更年期障害の発症を加速させる6つの要因

更年期障害の発症には、自分ではコントロールできない遺伝子的な要因もありますが、発症に影響を及ぼす外的要因も明らかになっています。
更年期障害の発症を加速させる6つの要因
Nelton Abdon Ramos Rojas

によってレビューと承認されています。 医者 Nelton Abdon Ramos Rojas.

によって書かれた Okairy Zuñiga

最後の更新: 17 12月, 2022

更年期が始まる年齢は生まれたときから決まっていますので、それを遅らせることはできません。ただし、遺伝子に組み込まれた発症年齢を遅らせることはできなくても、更年期障害の発症を早める外的要因について学ぶことで、そうした体に悪い習慣を避けることはできます。

「更年期は人生の新章を健康で優雅に始める準備段階」だと考えてみませんか?

更年期に突入する年齢は世界的には50−51歳だと言われています。40代で更年期を迎える人は100人中1人です。

ただし、乱れた生活習慣などの外的要因により、更年期障害の発症が早まることもあります。

今回はどのような要因が更年期障害の発症を早めるのか、そしてどんな習慣を避けるべきかを考えていきましょう。

こちらもご覧ください 更年期について知っておくべき8つの事柄

1.染色体異常

ターナー症候群や脆弱X症候群といった、性染色体Xと関連する遺伝子上の疾患は更年期障害の発症を早めます。

これらの疾患を持つ方は、生まれたときから卵巣に問題があることが多く、健康的な卵胞を持たずに卵巣の萎縮が起こるため、卵巣が十分に発達しません。

遺伝子上の疾患や問題は、ほとんどの方は幼少期から、また遅くても思春期までの間に診断されるのがほとんどですが、一部の人は診断されないまま成長し、一般的な年齢で月経を迎えた後、早すぎる更年期を迎えます。

このような理由からも、婦人科医の診察を受け、医師が推奨する検査を受けることをお勧めします。

 

2.放射線治療や化学療法

ホットフラッシュ

放射線治療と化学療法は、がん細胞などの悪い細胞の発達を抑えるために行われますが、悪い細胞を根絶するだけではなく、健康を維持するために必要な細胞も傷つけてしまいます。ガン治療などの副作用として早期に卵巣の機能が低下するのはこのためです。

その一方で、年齢に関係なく更年期障害の発症に影響を与える薬もあります。その一つが、深刻な子宮内膜症に処方される薬です。処方された薬の副作用はすべて理解することが大切ですので、わからないことは医師に質問し、更年期の症状が出てきた時は、直ちに医師にご相談ください。

 

3.卵巣や子宮の摘出手術

子宮の全摘出手術を受けた後は更年期に入ります。手術後は閉経し、すぐにホルモンの分泌量が低下します。また、ホットフラッシュや性欲の低下など、深刻な更年期障害が起こります。

子宮摘出の手術を受けた女性の中には、卵巣は摘出しても子宮は残す方もいます。子宮を残す場合、子宮がホルモンの分泌を続けるために、すぐには更年期に入りません。ただし卵巣がないために閉経し、その後は妊娠することはありません。

こちらもご覧ください すべての女性に知って欲しい! 子宮筋腫の真実5選

 

4.ドラッグや体に有害な物質

タバコとお酒

更年期障害の発症が早まる最も多い原因の一つがドラッグと有害物質の摂取です。アルコール、タバコ製品、そしてドラッグは、子宮にダメージを与えると言われています。

タバコやアルコール、そしてドラッグを日常的に摂取する習慣のある女性は更年期障害が早く始まる傾向が強いです。非喫煙者や飲酒しない人と比べると、2年程度早く更年期を迎えます。

そのため、ドラッグやアルコールをやめ、禁煙することが非常に大切です。また、日常的に運動することで子宮のホルモン分泌を正常に保ちます。

また、経口避妊薬(バースコントロールピル)による更年期障害の発症への影響はありません。

 

5.てんかん

てんかん患者の方の中には、性欲減退と不妊の問題を抱えている方がいます。てんかんの発作では、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が繰り返し変化するため、てんかん患者は早期に更年期障害を発症すると考えられています。

成長ホルモンを分泌する脳で起こるてんかんの発作では、抗てんかん作用があると言われるプロゲステロンがてんかん発作から体を守ろうとする時に、エストロゲンが分泌されて発作を誘発します。

つまり、てんかん発作が起きるとき、プロゲステロンの分泌に伴ってエストロゲン値が上昇します。

 

6.自己免疫疾患

自己免疫疾患の発症と進行により体内に抗体が作られ、その抗体がエストロゲン受容体だけでなく体内組織と卵巣を攻撃します。これらが、子宮機能の退化と更年期障害を発症する原因になります。

甲状腺の病気と糖尿病は、更年期を早期に発症した人の20%に見られます。

尋常性白斑、貧血症、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群などの自己免疫性内分泌疾患や慢性疾患、そしてその他の疾患と関連しています。また、子宮にダメージを与える骨盤の感染症もその原因の一つです。

 

更年期への準備

食生活

更年期障害は、子供を作るという女性としての生産的な生活が終わりを告げるサインですが、更年期障害をずいぶんと若いうちに発症する女性もいます。今回は更年期障害の発症を加速する6つの要因についてお話ししました。

ご紹介した6つの要因には、どうしても避けられない遺伝子的要因と、生活を変えることで避けられる外的要因が存在します。

自分でコントロールできる外的要因に焦点を絞り生活環境を整えることで、健康的なライフスタイルを心がけてください。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Gold E. B. (2011). The timing of the age at which natural menopause occurs. Obstetrics and gynecology clinics of North America, 38(3), 425-40.
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3285482/

  • Ceylan, B., & Özerdoğan, N. (2015). Factors affecting age of onset of menopause and determination of quality of life in menopause. Turkish journal of obstetrics and gynecology, 12(1), 43-49.
    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5558404/
  • Jehan S, et al. (2017). Sleep, melatonin, and the menopausal transition: What are the links? DOI:
    10.5935/1984-0063.20170003

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。