食べ物にまつわる5つの間違った思い込み

近年、食べ物や栄養に関するフェイクニュースがたくさんあります。特定の食べ物に奇跡的な特性があるとするものもあれば、過度に心配を煽るものもあります。この記事では、それらについて詳しくご紹介します。
食べ物にまつわる5つの間違った思い込み
Marta Guzmán

によって書かれ、確認されています。 栄養士 Marta Guzmán.

最後の更新: 09 2月, 2024

フェイクニュースはますます頻繁に目にするようになりました。ソーシャルメディアやインターネットのおかげで、アクセスできる情報は雪崩のように増えています。そのため、食べ物に関するフェイクニュースもますます多くなっているわけです。

Study on Fake News in Health(健康に関するフェイクニュースに関する研究)」に参加した医師が発見したフェイクニュースのうち、栄養に関するテーマが半分以上(54%)を占めています。

全体として、食品に関するフェイクニュースというとき、良い意味でも悪い意味でも誇張された話だという意味です。例えば、特定の食品にあると言われる利点が、実際はそうでもない場合などです。

この記事では、ぜひ知っておいて欲しい食べ物に関する5つのフェイクニュースを取り上げます!

食品に関する5つのよく見られるフェイクニュース

Nutrition Todayに掲載された論文では、消費者が栄養に関して開示されている科学的には誤った情報を認識できるよう、教育的な努力をするべきだと提言されています。その目的は、「栄養療法」、「奇跡的な食品」、「警鐘を鳴らす報告書 」などに関する誤った記述に、誰もがもっと気づくようになることです。

最もよく見られるフェイクニュースをいくつか見てみましょう。

1.焦げたトーストはガンの原因になる?

国際がん登録協会によって分類された化合物であるアクリルアミドは、焦げたパンの中で生成されます。そして、確かにヒトに対する発がん性物質である可能性が高いです。

しかし、この物質が現れるには、食品が還元糖とアミノ酸(主にアスパラギン)を含み、120℃以上の温度で調理されている必要があります。したがって、常に存在するわけではありません。

それに、これはパンに限ったことではありません。ジャガイモ、コロッケ、菓子パン、コーヒー、朝食用シリアルなどでも起こり得ます。欧州食品安全機関は2015年、食事によるアクリルアミド暴露レベルについて懸念を表明しました。

アクリルアミドが健康リスクとなるには、多量に摂取する必要があるとはいえ、アクリルアミドの摂取を減らすことが望ましいです。食品を170℃以上に加熱調理せず、きつね色にはなっても、こげ茶色にはならないように調理しましょう。

食品に関する偽のニュース記事
焦げた食品はアクリルアミドという物質を放出します。アクリルアミドの危険性は大量に食べない限り心配する必要はありませんが、焦げた食品を食べるのは避けた方が無難でしょう。

2.ダイエット中、牛乳は飲んでもいいの?

ダイエットのためには低脂肪牛乳や無脂肪牛乳を選ぶべきなのでしょうか?

結局のところ、「牛乳がダメだ」という通説は、牛乳の栄養素における他の側面を考慮することなく、ただカロリーと脂質の摂取を減らすことが意図されていました。しかし、The American Journal of Clinical Nutrition誌に掲載されたこの論文に見られるように、現在の科学的根拠は正反対のことを述べているようです。

さらに、欧州の成人肥満管理ガイドラインでは、肥満管理戦略として低脂肪乳製品を全乳製品に置き換えることを推奨しています。

こちらもお読みください:植物性ミルクの成分と効能について

3.レモン水を飲むとデトックスになる?

最近聞くようになったこの話は嘘です。デトックスという浄化作用はありませんし、その必要もありません。

実際、体内には肝臓、腎臓、肺の3つの臓器がすでに「浄化」作用を担っています。レモンはクエン酸を豊富に含み、pH緩衝剤として働く抗酸化物質です。このような間違った思い込みが生まれたのはここからかもしれません。

しかし、本当にデットクス作用のある食べ物など存在しないのです!

4.食後に果物を食べると太る?

果物によって摂取カロリーは異なります。しかし、果物のカロリー摂取量は、食前、食中、食後を問わず常に同じです。果物をいつ食べるかによって摂取カロリーが変わるという科学的根拠はありません。

また、果物や野菜の摂取量が多い方が痩せやすいというエビデンスもあります。こちらの記事はこれをさらに裏付けています。実際、果物や野菜が減量に貢献する可能性のある理由のひとつは、満腹感に対する潜在的な効果です。

食品に関する偽のニュース記事
果物を食べる時間によって摂取カロリーが変わるというエビデンスはありません。実際、果物の摂取が減量に貢献するという研究結果すらあります。

5. 1日5回食事をすると代謝が上がる?

この考えは、食事をすると、食べ物を消化し、すべての成分に分解するためにエネルギーを使うという事実から生まれています。これは食べ物の熱発生効果を利用しようといったものです。

しかし、消化に使われるカロリーは、食べたものの量と大栄養素の種類に多かれ少なかれ比例することが分かっています。したがって、1日に2,000kcalの食事を摂取する場合、それが3食であろうと5食であろうと、熱発生効果は変わりません。

Journal of Nutritionは、食事の回数を増やすことが減量にプラスになるという確かな科学的根拠はないと結論づけた研究を発表しています。

結論

今回取り上げた以外にも、食に関するフェイクニュースはたくさんあります。ですから、公認栄養士のアドバイスを受けるのが一番です。そうすることで、健康を害する可能性さえある誤った考えを信じることを避けることができます。


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  • Guyenet SJ., Impact of whole, fresh fruit consumption on energy intake and adiposity: a systematic review. Front Nutr, 2019.
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このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。