自分に言い聞かせてはならない/毒のある言葉とは?

私たちが住んでいるこの世界で、自分自身と折り合いをつけながら心穏やかに生きていく唯一の方法は、ヘルシーな内なる対話を維持することです。

自分との対話—あなたもきっとこの奇妙な現象を体験したことがあるはず。実際、私たちはノンストップで自分自身と内なる対話を行っており、それを通して私たちの心の世界と外の世界とを考察しているのです。

私たちが身のまわりで起こる出来事を内面化し、それに意味を与えることができるのは、この内なる対話があればこそ。ですから、それが私たちの情緒と心の健康を決定するうえで、どれだけ大切なことかおわかりでしょう。

これらの考えは浮かんでは消えてしまうように思えますが、実際はこれらの考えと、私たちがどう行動するか、どう感じるか、どうまわりの環境に反応するかということの間には、絶え間ない相互作用があるのです。

エピクテトスの言葉にあるように、「大切なのは、あなたに何が起こるかではなく、あなたがそれにどう反応するかということ」なのです。

ヘルシーな内なる対話、ヘルシーな人生

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私たちは自分自身の運命をコントロールしており、自分の価値観や信念に応じて感じたり行動したりしています。

私たちの内なる対話の産物であるこれらの信念や考えによって引き起こされた感情は、私たちを洗脳したあげく、私たちの現実を大きくゆがめてしまう可能性があります。

私たちの人生にマイナスの影響を与える考えや信念には、「何としてでも他の人たちから認めてもらわなければならない」、「欲しい物が手に入らないとがまんができない」、「無気力や怠惰を通して幸せになれる」などが例として挙げられます。

以下、内なる対話の中で決して自分に言い聞かせてはならない言葉をご紹介します。

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1. 「やることすべてに成功しなければならない」

人生には勝ち組か負け組かということよりも、もっと多くのことがあります。オール・オア・ナッシング(全部か無か)という極端な考え方は健康的ではありません。失敗は成功のもと—失敗から学んで成功につなげていくことが大切なのです。

レントゲンやペニシリンなどの重大な発明・発見は、数多くの失敗を重ねて実現したことを覚えておきましょう!

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2. 「これに失敗したら、私は負け犬だ」

くり返しますが、私たちはまちがえたり失敗したりすることで成功に至ることがよくあります。「まちがいを犯したら、失敗する」と考えることはナンセンスです。まちがいを犯す機会と権利とを自分自身に与えなければなりません。それがなければ、私たちは目標を達成することができないでしょう。

3. 「他の人たちから受け入れられ認められなければ幸せになれない」

世間にはこう信じている人たちがたくさんいます。拒絶されていると感じないことは大切ですが、だからといってすべての人に受け入れられる必要はありませんし、実際に不可能なことです。それは私たちががまんしなければならない現実であり、自分自身を受け入れるのに役立ちます。

4. 「あなたなしには生きられない。幸せになるにはあなたが必要だ」

この種の考え方は、他者と自己とを愛することについての思い違いから生まれます。愛とはお互いに与え合うものであり、多様で公平で無条件でなければなりません。

もし愛と依存性が共存しているなら、ふたりはお互いを破滅させることになるでしょう。

5. 「あなたが私に同意しないなら、それは私を嫌っているからだ」

「だれも私の価値を認めてくれない。それは私に価値がないからだ」「私個人の価値は、他の人たちが私のことをどう思っているかに依存する」—私たちのほとんどにとって、批判は拒絶と同義語です。

エマーソンはかつてこう言いました:「反対されるたびに迫害されていると夢想するような、品のないまちがいを犯さないようにしなければならない」

6. 「他の人から指図されるのはがまんならない」

私たちが自分の行動に責任を負う必要があるのは言うまでもないこと。でも、他の人たちがアドバイスや意見を提供してくれる時、聞く耳を持たないでは困ります。

協力し共に働くことは、私たちが自分自身の価値を認めて自己のアイデンティティを強化することを妨げるものではなく、むしろよりよい人間となるのを助けてくれます。

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7. 「私はつまらない人間だ」

「私にはできない。試みる価値はない。どうぜ絶対できないんだから」 ここでの私たちのアドバイスは、人生の非常に重要な前提を決して忘れないで、ということです。すなわち「私にはできない」よりも「私にはできる」ということの方をもっと信じるなら、結局はあなたが正しいということになる、ということです。

つまり、「願う」ことは「できる」ことと同じであり、最初のステップは何度も何度もトライするということです。

あなたが信じることは、あなたがどう行動するかを決定します。ですから、起こって欲しくないと恐れていたことが起こってしまうのは、あなた自身がそれをもたらすせいなのです。これは自己暗示のなせる業です。

8. 「誰も信じるな。いつも油断するな」

私たちが人を信頼しないのは、自分も含めて人間はまちがいを犯すと知っており、まちがいを犯すことから自分自身を守りたいから。

ヘルシーな不信感は、おそらくある特定の状況下では意味をなすでしょうが、その必要がなくなり、かえって損害をもたらすようになったなら、それを捨てなければなりません。これを覚えておかないと、他の人たちに対して心を閉ざし続けることとなり、私たちの個人的な成長が妨げられてしまいます。

9. 「私は他の人たちより優れている」

だれも他の人よりもっと価値があるわけではありません。謙虚さは良識と名誉の土台です。他人よりも優れていると感じることは、傲慢な態度につながり、決して望ましいことではありません。

ソクラテスは世界で最も著名な哲学者のひとりですが、次の言葉で知られています:「唯一まことの知恵は、何も知らないということを知っていることだ」 矛盾しているでしょうか? そうでもありません。これについて考えてみましょう。

10. 「私は無用な人間だ」

無用な人間というものは存在しません。「私は役立たずだ」あるいは「私には価値がない」と考えることで私たちが達成する唯一のことは、やる気を失い、自分の野心と興味とを捨ててしまうことです。

11. 「私には愛される価値がない」

ここで私たちが言うべきことは、自分には最高のものを受ける価値があるということです。

だれかが私たちから離れて行く時、心が痛むのは避けられませんが、唯一真実で本当の愛は私たちの内側にあるものです。

この内なる愛が、うっとりさせる恋愛感情と私たちが取り違えている、愛情に対する理不尽なニーズを捨てる手助けをしてくれるでしょう。

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「そうすべきだ」「そうあるべきだ」「そうでなければならない」という暗示的なメッセージを秘めたこれらの言葉はすべて、まちがいなく私たちにマイナスの影響を与えることでしょう。

これらの考え方を避けるには、以下の事柄を覚えて実行しましょう:

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  • 証明され確かめられた事実だけを現実として受け入れましょう。ある日うまくいかなかったから、私たちは無用だというわけではありません。私たちは人生において、役に立つと証明されているたくさんのことを行っています。
  • 矛盾することなく論理にかなった有効な命題だけを受け入れましょう。もし矛盾を許すなら、内なる自己を大切にしようとする私たちの試みを妨げることになります。
  • 順応性を保ち、新しい情報とともに自分の考えを変えることを厭わないようにしましょう。私たちは柔軟で寛大な考え方を選ばなければなりません。そうすれば、自分自身に対する障害をつくりだすことなく、自分に自信が持てるようになるでしょう。
  • 絶対的な言葉で何かを非難したりほめたりするのは正しいことではありません。全面的に「オール・オア・ナッシング」の判断を下す時、私たちは世界にあるさまざまな可能性を完全に否定しているのです。もちろん、私たち自身の現実をのぞいて、ということですが。「すべていい」、「すべてだめ」、「すべての人」、「誰ひとりとして」、「いつも」、「決して」というような言葉は避ける方がよいでしょう。

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  • 本質的な言葉で人を判断することは健康的ではありません。その人の態度を描写する言葉を使いましょう。例えば、「あなたは狂っている」と言うより、「あなたは狂ったように行動している」と言う方がいいでしょう。
  • 盲目的な確信からではなく、確率の視点から物事を考えることが重要です。「おそらく難しいだろうが、やってみよう」は、「私にはできない、絶対にできないだろう」と明らかにちがっています。

真実をゆがめていると気づくかもしれませんが、それでもあなた自身の見方を変えることはできません。

どんな要因がこれに影響を与えるかを見きわめるよう努力し、自分が考えていることに十分な確信がある時でも、いつも代わりとなる見方を探しましょう。

どのようにあなたの考えがあなたに影響するかをコントロールできないと感じ、圧倒されるように感じるなら、ためらわずに精神科医や心理療法士に相談して、必要なサポートを得るようにしましょう。

参考文献:

Ellis, A. (2001). Overcoming Destructive Beliefs, Feelings, and Behaviors: New Directions for Rational Emotive Behavior Therapy. Prometheus Books.

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