親の喧嘩が子供に与える5つの影響
パートナーとの関係が、非常に幸せで安定していたとしても、ときには意見が対立し争いが起こることがあるでしょう。感情的になって、時に子供の存在さえ忘れてしまうことがあるかもしれません。しかし、親の喧嘩は、子供の発達に深刻な悪影響を与える可能性があります。今回は親の争いが子供にもたらす5つの影響についてご紹介します。
ドメスティック・バイオレンスとその影響
ユニセフによれば、家族とは、子供の養育、教育、そして保護に置いて最も重要な社会制度です。しかしながら、コミュニケーション不足や感情をコントロールできない親同士の喧嘩は、非常に深刻になり、自らを傷つけるだけでなく彼らの子供たちを傷つける可能性もあります。
専門家は、世界中で、子供たちが他のどこよりも暴力の危険にさらされる場所は家庭であるとも述べています。
パートナーとの間の喧嘩は、子供に影響を及ぼさないと思うかもしれません。しかし、言葉によるものであれ肉体的なものであれ、親同士の争いは実はドメスティック・バイオレンスの一部なのです。
親同士の争いが間接的または直接的に子供に影響を与えます。その理由を以下でお伝えします。
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家庭での争いが子供に与える影響
さまざまな要因が家族関係を形作っています。それらは社会的、感情的、行動的、あるいは構造的なものであるかもしれません。
家庭での肉体的または精神的暴力の有無によっても家族関係は変わってきます。意図的であるか、そうではないかに関わらず、問題を解決するために相手を攻撃することが日常的になると、不健康な家族関係に陥ってしまいます。
これにより、家族全員が「暴力は一般的で、当たり前のことである。」と感じるようになります。この考えが、あなたや特に子供たちの人生に大きな影響を与えます。
親の喧嘩は、子供の生活にさまざまな悪影響を与える可能性があるので十分に注意しなければなりません。
1-身体的影響
親の喧嘩は子供に身体面に大きな影響与えます。発育が遅くなったり、睡眠障害、摂食障害、心身症などに苦しむかもしれません。その他にもさまざまな病気にかかる可能性があります。
2 – 心理的影響
子供たちにとっては、両親が全てであり、ロールモデルです。したがって、喧嘩が日常的である家庭で育った子供たちは、感情面において理解をするのが難しくなる傾向があります。
欲求不満や怒りをコントロールする方法を知らず、攻撃を通してのみ自分自身を表現するようになるかもしれません。他人や自分自身に対しても暴力的な行動を引き起こしてしまいます。
また、無力感を感じる子供たちもいます。不安や恐れから、他人とつながることを拒否してしまう場合もあります。
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3 – 社会的影響
他人と上手にコミニケーションする能力を養うことができず、友情や愛情など密接な関係を築くことができなくなることがあります。
再びトラウマを経験するのを恐れていて、暴力的な記憶を再び呼び起こさないために回避行動を用いるためです。また共感の欠如、孤立、無関心、攻撃的になり、最悪の場合は犯罪行為に走る場合もあります。
4. 認知力への影響
日常的に喧嘩している親を持つ子供は、集中力が欠けている傾向にあります。1つの物事に集中することが困難で、そのため学業成績及び発達に影響が出ます。
解離行動をとることもあります。これは、対立とストレスを最小限に抑えるために現実逃避をする防御メカニズムです。
意識、アイデンティティ、記憶、そして周りで何が起こっているのかという認識までも変えてしまう可能性があるので、一種の障害だと考えられています。
5 -自尊心への影響
子供たちはまだ発達段階なので、自分自身について否定的な感情が生まれる可能性もあります。親の喧嘩の責任は自分にあると感じ、自分を責めることがあります。
これは自尊心の低さ、うつ病、および不安につながります。
結論
親の争いは、幼少期だけでなくその後の人生においても、子供を傷つけ続けます。その結果、子供は攻撃的になったり無気力になります。すぐに問題に対処しなければ、子供の健康だけでもなく社会にも脅威となる可能性もあります。
親として、あなた自身の行動に対して責任を持ち、可能な限り最善の方法で争い事を解決しなければなりません。あなたが人生で辛い経験をしていたり、親に暴力や虐待を受けていたとしても、決して同じことを自分自身の子供にしてはいけません。
子供に悪影響を与える親から、合理的で愛情を持った方法で争い事を解決する親になるように努力してください。それが難しい場合は、セラピストなど第三者を交えて解決方法を見つけましょう。
子供の健康と幸福はかけがえのないものです。子供たちが常に幸せでいられるように健全な家庭を築きましょう。
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