男性の病気:精巣捻転症の原因と症状
精巣捻転とは、精巣を陰嚢の正しい位置に保つ精索が何らかの原因でねじれるときに起こる状態で、睾丸や周囲の組織への血液の中の供給が中断されるため危険です。
陰嚢にある睾丸は卵の形をした精子を作る場所で、精巣への血液供給は、精索を通る精巣動脈から行われます。
静脈への血液の戻りも同じ経路をたどりますが、逆の精子静脈を介して発生します。
精巣捻転が起こると、これらの血管が閉塞し、精巣への血流の不足につながります。
早期に発見して対処しない場合、精巣の壊死が起こり、精巣の除去手術が必要になることがあります。
精巣捻転の原因
解剖学的な形状が、精巣捻転を発症する大きな素因になる可能性があります。
精巣捻転はどの年齢でも起こり、年配の男性に発生する可能性がありますが、新生児や思春期によく見られます。
一部の男性は陰嚢の結合組織の欠陥により精巣捻転を発症する傾向がありますが、現時点では明確な原因は明らかになっていません。
陰嚢に損傷を受けて炎症が頻繁に起こる場合、精巣捻転が起こる可能性があります。
また、激しい運動を行なった時にも起こる可能性が指摘されています。
陰嚢の中で精巣が自由に回転するという解剖学的な素因を持っている男性や精索が通常よりも長い男性も、精巣捻転を発症する傾向があります。
精巣捻転の症状
精巣捻転の主な症状は、突然の激しい痛みです。
実際の痛みは患部である精巣で起こっていますが、それが鼠蹊部全体から腹部にまで広がることがあるため、男児が腹痛を訴えている場合は注意が必要です。
痛みに伴う他の症状は次のとおりです。
- 吐き気
- 嘔吐
- 一般的な不快感
場合によっては、睾丸がいつもより高い位置や普通ではない角度になります。
精巣捻転を発症すると睾丸が腫れて、陰嚢の皮膚は赤く硬化します。また症状の深刻度によって、患者の痛みや苦しみが変化します。
中には、精巣の捻転が自然に元に戻って痛みが徐々に消える場合もあります。
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精巣捻転の診断
医師は、患者のこれまでの病歴を確認して、身体を検査することで精巣捻転を診断します。
その後、診断を確認するために超音波を使って画像検査を行いますが、必ず必要な検査ではありません。
超音波検査では、精巣の状態だけではなく、精巣への血流が減少していることも確認できるため、身体検査だけでは診断が不確かな場合には超音波検査を行って診断を確定します。
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治療
睾丸の両方を陰嚢の内側に固定する手術が、もっとも一般的な治療法です。
精巣捻転を発症した患者に対し、可能であれば、用手法で捻転の整復を試みます。
精巣捻転は緊急を要する症状なので、用手法の整復が不可能な場合は、すぐに外科手術を行います。
外科手術では、精巣の一部が再び捻転しないように陰嚢に固定させます。
精巣捻転は、発症から時間が経過すると精巣壊死のリスクが高まる緊急を要する状態ですが、発症から6時間以内に手術が行われた場合、一般的に予後は良好で、精巣を保持する可能性が高まります。
新生児や男児が突然の痛み、 特に下半身や下腹部の痛みを訴える場合は、精巣痛を疑い、すぐに医師の診察を受けることをお勧めします。
治療は、精巣捻転を元に戻すだけでなく、影響受けた陰嚢の固定を行います。
腫れが大きく、すぐに手術を行うことができない場合は、用手法整復として手でねじれを修正しますが、医師はできるだけ早く手術を行う必要があります。
精巣捻転が早期に発見されすぐに治療を開始した場合は、精巣の機能が元に戻る可能性が高いと言われています。
捻転が始まって6時間以上たつと、血液の流れが6時間以上中断され、精巣を取り除くする必要が高くなり、睾丸がその機能を失う可能性もあります。
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