コロナウイルス〜環境によって広がりやすいの?

イワサキアキコ医師率いる研究グループによると、コロナウイルスはある特定の環境下でより広がりやすいということです。特に、寒く乾燥した空気ではウイルスの伝達が増え、そして体の対応力が下がってしまいます。
コロナウイルス〜環境によって広がりやすいの?

最後の更新: 25 5月, 2020

米国で行われた最近の研究では、コロナウイルスはある特定の環境下でより広がりやすいと発表しています。コロナウイルスが広がりやすい要因となるのは、気候ではなく湿度だということです。

湿度が伝染病の広がりに関連しているということは、証明されています。つまり、北半球に春が訪れるに従い、徐々に感染者数は減っていくのではないでしょうか。ですが、季節の変化だけでは十分とは言えません。

上述した研究によると、この要因は家庭内臭いても言えることかもしれません。コロナウイルスは、場所によって広がりやすいと言えますので、家や建物の中の湿度を上げると感染が抑えられるかもしれません。

コロナウイルス〜環境によって広がりやすいの?

寒そうな男性 コロナウイルス

イエール大学で行われた最近の研究でも、コロナウイルスはある特定の環境下で広がりやすいと結論付けています。特に、寒く乾燥した環境がウイルスにとっては絶好の場です。一方、暖かく湿度の高い環境下では、ウイルスの広がりが緩やかとなるでしょう。

未だに疑問点や未知の部分はたくさんありますが、COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスは、冷たく乾燥した冬の空気で広がりやすいと多くの研究者が明らかにしています。こういった環境では、伝染病はとても速く広がるのです。

この研究のリーダーである、免疫生物学者のイワサキアキコ医師は、呼吸器系の病気は冬に増え、春や夏になると減っていくということは、何百年も前からわかっていることであり、これは主に、ウイルスが広がりやすいのは寒く乾燥した環境だからだと述べています。

 

湿度がコロナウイルスの広がりに関連する

イエール大学の科学者達は、外の空気が冷たく乾燥していると、家の中に熱がこもりやすくなり、これが家や建物の中の相対湿度を20%ほど下げてしまうと述べています。こういった環境がコロナウイルスの広がりを助長しているのだそうです。

さらに悪いことに、この暑くて乾燥した環境は、人の気道の機能にとっては良いものとは言えません。このような環境では、人間の繊毛は正しく機能する能力を失ってしまいます。繊毛とは、ウイルス粒子を追い払うのを助ける毛の一種で、気道を覆っています。

また、暑く乾燥した環境では、ウイルスや細菌に対応する免疫系の能力が抑えられてしまいます。そのため、研究者は、このような環境は重大なリスクファクターとなると結論付けたのです。

実験とデータ

鼻をかむ女性 コロナウイルス

イエール大学の研究者は、マウスを使った検査を行いました。その結果、湿度の低い環境で呼吸器系のウイルスに感染したマウスは、他のマウスにウイルスを広げやすい傾向にあったのです。

また、相対湿度が50%の環境下にいたマウスは、免疫対応力が強く、最終的に吸い込んだウイルスを排出することができたのです。湿度が40〜60%の環境下でも同じような効果がありました。

一方、熱帯諸国(湿度がかなり高い)では、感染者による飛沫が物の表面に長時間残りやすいかもしれないと指摘しています。これに、換気不足や人による密集が加わると、周囲の湿度による利点は失われてしまいます。

 

 

予防方法

科学者達は、これらの発見事項は、感染者が咳やくしゃみ、会話によって吐き出す飛沫物を通して感染する場合にのみ言える、ということに重点をおいてきました。そのため、次の2つのポイントを押さえておきましょう。

まず一つ目は、冬場は加湿器を使うことです。ウイルスの広がりを減らすことに役立つでしょう。ですが、換気を忘れてはいけません。また、密集も避けましょう。そうでなければ、加湿しても効果がないでしょう。

次に二つ目のポイントです。それは、ソーシャルディスタンスや手洗いを頻繁に行うことです。加湿だけが感染予防になるわけでははないということを理解することが大切です。一年の内のいつであっても、ウイルスは至近距離での接触や、感染した面を触った手で口や目を触ることなどで感染するからです。

ぜひ、皆でこのパンデミックを乗り越えましょう!


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