自分を尊重する
どんな人間関係においても、私達は、個人的、感情的な境界線、自分を守る心理的な盾を持っておく必要があります。社会的で親密な人間関係を、健康的にバランスよく維持できるかは、この境界線をどこに引くかにより決まります。
親しい間柄でも、お互いを尊重することは大切で、ここに、やり直しや譲歩という言葉は存在すべきではありません。相手からの要求や命令を何でも受け入れることと、相手を尊重することは別です。
自分の人生の中で「尊重」がどれだけ大切か、考えたことはありますか? 立ち止まり、周囲の人間関係を振り返りましょう。
恋愛関係において、相手からの見返りを求めず、自分のもつ全てを相手に与えようとしがちです。それにより、自分の生活や人生を相手に支配されていませんか? 見返りを期待しないことと相手に支配されることは、まったく別ものです。
この違いをしっかりと理解し、自分を尊重しましょう。
詳しく見ていきます。
自分に対する敬意
「自分の中にある尊厳が『これは愛じゃない』と気付くまで、私はあなたのことを愛していた」
このように感じたことがある人は、自分を尊重し、時として愛を制限すべきだと学んだでしょう。
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個人の尊重と自尊心
人生を通して、私たちは自尊心を築き上げます。時には、精神的に弱くなり、自己防御機能がうまく働かなくなることもあります。例えば、次のような場面です:
- 職場での降格
- 人間関係や恋愛関係など親密な関係が複雑化した時
- 事故、トラウマになるような死、裏切りなどの経験
生きる上で、自尊心を低下させる場面にたくさん出くわすでしょう。時には、自分には価値がないと感じ、また、時には、自分は何でもでき、誰も自分を止めることはできないと感じることもあります。
これは長い間、自分の居心地のいい場所に留まっていた後に陥りがちな心理状態です。自分の居心地のいい場所から一歩を踏み出し、自制心を失った時、全てが崩れ始めるのです。
盲目の恋
恋をすると、解放的になり、自分の気持ちに従い、突っ走ってしまうことがあります。運命の恋だと信じ、盲目になり、突き進むことがあります。
ここで、自分を尊重することを忘れてはいけません。
気付いたら、相手に見返りを求めず、自分のもつすべてを与え続け、境界線がなくなっていたということがないようにしましょう。関係を維持するのに夢中になり、必死に努力を続けていると、ある日、心に空虚感を感じることになります。
それは、ここで何か問題が生じたからではありません。
今までの努力が間違いだったと気付いたためです。
必死に関係を維持しようと努力したものの二人の関係がうまくいかなかったのは、その努力が一方通行だったからです。関係維持に使ってきたエネルギーや努力は相互的ではなかったのです。
状況を変える必要があります。人生で大きな決断をする時、必ず代償を伴います。決断には、リスクを恐れない、多大な勇気が必要です。それでも、自分の尊厳、自尊心、幸せになる権利が脅かされているのであれば、決断を遅らせるべきではありません。
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自分に力を与える
精神的に辛い時、自分を尊重するために役立つフレーズをご紹介します。この言葉を繰り返し自分に言い聞かせ、強さや勇気を奮い立たせましょう。
- 幸せになる方法や自分の生きる道は、自分で決める
- 本当に私を愛している人は、隠れて行動したり、人を支配しようとしない
- 自尊心を強化してくれる人こそが、真のパートナーであり、自尊心を破壊する人では決してない
- 私を愛する人は、いつも私を大切にしてくれる
より良い生活を送るにはどうしたら良いか、一緒に考えてくれる人と生活しましょう。自分のことばかり考え、思いやりのない人とは距離を置きましょう。
- 自分の思いや考えを表現する権利がある
- 「ノー」と言う言葉は、自分勝手なのではなく、自分を守る言葉だ
- 愛される権利がある
- 自分を愛することから、真の愛は生まれる。周りの人や状況により、自分が無意味だと感じる時は、何かがうまくいっていない。決断・変化の時である。
- 自分の生活・人生には、自分で責任をとる。希望や願いを誰かにゆだね、依存はしない。
- 誰かに媚びたり、何かを求めない。
- 自分は強く、美しく、勇気のある人間である。人と同様、幸せになる権利がある。
- 人生の目標達成のために、努力する
- 愛する人のためには努力を惜しまず、敬う。そして、私を愛する相手も同じようにあるべきだ。
自分を尊重することの大切さは忘れられがちです。皆、幸せである権利があり、それを自覚するよう、広めていきましょう。
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- Navet, Georges. (2018). De la dignidad en la Declaración Universal de los Derechos Humanos de 1948. https://scielo.conicyt.cl/scielo.php?script=sci_arttext&pid=S0718-43602018000100153