全身性エリテマトーデスについてご存知ですか?

· 10月 16, 2017
全身性エリテマトーデスとは、日本では難病に指定されている自己免疫性疾患です。本記事で詳しくご説明します。

全身性エリテマトーデス(SLE)とは、皮膚や結合組織に影響をあたえるリウマチ性疾患の一つで、典型的な自己免疫疾患だと考えられています。

自分の体の成分に反応する抗体である自己抗体が作られ、本来なら細菌やウイルスから自分を守る働きをする抗体が自分の体を攻撃する病気で、全身にさまざまな炎症を引き起こし、体内器官や組織が侵されてしまう病気です。

さまざまな症状を一度に、または次々に発症しながら、よくなったり悪くなったりを繰り返し、慢性の経過をとることが多いのが特徴です。

発症

全身性エリテマトーデスは、9:1の割合で女性に発症しやすいと言われ、また黒人に多く発症すると言われています。また患者の65%異常が20歳から40歳の間に発症します。

原因

この病気の原因はいまだに解明されていませんが、複数のかなりはっきりした要素が考えられ、遺伝的要因、ホルモンバランス、環境要因がこの病気にかかりやすい要素を持った人に重なるとこの病気を発症すると言われています。

自己免疫システムに「遺伝的に発症しやすい素因がある」とは?

発症しやすい素因があるだけでは、自己免疫システムが自分の体を攻撃する引き金にはなりません。

一般的に発症しやすい遺伝的素因を持って生まれた人が、その素因を背景として、感染、性ホルモン、紫外線、薬物などの環境因子が加わって発症するものと考えられています。

誘因

遺伝子要因

抗体を作るBリンパ球が異常に活性化し、それに伴って生成される自己抗体によって、特有の臓器病変が生じると考えられています。

全身性エリテマトーデスの原因はまだ明らかではありませんが、一卵性双生児における発症の一致率が高いことからも、複数の遺伝的要因が関与すると考えられ、遺伝的素因に、何らかの外因(感染症や紫外線など)が加わって発症するという意見が多数を占めています。

ホルモンバランス

圧倒的に女性に多く発症する病気です。

初潮から閉経までの期間に多く発症する傾向があり、子供、老人では、逆に男女の差が少なくなります。

そのため、体内ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、プロラクチン、テストステロンなど)やその他の要因(ホルモン補充療法、避妊治療など)が全身性エリテマトーデスと深い関わりがあると考えられていますが、明らかな証拠は見つかっていないのが現状です。

環境要因

一部の環境要因の中には、全身性エリテマトーデスの強い症状を引き起こすものがあります。

  • 遠紫外線照射:太陽の光に過剰に反応する光過敏性と深い関わりがあり、太陽の光にさらされた後に症状が発生する傾向があります。
  • ウイルス感染:エプスタイン・バール・ウイルスやレトロウイルスなど
  • 医薬品による誘発:ある特定の薬品が免疫システムに影響を及ぼすことで症状を引き起こします。抗不静脈薬であるプロカインアミドや抗高血圧剤であるヒドララジン など。

病因

最終的に体内細胞における免疫複合体の生成と沈着が起こります。

免疫複合体とは、抗原と抗体が結びついた抗原抗体複合体を指し、これが沈着することで、病態は抗原と抗体が結合した免疫複合体が組織沈着することで引き起こされます。

全身性エリテマトーデス

  • 一般的な症状(95%):疲労感、食欲減退、体重減少、全身倦怠感、関節痛
  • 筋骨格系症状:一般的な症状は筋痛や関節痛
  • 皮膚症状(全体の患者の80%):全身性エリテマトーデスを発症している患者の半数以上が光過敏症

皮膚の症状は以下の3つです。

  1. 急性皮膚型エリテマトーデス(50%):蝶型紅斑と呼ばれる、蝶が羽を広げた形のような赤い発疹が頬にできるのが特徴的です。紫外線やニキビなどと関連があると言われており、首、肩、腕などにも症状が現れることがありますが、傷跡は残りません。
  2. 亜急性皮膚型エリテマトーデス(10%):太陽の光にさらされると、首から肩にかけて左右対称性に広がる浮腫性紅斑が発症します。傷跡は残りませんが、皮膚の変色が残る可能性はあります。
  3. 慢性皮膚型エリテマトーデス(30%):ほぼ半数の患者が潰瘍のような紅斑を発症します。口の粘膜や鼻腔に口内炎のような紅斑を発症します。
  • 血液症状(80%):慢性的な貧血が最も一般的な症状です。
  • 神経学的症状:頭痛、うつ病、不安障害、痙攣(ひきつけ)
  • 肺の症状:半数の患者が胸膜炎 を発症し、最も深刻なのは肺胞出血ですが、これはレアなケースです。

診断基準

全身性エリテマトーデスを発症している患者の80−90%が抗核抗体という細胞核に対する抗体を保有しています。

抗核抗体は、全身性エリテマトーデスだけではなく、他の自己免疫疾患にもみられます。

また逆に全身性エリテマトーデスを発症している患者でも、抗核抗体を保持していない人もいます。

患者の10−20%はレイノー病を発症している可能性がありますが、抗核抗体や抗DNA抗体の保持が全身性エリテマトーデスによくみられる症状です。