月経カップ:タンポンの代用品
タンポンの中には有害な成分が含まれる製品もあるため、身体への悪影響を耳にする機会も増えてきました。
しかし月経のある女性にとってタンポンは必需品です。
タンポンの他にどのような選択肢があるのでしょうか?
本記事では、環境に優しく手頃な、快適で健康的なタンポンの代用品となる月経カップをご紹介します。
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タンポンの使用に関連したリスク
タンポンに含まれる有害な物質がダイオキシンで、タンポンの繊維を漂白するために使われています。
この成分には発がん性がある可能性があり、免疫系の機能や生殖機能を低下させ、 子宮内膜症を引き起こす要因にもなる可能性もあります。
数多くの研究や団体が、ダイオキシンの有害性に警鐘を鳴らしています。
もう1つがタンポンの吸収性を上げるために使用されているレーヨンで、これはトキシックショック症候群(TSS)を引き起こす可能性があります。
米国イリノイ大学医学部の医学博士であるジェシカ・シェパード氏は「タンポンが説明書に従って使用されたない時や、指示に従って8~12時間ごとに取りかえられていない場合に、トキシックショック症候群の危険性が現れる」と警鐘を鳴らしています。
生理用ナプキンやパッドにもダイオキシンが含まれていることがほとんどですが、膣の内壁に直接触れるものではありません。
この問題を解消するのが、100%天然コットンのタンポンですが、非常に高価だという問題点があります。
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月経カップ
従来のタンポンに変わる方法に月経カップがあります。
これはシリコンから作られており、通常カップ型またはつり鐘型をしています。
柔軟性があるので、折り曲げて簡単に膣の中に挿入することができ、一度装着すると、月経中に排出される血液を吸収することなく回収します。
中身を空にする時は、カップを取り除き、血液をトイレに流し、再度挿入する前に石けんと水で清潔にしてください。
月経周期が終わった後には、カップは沸騰したお湯で煮沸するか、過酸化水素、酢、その他の天然石けんなどで洗浄・殺菌をおこなってください。
月経カップには、以下のような多くの利点があります。
- 環境にやさしい:月経カップは耐久性のあるシリコンで作られているため、10年程度使えます。
- 経済的:生理周期ごとに繰り返し使えます。
- 健康的:身体に有害な物質を含んでいません。
- 実用的:タンポンのように使えますが、交換用のカップを持ち歩く必要はありません。
- 感染症の予防になる:ナプキンと違って、膀胱炎の原因となりません。
- 1回の生理で女性が排出する総血液量のおよそ1/3に相当する30mlほどの容量があるため、ナプキンやタンポンのように頻繁に交換する必要がありません。
- 生理周期とより密接なつながりを生み、自然のリズムや健康全体について、いろいろと勉強になります。
月経カップの種類
様々なメーカーから月経カップが販売されていますし、オンラインでも購入することができます。
一般的には、出産経験のない若い女性用と年上の女性や出産経験のある女性用の大きめのサイズの2つがあります。
どうやって使うのか?
月経カップは、カップの広い方を小さくしたら膣内に挿入して離すと、月経カップが膣内で広がり、膣から取り出す時はカップの底をゆっくり引っ張ります。
それぞれの月経カップには詳細な取扱説明書が同封されていますし、オンライン上には数々の説明動画がありますので、そちらで詳細をご確認ください。
最初は慣れるまでに時間がかかるかもしれませんが、練習すれば、滑らかにそして簡単に使うことができます。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
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