キューバが開発したがんワクチンとは?

11月 12, 2016
キューバと米国の国交回復の主なメリットのひとつは、キューバの医師たちにより開発されテストされた肺がんのための新しいワクチンの出現となることでしょう。

がんワクチンという概念が、SFの中にしか存在しなかったときのことを覚えていますか。私たちは、毎日少しずつこの目標に近づこうとしています。世界最高レベルの科学者たちが、がん撲滅に向けてその努力を集中しているからです。

どこでだれが開発しているかは問題ではありません。地球上のすべての国が、がんの治療法と治療薬とを開発するためにリソースを共有しているからです。世界でも有数の頭脳が、この目標を達成しようと日夜努力を続けています。

このことは、米国とキューバ間で展開している協力関係によって証明されています。このかつての敵国同士が新しい同意に達したというおどろくべきニュースが報道されました。

米国とキューバが、肺がんのための史上初のがんワクチンをつくりだすために、情報を共有することに同意したというのです。このワクチンは、キューバの医師たちによって開発されてきました。

残念ながらこのワクチンは、がんを予防したり、完治することはできません。でも、がんの進行を遅らせることができるため、がんを死病ではなく、慢性病とすることが可能となります。

このワクチンがあれば、化学療法や放射線療法は必要なくなります。化学療法や放射線療法は、最近の科学の進歩と共同開発とのおかげで多少耐えやすくなったとはいえ、がんの患者さんにとって最も辛い過程のひとつ。このワクチンが完成すれば、がん治療の最悪の部分のいくつかを避けることができるでしょう。

キューバが開発した、おどろくべき肺がんワクチンとは?

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ハバナ在住ジャーナリストであるフェルナンド・ラヴスバーグ氏によると、当ワクチンは多くの新しい長所を有すると言います。

すべての腫瘍は、共通するきわめて特徴的な性質があります。腫瘍はその成長に欠かせない分子を含んでいます。当ワクチンはこの分子を抑制するため、がんの成長・転移を防いでくれるのです。

この肺がん治療ワクチンは、肺がんの患者さんの生活の質を向上させます。直接的にしろ間接的にしろ、がんの苦しみを体験してきた人ならだれでも、このことがどんなに大切かおわかりのことでしょう。

肺がんが悪化するにつれ、患者さんの生活の質は急激に劣化してゆきます。あまりの辛さに、治療を止めてしまう患者さんもいるほどです。

キューバ政府は、すでに市民にこのワクチンを提供しています。外国人にとっては政治的問題がからんでくるため事情が複雑になりますが、それでもこのワクチン療法を受けることが可能です。

最初のステップは、Servimed(キューバ国際医療サービス)に連絡をとり、キューバの医療制度に加入することです。

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世界初のがんワクチン

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キューバとの政治的関係がからんだ複雑な事情にも関わらず、このワクチンはペルーとパラグアイですでに利用されています。

ヨーロッパでも、いくつかの治験が行われていますが、莫大な費用がかかります。さらに、治験に時間がかかるため、一般市民の手に入るのは3~4年先のことになるでしょう。一方、キューバ側は、世界的な市場参入を実現するために、外国投資家による資本調達を求めています。

この意味で、当ワクチンは、キューバとさまざまな世界大国との間の関係を開いた、と言えるかも知れません。

キューバの分子免疫学センター(CMI)のEinar Blanco氏は、キューバの外国投資に関する新しい法律のおかげで、今後、外国との共同研究開発および市場拡大がずっとやりやすくなると太鼓判を押しています。

この法律は、CMIが国外のパートナーと契約を結ぶことを可能にします。これは研究・生産・商業化のいずれの段階にもあてはまります。

また、パートナーはマリエル自由貿易区(キューバにおける工業開発を目的とした、首都ハバナの西に位置する港湾地区)へのアクセスも可能になります。

 

希望の光—初のがんワクチン

このワクチンのようながん治療が可能になれば、何万人もの人々の生活が変わることでしょう。

それはただ生存するだけでなく、慢性病をわずらっている人たちすべてが体験する困難を乗り越えるうえで、尊厳ある生き方を維持できるようになることを意味します。多くの場合、がんの宣告を受けたあとの生活の質は劣悪となるのが現状です。

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この初の肺がんワクチンに触発されて、今後さまざまながんワクチンが研究開発されていくことでしょう。

科学者たちは、この肺がんワクチンを生み出すために使われたのと同じプロセスを利用して、他の臓器のがん治療法を開発することが可能です。世界中の医師たちが、このニュースを歓迎しています。

世界人口の40%の人々が、生涯のある時点でなんらかのがんを患うリスクを負っていると推測されています。

がんは世界の死因のうちトップ10に入っており、医師と患者のどちらもが希望を失いがちになるのももっともです。でも、この新しい肺がんワクチンが一条の希望の光となって、医療の未来を明るく照らしていくことでしょう。

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