ストレスが心臓に及ぼす影響

心と体の相互作用の正確なメカニズムはまだ完全な究明へは至っていませんが、感情的なストレスがさまざまな病気に影響を与えていることは多くの研究が示しています。そこで今回は、ストレスが心臓にどのような影響を与えるのかについてお話しします。
ストレスが心臓に及ぼす影響

最後の更新: 07 2月, 2021

心理的要因は人体の複数の器官に悪影響を及ぼします。この記事では、ストレスが心臓や循環器系全体にどのように影響するかについてお話しします。実際には、心の健康はほぼすべての医学的疾患に影響を与えているのです。

心と体は親密な関係にあり、常に相互作用しています。バランスが崩れると、死亡率の危険リスクが増加します。

ストレスとは?

ストレスとは、自分の身を危険にさらすような状況や困難な状況に体が反応する状態を指します。この反応は、脅迫的な問題から身を守ろうとするものです。

小さいものであれば、ストレスの多い状況は健康を害することはないはずです。しかし、長期的になったり、あまりにも強烈であったりすると、有害になる可能性があります。

ストレスは、上で述べたように、一般的によく知られているものも含めて、ほとんどすべての一般的な病気に影響を与える可能性があります。例えば、冠状動脈性心臓病や糖尿病、片頭痛、過敏性腸症候群、線維筋痛症などが挙げられます。

ストレスの多い職場 ストレスが心臓に及ぼす影響
職場のストレスは、心血管リスクを高める原因の1つになり得ます。

ストレスが心臓と循環器系に与える影響

20年近く前に行われた、冠動脈疾患の患者を対象にした研究で、ストレスと虚血性心疾患の相関が実証されました。その後、他の多くの研究でも同じことが確認されました。しかし、ストレスと虚血性心疾患との関係がどのようにして生じるのか、その正確なメカニズムは不明のままです。

感情的ストレスが急性心筋梗塞の引き金となるメカニズムについては、血圧、心拍数、血管緊張、さらには血小板凝集能の上昇など、いくつかの仮説が存在します。これらはすべて神経伝達物質の放出と密接に関連しているようです。

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心拍数および血圧の著しい上昇は、心筋からの酸素要求の増加につながる可能性があります。特定の患者の状態、すなわち、より大きなリスクを持つ人では、この状態は急性心臓発作につながる可能性があります。

これらの要因はすべて、自律神経系のある種の異常にも関係しています。これは、呼吸や心拍などの不随意の動作を司る神経細胞の部分のことです。

小動脈に動脈硬化性プラークがあるなどの危険因子がある人は、神経系から放たれた物質が血管の病変につながる可能性があります。プラークとは、アテロームが分解して循環を阻害し、組織への酸素の流れを阻害している状態です。

また、日常生活のストレスが、喫煙者のタバコの消費本数を増やす原因になることにも触れておきましょう。同じように、人によっては、ストレスが原因で食生活が悪化し、その結果、血中のコレステロールが増加することもあります。

心臓に影響を与えるストレスの症状

人によっては、性格や経験した状況のせいで、他の人よりもストレスの兆候が出やすい人もいます。そのような人にとっては、健康が不安定になる誘因と向き合えるようなやり方を学んでおくことが非常に重要になります。

ストレスが心臓に影響を与える典型的な症状の1つに動悸があります。これは、胸がドキドキするような頻脈を伴う心拍の加速のことです。

胸の痛みも問題の表れです。常に心臓発作につながるわけではありませんが、急に痛むと思ったら穏やかになったりと、たまに胸が圧迫されるような、鈍い痛みにも注意しましょう。

ストレスと闘うためのヒント

ストレス因子とさまざまな心臓病の相互作用を認識することは、予防の第一歩です。人によっては、心臓発作や脳卒中につながるような状態になるリスクが高い場合もあります。

食事と運動に加えて、効果的なストレス解消法を実践すれば、心血管疾患の予防が可能です。感情的な問題が深刻な時には、例えば、リラクゼーションを意識的に取り入れましょう。同時に、ストレスの引き金となる要因をできるだけ避けることも重要です。

一般的に、ストレス管理に特化したプログラムの目的は、患者へのストレスの影響を減らすことです。ストレス要因を完全に排除することは不可能ですが、自分の成長につながる刺激にうまく変えることができるように、自分で管理することは可能です。

パソコンの前で悩む人 ストレスが心臓に及ぼす影響
心血管リスクを最小限に抑えるために、ストレスを上手に管理しよう。

医師に相談すべきタイミング

ストレスが人それぞれの心臓にどの程度の影響を与えるかを予測することは不可能です。それでも、例えば悲しみのような問題のある状況を認識することで、負の結果を避けるために専門家の助けを求めるべきだという警告に気づくことが大切です。

さらに、健康的な習慣を身につけることも重要です。中でも、健康的でバランスのとれた食事をし、喫煙や過度のアルコールを避けましょう。そして、定期的な運動、できれば有酸素運動をする必要があります。健康的な睡眠をとることも、不安を軽減する方法の1つです。

また、可能な限り、ストレスの原因となる状況を避けたり、減らしたりする必要があります。今回ご紹介したことは、心臓の健康だけでなく、全体的な健康に良い影響を与えてくれるので、ぜひ心に留めてください。

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