静かなる病気~子宮内膜症の症状とそのリスク

· 9月 17, 2016
子宮内膜症は、ツライ痛みを伴うものから自覚症状がないものまで様々です。完治が難しいと言われる子宮内膜症は、心疾患などの原因になることもあります。

女性の10人に1人が子宮内膜症を発症すると言われています。また、初期には自覚症状がないことも多く「静かなる病気」や「消耗性疾患」と呼ばれています。

子宮内膜症とは、子宮の内腔以外の場所で子宮内膜が増殖する疾患であり、卵巣、骨盤、卵管、さらになどの腹部の器官にまで達することもあります。

現段階では、完治するための治療方法はないと言われています。

子宮内膜症は遺伝性があることに加え、ブリガム婦人科病院が行った研究によると、40歳以下の女性の場合、子宮内膜症が心臓発作の原因になることが多いと発表されました。

今回は子宮内膜症に関する必要な情報をご紹介します。

多くの女性が発症する「静かなる病気」子宮内膜症

驚くことに、子宮内膜症の手術を受けた12−13歳の少女もいます。このことからも、子宮内膜症がいかに複雑で完治が難しい病気かご理解いただけるでしょう。しかし、子宮内膜症が発生する原因は、まだ完全には解明されていません。

2013年になるまで、子宮内膜症への世間の認知を高めるガイドラインは確立されていませんでした。

現在では、子宮内膜症には様々な症状があると世間に広め、認知を高めることが大切だという考えが主流になっています。子宮内膜症によるひどい痛みに苦しむ女性がいる反面、自覚症状がほとんどないまま子宮内膜症と診断される女性もいます。

現在では、泌尿器科専門医、消化器病専門医、また心理学者などを含む集学的な治療チームを作り、それぞれの分野から子宮内膜症のよりよい治療法を解明しようとする動きが世界中で高まっています。

それでは一般的な症状をご紹介します。

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子宮内膜症の症状

  • つらい月経痛や月経困難症
  • 月経前と月経中に痛みが悪化する、下腹部の痛みを伴う腰痛
  • 性交時または性交後の痛み
  • 排便時の肛門の痛みまたは排尿時の痛み
  • 子宮内膜症に苦しむ30~40%の女性が不妊症

ただし、すべての女性が同じ症状というわけではなく、ほとんど自覚症状がない女性もいます。自覚症状が少ない子宮内膜症は、婦人科の定期検診、帝王切開、または虫垂炎の手術の際に見つかることが多いのが現状です。

子宮内膜症とどうつき合っていくのか?

子宮内膜症を完治させるための治療方法はないと言われています。

様々な疾患や症状を併発する子宮内膜症と診断されたら、心身を健康に保つライフスタイルが最適で重要な治療であることは間違いありません。

子宮内膜症の症状の中には、歩くことができなくなるほどのひどい痛みもあります。周りの人々、会社の同僚、またご主人やパートナーなどの理解を全く得られないことも多く「なぜ性交の際にそこまで痛みを感じるのか?」など、パートナーからの理解のない言葉に悩む方もいます。

子宮内膜症の治療の一つにホルモン治療があります。この治療は副作用を伴うため、ホルモン治療による鬱などの症状に苦しむ女性も多くみられます。

  • 子宮内膜症の痛みの治療には、前立腺がんの治療法に近い治療が行われることがあります。
  • また、一般的な対処法は内膜症を発症している組織を取り除くことですが、ほとんどの場合は再発し、再び痛みを感じます。

心臓発作のリスクを高める子宮内膜症

本記事のはじめに心臓発作のリスクに関してはお話ししました。子宮内膜症を発症した女性や、子宮または卵巣の摘出手術を経験している女性は心臓発作のリスクが高まるというボストンの病院で行われた研究結果が発表されています。

  • 20年以上に渡り 116,430人の女性を研究した結果、11,903人が子宮内膜症でした。
  • 手術によって閉経を迎えた女性は動脈血栓、心臓発作、狭心症などのリスクが高まることがわかっています。

あまり知られていないことかもしれませんが、40歳以下の女性が子宮内膜症を発症する可能性もあります。

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健康的なライフスタイルの実践とその重要性

子宮内膜症の女性は心疾患リスクが高いため、そのリスクを軽減するために、心身を健康的に保つライフスタイルを送ることを医師は推奨しています。

  • 子宮内膜症の痛みや、世間での認知度の低さが、孤独やストレスなどの感情を生み出し、鬱病などを発症する危険性が高まります。さらに、心疾患のリスクも高まります。
  • 手術などで早期に閉経した女性は、加齢によって自然に閉経した女性と同じくらい病気のリスクが高まります。

30代、40代、50代と、女性は年齢に関係なく健康的な食事とアクティブなライフスタイルを心がけることでこれらの病気を予防することができます。

定期検診、医師によるサポート、子宮内膜症女性の自助グループなどが、様々な病気や疾患を抱えている時には大きな助けとなります。