食品廃棄が禁止されたフランス

· 7月 20, 2016
フランスでは、すべてのスーパーマーケットに、売れ残った食品は寄付しなければならないというルールが適用されました。

食品廃棄は、ここ数十年に渡り世界中で物議を醸してきました。国連食糧農業機関(FAO)などによると、栄養失調や飢餓によって毎日のように人々が命を落とす一方で、毎年世界で13億トンもの食物が廃棄されています。

長年、廃棄の量を減らそうという試みがなされてきましたが、ある調査によって、未だに毎年大量の食物が廃棄されていることがわかっています。

大手流通業者に対する批判は、大量の食品が、必要としている貧しい人々に寄付されることなく、ただ廃棄されていることに向けられています。 

このような事態から、昨年、Arash Derambarshという35歳の男性が、スーパーマーケットでの売れ残り食品の廃棄を禁止する法律を作るために新たな取り組みを提唱しました。

アラシュのアイディアは、慈善団体やフードバンクに売れ残り食品を寄付する事業を推進し、食べ物を必要とする人々へ配布するというものです。

貧困と戦う消費者や活動家らによる大規模なキャンペーンの後、この法律はフランス上院で満場一致で承認され、売れ残り食品は何千人ものホームレスのために役立てられることになったのです。

世界初・食品廃棄を禁止した国フランス

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フランス上院の決定により、フランスは世界で初めてスーパーマーケットが食品を廃棄したり、無駄にすることを禁じた国となりました。

400平方メートル以上の広さのある店舗では、慈善事業への寄付に関する契約書にサインしなければなりません。

もし、サインしなかった場合には、75,000ユーロの罰金、または2年間の懲役となります。

慈善事業に携わる団体にとっては、分配できる食品の種類や量が増えると、良喜んでこのニュースを受け取りました。

フランスのフードバンクの理事を務めるジャック・ベレは、この法律によって食品の中でもとりわけ必要とされる野菜やフルーツ、肉類の寄付が増えると期待感を表しました。

食品の収集や保管は、登録された慈善団体とフードバンクがその責を担うため、スタッフがより効率的に食品の受け取り作業を行わなければなりません。

一方で、もしスーパーマーケットが故意に食品を無駄にした場合には、処罰の対象となります残念なことに、ここ数年、食べ物を求めてスーパーの近くのゴミ箱から、賞味期限切れで捨てられた食品を漁る家族、学生、無職の人が増加傾向にあるのです。ところが、そうした物を食べて中毒になったりする人が出ないように、という理由で、そうしたゴミに漂白剤をかけて廃棄するという手段がよく使われているのです。他にも、廃棄食品を自社の倉庫に保管、その後ゴミ収集車に回収させているところもあります。

慈善事業における次の目標

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第一段階の達成に伴い、慈善団体はこの法律によって次に起こりうる変化への対応を準備しています。

まず、食品を管理、分配を行うボランティアスタッフの手配、それからさらなる寄付を呼びかけるためにトラックや保管庫、冷蔵庫が必要です。

さらに、最大の目標は、EU加盟国にフランス法律と同様の食品廃棄に関する解決策を模索してもらうことです。

フランスの食品廃棄は、11%がスーパーマーケット、67%が消費者、そして15%はレストランから、という割合になっています。この新たな取組みを推進する人達は、なすべきことがまだまだあると考えています。

この法律の施行により、より一層高い意識を持ち、持続できる社会を目指して、大きな一歩を踏み出しているということを自覚しているのです。

ベレは、スーパーからの寄付が全体の15%まで増えれば、毎年1,000万食を賄うことが可能になると想定しています。

多くの国にとって食品廃棄を減らすことは長きにわたる夢でしたが、何よりも食べ物を必要としている人々が空腹を満たす機会を持てるようになることが大切です。