがあります。これは、乳腺が本能的に授乳のための準備をしているためです。

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BRCA1、BRCA2として知られる一連の遺伝子変異があると、乳がんや卵巣がんになりやすい傾向があります。これらの遺伝子変異のいずれかを持つ女性は、生きている間に乳がんを発症する確率が50~85%あると言われます。また、BRCA1変異を持つ女性が卵巣がんになる確率は20~40%です。

問題は、卵巣で生成される性ホルモンが、これらの腫瘍の大きな触媒になっていることです。そのため、卵巣の早期摘出は、これらの腫瘍性疾患の発症を抑止するための選択肢の1つとして提案されています。

卵巣の早期摘出
卵巣からは卵子が産生されますが、卵巣にはエストロゲンやプロゲステロンを産生する腺もあります。

卵巣の早期摘出とは

卵巣の摘出は、閉経を迎える前に行われるなら「早期摘出」と呼ばれます。女性は生殖期に入ると、月経周期を調節するために卵巣が必要になります。卵巣がないとホルモンが分泌されないため、閉経が早まってしまうのです。

しかし、その影響とは裏腹に、医師は卵巣の早期摘出を必要不可欠だと考えることがあります。それは、女性が将来的に乳がんや卵巣がんになるリスクが高い場合です。

乳がんの予防としての卵巣の摘出

National Cancer Institute(国立がん研究所)によると、予防を目的に卵巣を摘出することで、リスクの高い女性の乳がん発症の可能性を50%減らすことができるそうです。また、同じく上記の国立がん研究所によると、閉経前に手術を行った場合にのみ有益であることが示されています。

閉経前に卵巣を摘出すると、体内のエストロゲンの分泌量が減少します。そのため、成長するためにエストロゲンが必要な腫瘍はできなくなるのです。

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卵巣がんの予防としての卵巣の摘出

閉経前でも後でも卵巣を予防的に摘出することで、リスクの高い女性は卵巣がんのリスクを最大90%まで下げることができます。しかし、卵巣がんの発生源に関する説は変わってきていることを頭に入れておく必要があります。

以前は、卵巣がんは原発性で、腫瘍の中に元となるがん細胞が存在していると考えていました。しかし、卵管采など、骨盤内の別の部位に二次的に発生することも見られます。子宮への浸潤は二次的な可能性があり、それは卵巣だけでなく、卵管も摘出する必要があることを意味します。

卵巣の早期摘出 BRCA遺伝子
BRCA遺伝子は、乳がんや卵巣がんの発生を決定づける因子です。

ホルモンと卵巣の早期摘出

卵巣の早期摘出は、早発閉経へつながります。それは、性周期を調節する性ホルモンがなくなるからです。そのため、月経も止まり、妊娠の可能性もなくなります。

同時に、エストロゲンには心臓や骨を守る働きもあります。

  • エストロゲンは間接的に血中コレステロールを制御します。つまり、エストロゲンがないとHDLコレステロールが減り、悪玉LDLコレステロールが増えるのです
  • 性ホルモンは骨量の減少を防ぎます。エストロゲンなしでは、骨量の減少が早くなり、骨粗鬆症の早期発症につながり、骨折の原因となります。

医師のアドバイスが不可欠

卵巣の早期摘出手術を受ける前に、この手術の是非を医師とよく話し合うことが重要です。長期的な影響は相当なものであり、科学的根拠に基づいて決断することが重要です。

家族の病歴から乳がんや卵巣がんのリスクがあると思われる場合は、必ず医師に相談してください。適切な質問をし、またその医師が、この施術に関して経験が豊富であるかどうか確認してください。

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