詳しく学ぼう!広域抗生物質について
広域抗生物質(広域スペクトラム抗生物質)は、多数の細菌を撃退するのに効果的な薬剤です。
今回の記事では、広域抗生物質が何であるか、どのように機能するか、そしてそれらを過度に使用した場合どのような結果になるのかを紹介します。
広域抗生物質
抗生物質には、広域抗生物質と狭域抗生物質があります。
広域抗生物質は、多数の異なる種類の細菌を破壊することにより、細菌の数を大幅に減らすことができます。
狭域抗生物質は、ごくわずかな特定の細菌にのみ作用します。
広域抗生物質は一般的に静菌性抗生剤なので、細菌そのものは破壊しませんが、その代わりに、細菌の成長と増殖を予防して、細菌の個体数を消滅させます。
つまり、細菌のタンパク質合成を阻害することで、細菌の増殖を防ぎます。
広域抗生物質の持つこの有効性による大きな問題の1つは、内因性の常在細菌叢に良いとされる、他の健康な細菌も排除してしまうという点です。
数多くの抗生物質が存在しますが、これは古い抗生物質も置き換えとなる新しい抗生物質が常に開発されているからです。
広域抗生物質は、細菌の薬剤に対する耐性を発達させるという欠点があります。
ここからは、いくつかの異なる種類の広域抗生物質をご紹介します。
ご存知ですか?:天然の抗生物質
アモキシシリンとクラブラン酸 (AMC)
このタイプの抗生物質には、異なる作用メカニズムがあります。
アモキシシリンは細菌の壁の合成を防ぐ一方、クラブラン酸はアモキシシリンの役割を保持し強化します。
このタイプの広域抗生物質は、一般的に呼吸器感染症の治療に使用されます。
非常に広く普及している抗生物質ですが、体内で多くの耐性が生じるなど、世界的な健康問題を引き起こしています。
テトラサイクリン
テトラサイクリンは、化学構造と共同作用のメカニズムを持つ一連の化合物で、細菌のタンパク質合成を阻害します。
潜在的に体内に有毒な影響を与える可能性があるといわれる、テトラサイクリンの使用は限定されています。
一般的には、クラミジア、ブルセラ症またはマイコプラズマ肺炎の治療に使われます。
クロラムフェニコール
クロラムフェニコールは、細菌のタンパク質合成を阻害することで作用し、サルモネラ菌、髄膜炎、肺炎によって引き起こされる感染症の治療に使用されます。
この抗生物質は、肝臓の酵素機能を妨げる作用があるため、この抗生物質を服用するときは、医師はその投与を注意深く観察する必要があります。
マクロライド
このタイプの抗生物質も、特定の範囲に作用するとはいえ広域抗生物質に分類されます。
クロラムフェニコールと同様、その作用メカニズムはタンパク質合成を阻害することです。
マクロライドは毒性の低い抗生物質の1つと考えられており、マイコプラズマ肺炎やレジオネラ症の特定の症例の治療に使用されます。
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広域抗生物質の使用による耐性
広域抗生物質は、特定の感染症の治療に最適な選択肢となりますが、抗生物質を過度に使用することで耐性が発生し、広範囲にわたる健康問題が引き起こされます。
抗生物質は耐性を引き起こす可能性があるため、耐性を持つ細菌が急速に発達することがあります。
これらの耐性菌が集団に感染を続けても、これらの細菌を撃退するのに効果的な抗生物質がない場合は問題が悪化します。
新しい抗生物質が常に開発されているのはこのためですが、遅かれ早かれ、これらの第2世代および第3世代の抗生物質への耐性が生まれます。
多数の細菌に影響を及ぼし、耐性菌を作り出す広域抗生物質の誤用は非常に大きな問題となっています。
そのため、抗生物質の誤用の危険性に対する認識を高めることが不可欠で、根絶したと思っていた感染症などの出現を引き起こす可能性があります。
広域抗生物質に関して何か質問がある場合は、必ずかかりつけ医に相談してください。
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