肺水腫:その原因と症状

肺水腫は、呼吸困難、息切れ、頻脈などを引き起こします。今日の記事で詳しく見ていきましょう。
肺水腫:その原因と症状

最後の更新: 26 5月, 2020

肺水腫とは、肺に水が溜まっている状態です。水が溜まることで呼吸が苦しくなります。そのため、肺水腫は命に関わる病気だと言えるでしょう。

肺水腫の原因は、心臓のトラブルであることが多いでしょう。ですが、外傷や肺炎(肺の炎症)、薬剤などが肺水腫の原因である場合もあります。突然水腫が現れた場合は、命に関わることもあるため、医療的な緊急措置が必要となります。また、徐々に肺水腫になるケースもありますが、どちらにしても放っておいてはいけない状態です。

今日の記事では、肺水腫の原因と症状について詳しく見ていきましょう。

肺水腫とは?

肺胞とは肺が形成するエアポケットです。呼吸の間に酸素を吸収し、二酸化炭素を取り除きます。空気の代わりに液体が肺胞を満たしてしまうと、このガスの交換が正常に行われなくなってしまいます。

この液体の蓄積を肺水腫と呼びます。心臓に関係した病気やトラブルから起こる場合が多いでしょう。心臓に関係して起こる場合は、心原性肺水腫と呼ばれます。主に、心臓の左心室が弱まった時に起こります。

さらに、心臓の病気と関連していない肺水腫(非心原性肺水腫)もあります。例えば、高地に行った時に肺水腫になることもあるのです。

肺

 

肺水腫の原因

心原性肺水腫

前述したように、心原性肺水腫は心臓の病気のせいで起こります。心原性肺水腫の主な原因は以下のようなものです。

  • 冠(状)動脈異常:これらの動脈は心臓の循環に対する役割を果たします。普通は、脂肪(アテローム斑)の蓄積のせいで動脈が詰まります。これにより心臓が弱まってしまうのです。そのため血液が肺に蓄積されやすくなり、液体が肺胞に到達するのです。
  • 心筋障害:これは心筋症と呼ばれます。前述のケースと同じく心臓が十分に強く打たないとき、液体が肺に戻ります。
  • 心臓弁疾患
  • 高血圧

非心原性肺浮腫

心臓の問題とは関係なく起こる肺水腫です。主な原因は以下です。

  • 高地:高地に行くと、肺毛細管の血管収縮による圧力上昇が起こることがあります。結果として、液体が肺胞に入り込みます。
  • 急性呼吸窮迫症候群:この状態は、肺が液体や白血球で満たされた時に起こります。外傷や感染が原因となることもあります。
  • 薬の服用
  • 静脈血栓塞栓症:血栓が肺血管を詰まらせてしまった時に起こる状態です。血液が正常に循環できなくなります。
  • ウイルス感染
  • 煙を吸い込む、窒息

こちらも合わせてどうぞ:心電図:解読するための7つのステップ

 

肺水腫の症状

肺水腫の症状はその原因や進行度により様々です。急性に起こったときの症状は以下のようなものでしょう。

  • 息切れ、特に横になると悪化する
  • 喉が詰まるような感覚
  • 呼吸をすると音がする(喘鳴)
  • 咳(血が出ることもある)
  • 頻脈、心臓がドキドキと速くなる
  • 皮膚が冷たく湿り気をおび、唇が紫色になる
頻脈

一方、肺水腫がゆっくりと進行するとき、症状は少し違います

  • 呼吸が苦しい、横になっていても苦しい
  • 脚のむくみ
  • 倦怠感が増す
  • 横になると咳が出て、座ると治る
  • 体重増加

予防方法

肺水腫を予防しようとするなら、心臓の病気を予防しなくてはいけないでしょう。まずは、血圧をコントロールしましょう。高血圧は、心臓の病気の大きなリスクファクターとなるからです。

また、毎日適切にエクササイズをすること、食事に気をつけることも欠かせません。エクササイズや正しい食事は、血圧と血液中のコレステロール値のコントロールを助けてくれるでしょう。コレステロールは、虚血性心疾患に関係するためです。

一方で、患者はお酒やタバコを止めましょう。また、健康的な体重を維持することも推奨されています。最後になりましたが、ストレスをコントロールすることも忘れてはいけません。

まとめ

肺水腫はとても深刻な状態です。放っておくと命に関わるかもしれませんので、息切れや倦怠感などの症状を感じたら、すぐに病院を受診しましょう。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。



このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。