左向きで寝るとカラダにいいってホント?
ふだん寝るとき、どちら向きで寝ていますか。右? 左? それとも仰向けでしょうか。専門家は左向きで寝ることをすすめています。今回は、左向きで寝ることのメリットとは何かをご紹介します。
左向きで寝ることの5つのメリット
この記事のタイトルを見て、エッ? と驚かれたかもしれませんね。ある方向を向いて寝るとカラダにいいなんて、これまであまり考えたことがなかったかもしれません。でも、これって、大切なことみたいですよ。
東洋医学では、昔から左向きで寝ることを推奨してきました。『ジャーナル・オブ・クリニカル・ガストロエンテロロジー』に最近掲載された論文で、ジョン・ドゥイヤール博士は、いくつかの簡単な原則を紹介し、左向き睡眠が身体にいい理由をわかりやすく説明しています。以下、その内容をかいつまんでご紹介します。
1. リンパ液の正常な排出のため
ドゥイヤール博士によると、左向きは一番自然な寝姿だそうです。身体の左側は、リンパ系の優位側。リンパ液はこちら側で排出されます。リンパ系は、タンパク質やグルコース・代謝物質のような大切な成分や、リンパ節によって濾過(ろか)され、身体の左側に排出されなければならない成分を運びます。左側睡眠の第1の理由はリンパ系のためであることを覚えておきましょう。
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2. 解剖学上の理由から
昔習ったことで覚えていないかもしれませんが、胃と膵臓は大部分が身体の左側にあります。左向きに寝ると、消化を助けます。胃液の流れを正常にし、膵臓酵素の分泌をうながすからです。このため左向きに寝ると、身体が食物を少しずつ消化するのを助け、右向きに寝たときのようにいっぺんに消化しようとすることを防ぎます。
3. 心臓の健康のため
おどろきましたか? ドゥイヤール博士によると、心臓の80%は身体の左側に位置しており、左側を下にして寝るだけで、簡単かつ自然にー主にリンパ液を排出しやすくすることでー心臓の健康を守ることになるそうです。もうひとつ考慮すべき点は、大動脈は腹部に達するために、心臓から左側にアーチを描くようにして出ていくこと。つまり、左側を向いて寝ると、心臓は血液を送り出しやすくなり、稼働効率がよくなるというわけです。
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4. 食後の昼寝のため
昼寝を日課としている人、またはたくさん食べたあとにどうしても眠くなる人は、左向きに寝るようにしましょう。その方が消化にいいからです。目覚めがよくなり、寝起きの疲労感や腹痛も防げます。左を下にして昼寝した後、どんなに気分がよくなるか、試してみてください。
5. 膵臓の健康のため
膵臓も身体の左側にあります。膵臓もリンパ系の一部であり、消化液とホルモンを分泌し、正常なリンパ機能を守っています。左側を下にして寝ると、重力の関係で膵臓に体液が流れ込みやすくなります。私たちのリンパ系の大部分は、身体の左側で機能していることを覚えておきましょう。
これで、どうして左向きで寝るとカラダにいいのか、おわかりになったことでしょう。さっそく今夜から試してみませんか?