子どもの手や指の怪我について:応急処置の注意ポイント
人は産まれたその瞬間から、周りの環境に好奇心を抱きます。子供はあらゆるものを触ったり口に入れたりしようとします。これは触れることでその感覚を体験しようとするものです。そのため手や指を怪我することも多いようです。
「ペンフィールドのホムンクルス」と呼ばれる、体の感覚をグラフィカルに表現したものがあります。20世紀半ばに脳の研究で有名になった神経外科医ペンフィールド博士によって初めて表現されたもので、これを見ると唇や手が大きく描かれているのが分かります。つまりこの部分に沢山の感覚ニューロンがあることを示しているのです。子供がなんでも触ったり口にするのはそのためです。
成長し歩き始めると、徐々にバランス機能が発達します。そのため転んだ時に頭を守るために手をつくのです。
こちらもご覧ください 心身の健康バランスを保つ10のアドバイス
事故による子供の手や指の怪我
子どもは手や指に良く怪我をします。
家の中も子供にとっては危険がいっぱい。電化製品などによるやけどや、指を切ったりすることは日常茶飯事です。ですので怪我がさらにひどくならないよう、正しい手当ての仕方を知っておく必要があります。
こちらもご覧ください やけどの対処法
最も起こりやすい手や指の怪我
子供の手や指の怪我はよくあることなのですが、最も多い原因は以下の通りです。傷の種類ごとに分類してあります。
・切り傷:子供の皮膚はとても薄いため、缶詰の端や床に落ちている少しとがったものなどで簡単に怪我をしてしまいます。
・打撲:転んだり落ちたりすることが原因です。通常はコブやあざを伴ないます。ひどい場合は、手首や指の骨が折れる場合もあります。
・刺し傷:これは原因となるものが皮膚を貫通しているため、最も治療が難しい傷です。また感染のリスクも高まります。この場合は、組織に異物の残留物がないことを確かめ、傷を丁寧に洗う必要があります。
・擦り傷:皮膚が何かと擦れた時の摩擦によって出来る傷です。転んだ時に地面と擦れたりして怪我をします。膝に出来やすく、しかも酷い場合が多いのですが、手も擦り傷を作りやすい部分です。(自転車で転ぶなど)
手や指の怪我の手当の方法
怪我の種類に関係なく、以下の手順に従ってください。感染症を避けるために大切なことです。
1.皮膚の下に異物が残っていないか確認し、良く洗います。
2.皮膚には小さな毛細血管が詰まっています。ですので、場合によっては出血量が多いかもしれません。冷たい水や氷を当てましょう。氷はガーゼなどで包んで直接傷口に触れないようにして下さい。血管を狭めるのに役立ちますしい、また炎症を抑えます。
3.傷を消毒します。市販のポビドンヨードやクロルヘキシジンなどは非常に有効です。スプレータイプのものもあります。
4.傷が治らなかったり、またはとても汚れているようなら専門医に診てもらうようにしましょう。場合によっては縫わなければならないこともあります。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- Salem Z., C., Pérez P., J. A., Henning L., E., Uherek P., F., Schultz O., C., Butte B., J. M., & González F., P. (2000). Heridas: Conceptos generales. Cuadernos de Cirugía. https://doi.org/10.4206/cuad.cir.2000.v14n1-15
- Ruiz, E. F. (2013). Antisépticos y desinfectantes. Enfermedades Infecciosas y Microbiologia. https://doi.org/10.1007/s00299-010-0857-1
- Santos Heredero, F. X., Rodríguez Arias, C. A., Barberán López, J., Martín Antona, E., Pérez del Caz, M. D., Torres García, A., … Viadé Juliá, J. (2014). Heridas y Cicatrización. Revista de La Sociedad Española de Heridas.