子供の反抗をどうコントロールする?
子供の親への反抗は、年齢によって違った形で現れます。成長するにつれてアイデンティティを形成していく中で、多くの感情や変化が生じます。
それ以外の時期に反抗が見られることもあります。例えば、周囲の環境に変化があり、親との関係に支障をきたすような場合です。この苦悩が反抗的な態度として現れます。
この反抗という行動はごく普通のことで、過剰に反応する必要はありません。子供は反抗期に自分の性格、アイデンティティ、個性といったものを固めるものですから、反抗期はある程度必要なものです。
ですから、子供の反抗を理解する一方で、状況に応じてどう対処するかを知ることが大切です。親としての私たちの課題は、子供を非行に走らせることなく、アイデンティティを確立できるように子供の反抗をコントロールすることです。
子供の反抗をコントロールするためのストラテジー
反抗期には、愛情を持ってしつけるべきだということを耳にしたことがあるでしょう。子供は小さくても、しなさいと言われたことと自分が実際にすることを関連付けることができます。最大限に忍耐力を発揮して、落ち着きと自らのコントロールを失わずにわがままに対処しなければなりません。
また、以下に挙げるような特定のストラテジー(戦略)で子供の行動をコントロールすることが基本となります。
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1. はっきりしたルールと罰を定める
小さいころから、守るべき家族のルールと守らなかった時に受ける罰を知っていれば、子供は安心感を持つものです。だからと言ってルールを破ることがないわけではありませんから、ルールを守らなかった時は決められた罰が与えられることが大切です。
決まりがはっきりしている家庭では、子供も何を守るべきかが理解できます。また、特定の行動がもたらす結果を事前に知ることでもあります。
子供にとって、これは予測性、安定性、自分の周囲の環境のコントロールを意味します。つまり、ルールと行動の結果を予測できることが、子供に大きな安心感を与えることになる、ということです。
2. 子供の良くない行動を笑わない
親として子供の良くない行動を笑ってしまうと、反抗的な態度を助長する結果になってしまいます。その時の態度がとてもおもしろく思えたとしても、笑ってしまうと子供に二重のメッセージを送っていることになります。その結果、問題行動が悪化することもあります。
コルディジェラ技術研究所の研究では、家族間のコミュニケーションが上手くいっていないこと、または親の子供への無関心などが子供の反抗的な態度に影響している可能性があるとされており、コミュニケーションについて意識することが大切です。
3. 反抗をコントロールするために良い行動をほめる
親がよく犯しがちな最も一般的な誤りの一つは、ポジティブな行動以上にネガティブな行動に注目して強調してしまうことです。常にネガティブな行動について言及し、良いことをした時に認めないようでは、間接的に親自らがネガティブな行動を強化していることになるのです。
子供の良い行動をほめることは、悪い行動をした時に的確に叱ることと同様に重要なことです。「Avances en psicología latinoamericana」というラテンアメリカの心理学の学術雑誌では、ほめて育てることで、けじめをつけながらも愛情を持って育てることが出来るとされています。
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4. 無条件の愛情を示す
子供が何度失敗しても、いつでも親の愛情に守られていると確信させてあげなければなりません。怒っているのは行動に対してであることをよく説明しましょう。子供の立場に立って話を聞き理解しましょう。大声を出すのは避けて、落ち着いて会話するよう努めてください。思春期の子供の場合は、子供の機嫌の良しあしを問題にせず自分のスペースを持たせましょう。
「Revista Latinoamericana de Psicología」という別の学術雑誌に掲載された記事には、親密な人同士の間に形成される関係が愛着であることが記されており、だからこそ、子供の発達と親子の関係を促進するために大切な要素なのです。
5. 子供の反抗的な態度を増長してしまっているならそれを認める
子供の反抗的な態度は、親としてどうしてよいか分からない何らかの家庭の状況によって生じていることも多いものです。父親と母親の別居や感情的な距離は、最もよくある原因です。 両親の間に何らかの緊張状態がある場合は、子供たちはそれを感じ親の注意を引こうとするかもしれません。また、兄弟のうちの特定の一人を優先していると、他の子供の反抗的な態度を引き起こすこともあります。
6. 選択肢を与える
子供たちに選択肢を与えることは、さまざまな状況を前に肯定的に自己主張する助けとなります。また、大人になった時に決断を下すための能力をはぐくむことにつながります。子供に選択肢を与える方法の一つが、交渉することです。例えば、宿題を終えることが出来たら特定の時間テレビを見ることを許す、などです。
7. ポジティブな言葉を使う
肯定的な言葉遣いは、否定的な言葉や命令的な言葉よりもずっと効果的に働きます。ポジティブな言葉は、禁止することによって生まれる挑戦的な態度を引き出しません。子供が何をしてはいけないかではなく、何が出来るかに注目して言葉を選びましょう。
子供に話す時は、してもよいことを言います。例えば「家の中でボール遊びをしてはいけない」と言う代わりに、「庭でボール遊びをしてもいいよ」と言いましょう。また「部屋でギターをひいてはいけない」と言う代わりに「地下でギターをひいておいで」と言いましょう。
子供の反抗について
どのようにしつければ良いかのマニュアルを持って生まれてくる子供はいません。そのためわずかなツールで子供のしつけに立ち向かっている親がほとんどです。子供の立場になってその気持ちを知ろうとせずに、親の権限をふりかざしているだけではうまくいきません。
子供一人ひとりが特別なオンリーワンであり、いろいろな状況を前にどう反応するかは、大半が成長の過程で自分の家で経験していることによるのです。
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