悲しみはいつだって突然やってくる/〜グリーフワークのすすめ〜

· 10月 6, 2016
悲しみは、置かれている環境に関わらず、何かを失ったことに対する脳の正常な反応です。その感じ方は、ひとりひとりちがいます。私たちは決して急がず、必要なだけの時間をかけて悲しみを通過しなければなりません。

悲しみとは、私たちにとって大切だった人に別れを告げる、繊細で複雑なプロセスです。

この悲嘆の過程では、ひとりひとりが日々現実と向かい合いながら、いくつかの段階(否認・絶望・受容・回復)を経て、一歩一歩進んでいく必要があります。

でも、受容・回復の段階に到達するまでの道のりはひとりひとりちがっても、それがめざす目標は同じ―愛する人を、最も大切な宝物として心の中に「設置」することです。

いったんその人の思い出が、もっと穏やかにあなたの記憶に刻みこまれたなら、あなたは再び幸せになることを自分に許せるようになるでしょう。グリーフワーク―悲嘆の過程を通過すること―とは、忘れることではありません。それは痛みを癒し、その人のいない人生をどうやって生きていくかを学ぶことなのです。

今回は、そんな悲しみを乗り越えていくためにはどうしたらよいかについて、ごいっしょに学んでいきましょう。

悲しみ方はひとりひとりちがう

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神科医や心理学者たちが非常にはっきりとさせていることがひとつあります:悲しみ方は人それぞれちがっており、どのやり方も同じように尊敬に値するということです。

時として、「最も健康的な悲しみ方、だれにでも役立つ普遍的な方法」に関するまちがった神話について、世間の人たちが話しているのを聞いたことがあるかもしれません。打ち壊すことを学ぶ必要のあるまちがった考えを、いくつか挙げてみましょう:

悲しみに関するまちがった神話

  • 「自分の苦しみを外に出さない、あるいは見せない人は、正しいグリーフワークを行っていない」:これは真実ではありません。悲嘆のプロセスは、ひとりひとりの性格と大きく関係しています。
  • 日頃からあまり感情を表に出さない人、感情を表したり、感じたことや思っていることをほかの人に伝えたりすることに慣れていない人は、その人なりのやり方で悲しみと取り組みます。
  • 立て直し、考え、喪失感をいやすためにひとりになりたいという願いは、臨床心理学者に相談することを選ぶことと同じくらい尊敬に値します。だれでも、自分にあったやり方で心の傷を癒そうとするものです。
  • 「時がすべてを癒す」:これもまちがった神話であり、真実ではありません。時間だけでは、傷を癒すことも、変化をうながすことも、不在を受け入れられるようにすることもできません。
  • ひとつ重要なことをはっきりさせる必要があります。それは、あなたの心の中の空白は、いつまでも存在するということです。時間だけでは、この不在を癒すことはできません。ただ、痛みを少し減らす手伝いをし、生きつづけられるように助けてはくれます。
  • 痛みはただちにやってくる。それを感じない人は心が冷たい人」:これもまちがった神話であり、打ち壊すべき考えです。

大切な人を事故や病気などで失ったあと、心の痛みがすぐにやってくるとはかぎりません。事実、なんらかの反応がおこるまで、数週間かかることだってあるのです。

これは、その人に感情が不足しているという意味ではありません。

突然だれかが亡くなった衝撃は、否認を引き起こすことがよくあります。その人がいなくなったことが信じられないため、反応を起こすことができないのです。事実が少しずつ認められるようになってくるにつれ、心の痛みがやってきます。

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心の痛みを和らげる方法とは

くり返しますが、悲嘆のプロセスでとおる道は、非常に個人的で、生々しく、つらいものです。

だれにでも役立つ方法というものはありません。人はそれぞれ、自分自身のやり方で痛みを理解するからです。ですから、自分にあった方法を見きわめて、それを実行していく必要があります。

以下、心の痛みを和らげるのに役立ついくつかの方法を挙げてみます。試してみてください。

思考をコントロールする

  • だれかを失うとき、私たちの知性は反応せず、ただ感じることしかできません。思考は、感情・怖れ・不安に包まれてしまいます。
  • 私たちは自分の思考をコントロールする必要があります。それが何かを見きわめることで、それに見合っただけの感情を解き放つことができます。
  • 思考をコントロールするとは、自分自身を責めないこと、あるいは起こったことに対する責任を誰かほかの人に負わせようとしないことです。大切な人は逝ってしまいました。今以上の痛みを抱え込まないようにしましょう。

大切な人を失ったという事実を受け入れ、涙が枯れるまで泣くことが必要です。

空想の中で別れを告げる

この方法は、多くの人たちを助けてきました。別れを告げるのを容易にするためには、視覚化がたいへん役立ちますし、カタルシス(精神浄化)効果が期待できます。

  • 落ち着いてひとりになれる場所を見つけましょう。くつろいで、深い呼吸をするようにしてください。
  • 心を空っぽにし、ひとつのこと―失ったばかりの大切な人―に、思いを集中しましょう。
  • その人の姿を心に思い浮かべ、静かに微笑みながら、平安の中でその人のことを考えましょう。それから、その人に話しかけてください。

心の中で会話して、その人に言う必要があるすべてのことを伝えましょう。どれだけ愛していたかを告げ、リラックスした平安の中で、その人をあなたの思いから解放しましょう。

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日々傷をいやしていく

こうして、あなたは大切な人はもうそばにいないという事実を受け入れ、心の中で別れを告げました。さあ、このあと、どうしたらよいのでしょうか。

あなたの中には、その人の不在がもたらす心の傷と、その人なしで再構築する必要がある人生とが残されています。

  • これは日々の闘いであり、毎日くり返してそれと直面しなければならないということを理解しましょう。あなたは一人ぼっちではないということ、あなたを助けてくれる人がたくさんいるということも理解する必要があります。  
  • 再び幸せになることを怖れてはなりません。あなたの愛する人は、いつだってあなたの心の中にいます。その人のために、微笑まなければなりません。

あなたの人生を、その人の思い出に捧げましょう。毎日を忙しく過ごし、必要な時はその人のために泣き、もう一度笑うことを怖れないことです。

その人もきっと、あなたの顔が再び幸せで輝くのを見て、喜んでくれることでしょう。