子供の前で夫婦げんかをすることによる影響

子供の前でケンカをすることは親としては最悪の行為の一つです。子供に不安、さらには発展して怒りなども生んでしまいます。親としてそのことをきちんと意識しましょう。
子供の前で夫婦げんかをすることによる影響

最後の更新: 30 10月, 2021

カップルの間の口論に関しては、避けられないこともあれば、解決すべき状況があるときには必要なものです。

子供の前での口論、いわゆる夫婦喧嘩はぜひ避けてください。

口論や暴力を含むケンカに居合わせた子供は、苦しい気持ちになり、後に怒り、悲しみ、恐れなどの感情に変化してしまいます。

そして赤ちゃんの場合は、心理的な影響がより大きくなります。

子供の前でけんかをすることによる影響

1. 赤ちゃんの場合、潜在意識レベルにおいて

親の脚にしがみつく子供

新生児は、声の調子や表情から周りにいる人の気分を察知することができ、潜在意識に記録します。

周りの人の愛情を感じるのと同様に、緊張した状況、怒った調子の声、暴力的な視線なども感じるのです。

2. 感情面の発達において

口論の大きさに関わらず、緊張した家庭の空気の中で育つということは、感情面の大きな異常をもたらすこともあります。

不安や自尊心の欠如などの問題を発生させやすくなるからです。

大人の争いに子供が巻き込まれない落ち着いた環境が、調和のある心理的発達につながるのです。

3. 就学前の幼児の場合

この時期の子供は、まだ完全に言葉が発達しておらず、非言語的コミュニケーションを通して気持ちを表そうとします。

ですから口論に居合わせた後には、泣き出したり乱暴になったりして、落ち着かせるのが難しくなることがあります。

就学前でも年長の子供は、争いの原因はまだ分からず自己中心的な考え方をするため、口論の原因が自分だと思い込み、両親の緊張状態に罪の意識を感じることもあります。

子供によって反応は変わるもので、何も起こってないかのように振る舞う子もいれば、何か恐ろしいことが起こると恐れを持ち、安全を感じるまで自分の世界にこもってしまう子もいます。

不安感は睡眠や食事の変化を通して表されることが多く、おねしょをしたり、活動中にイライラしたり乱暴になるなど、発達の前段階に戻ることもあります。

4. 就学期の児童の場合

ハサミを使う男児

この年齢の子供たちは、起こっていることを理解し始めます。

怖がったり不安に感じたり、父親や母親に対して罪の意識を感じたりします。

その罪の意識から、どちらかに味方しなければならないと思い込み、女の子は母親側につくことが多く、男の子は父親をかばうことが多いという傾向があります。

小さな、しかし頻繁な口論が子供に与える影響

一般に、子供は小さな口論が頻繁に起こることに慣れてしまいます。

そしてまさにそれこそが、不安定な家庭の空気を作ってしまうのです

そのような環境では、子供はちょっとしたきっかけで楽しい時間が台無しになってしまうことを理解しています。

すると子供は状況をコントロールしなければ、と感じます。また、嫌な思いをしないためにそういった気持ちを表さないようになる子供もいます。激しい口論は、子供の持つ自信にもさらに大きな影響を与えます。

相手への批判と子供

相手に反対するために、または批判するために子供を使うことは決してしてはいけません

特に、すでに別居している場合は厳禁です。子供にとって大切な時間である夜寝る前には、口論、特に激しい口ゲンカを避けることが大切です。

どんな家庭にでも口論は起こりますが、人は一人ひとり違いますから相手を理解する努力をすることが大切です。

最も大切なのは、子供が幸せな家庭で育つことです。

子供のいないところでケンカする

激しい口論

ケンカや口論は、常に子供たちがいないところで行わなければいけません。両親がケンカをしたことには気づくかもしれませんが、自分が関係しているとは感じないでしょう。子供たち、特に小さい子供たちは言葉に含まれる意味を解釈せず、文字通りに受け取ってしまいます。

「いい加減にして!」「もううんざりだ!」「顔も見たくない!」などと言い合っているのを聞くと、悲しく思うだけでなく、二人が別れるのではないかと考えて不安を膨らませてしまいます。

カップルセラピーやファミリーセラピー

争いごとや問題がある場合にカップルセラピーを受けることは、コミュニケーションを改善し、二人のバランスを取り戻すのに役立ちます。ファミリーセラピーは、子供に不適切な行動や、専門家の助けが必要な心身医学的症状が見られる時に理想的な方法です。

これらのプロセスでセラピストは、ポジティブな関係を取り戻すために家族全員をサポートします。

子供たちに話をする

時には子供たちの前で口ゲンカが避けられないこともあります。そんな場合は、どんな人でも言い争うことがあること、それは愛し合っていても同様であると説明することが大切です。会話の時間を利用して、口ゲンカをするからといってパートナーとして好きではないということではなく、ましてやもう大切に思っていないというわけではないと、説明しましょう。

問題が解決していたら、家族で一緒に何か活動するのが良いでしょう。しかしそうでないなら解決しているように見せかけるべきではありません。子供たちは緊張関係を感じることができるものです。

子供のモデルとなる両親

子供にキスをするカップル

両親は子供たちの大切なモデルであるということを常に頭に置いておかなくてはなりません

一方の親がもう一方の親に言葉の虐待、あるいは身体的な虐待を受けるのを目にすることは、子供にとって深い傷となり、子供の性格や大人になった時の姿に影響を及ぼすでしょう。また将来の友人やクラスメートとの関係にも問題が起こる可能性があります。

人はあるテーマについて別の意見がある時は話し合うことができる、腹を立てたり大声を出したり不快な言葉を投げたりせずに、寛容と敬意のある空間を作ることができる、と教えることが基本です。


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