35歳以上で母となることのメリット

35歳以上での妊娠にリスクが伴うことは確かですが、若い母親にはないメリットが存在することも事実です。
35歳以上で母となることのメリット

最後の更新: 24 9月, 2020

35歳で母親になることは簡単なことではありません。私たちを取り巻く社会は、遅く母親になることについてさまざまな偏見を作り上げてきました。「育児に必要な体力がない」「おばあちゃんママ」「疲れた母親」などがその例です。さらに数年前までは、30歳以上の初産は危険だと考えられていました。

その理由は、母親が高年齢であることと、出産時の子供の健康問題が関係づけられていたことにあります。しかし、現在はその考えは改められています。ですから、ここでは35歳以上で母親になることのメリットを紹介していきたいと思います。皆さんも知ってみませんか?

35歳以上の初産が増加中

高齢出産は、先進国の間で増加している人口統計学的現象ですこの傾向は、避妊法の効果が上がったこと、男女平等が浸透していっていること、女性の教育水準が上がっていることなどが要因です。

35歳以上で母になるという現象は、経済的側面と関連があります。例えば女性の労働市場への参入の増加や、経済的に不安定であることなどです。

2016年スペイン国立統計局(INE)発行の統計によると、スペインでの母親の出産年齢はその前の年より更に少し上がり、平均で32.5歳となっています。

私たちは星から来たのでも花から生まれたわけでもない。母親の母乳をもらって生きてきたのです。私たちが生き延びてきたのは、人の情と私たちの母親の世話のおかげです。これが私たちの本質なのです。
ダライ・ラマ

最近の調査によると…

 

いくつかの研究では、子供を持つのに最も安全な年齢は20歳から35歳までとされています

しかし2017年、国際疫学ジャーナル(International Journal of Epidemiology)に35歳以上で母親になった女性とその子供たちを調査した結果が発表されました。

結果は驚きのものでした。母親が出産時に35歳から39歳だった子供たちは、言語認知能力テストで高い得点を記録し、それは若い母親の子供たちよりも良い成績だったのです。

両手を広げる母と男児

しかし、なぜ過去の研究では違った結果が出ていたのでしょうか。そこにはいくつかの要因が存在しています。

  • 研究対象の子供たちは末っ子たちだった。これは、研究対象となっていた子供たちが、上の子供たちに比べて親からあまり意識を向けられていなかった可能性を指しています。
  • 経済状況。子供が多い家庭は、収入や機会が少ない傾向にありました。このため、健康的な食生活や医療サービスに欠いていました。その結果が子供の発達に影響していたのです。

ですから、もし35歳に近い年齢で母親になることを考えているなら、ぜひこの続きを読んでみてください。そうすれば、必要な情報を得て自信を持つことができ、最も良い決断をするための助けになることでしょう。

35歳以上で母になるメリットとは?

1. 精神的に成熟した状態で出産を迎えられる

これは、若い女性が慎重にその役割を果たすことができない、というわけではありません。しかし35歳以上の女性は、妊娠のリスクをより深く意識しており、自分の身体により気を配ります。また特に自分の人生の変化についてじっくりと考え計画します。

更に、より多くのことを学習・経験しており、それが子供へと伝わる可能性も高いでしょう。

2. 経済的により安定している

多くの場合、35歳の時点では学問的・職業的な積み上げに支えられ、ある程度の経済的安定を得ているでしょう。その結果、両親はより多くの時間と注意を子供たちに向けることができます。

PCと赤ちゃんに向き合う女性

3. 人生経験がより豊富

出産というテーマにおいては、どれだけ経験を積んでも完璧には至らないものです。中でも理解、共感、忍耐という資質が、出産という挑戦にポジティブに立ち向かう支えとなります。

また、さまざまな経験を積みながら歩んできた人生の道のりが、子供たちへのよい手本となるための助けとなるでしょう。

4. 感情が安定している

年齢を重ねることで、自分自身についてより深い知識を得ています。これは若い時には難しいことです。決断をくだすこと、自分の失敗を受け入れること、現実を見ること、より安定した関係を築くことなどを学んできたことでしょう。

これらの基礎が、子供たちとの関係や教育を豊かなものにしてくれるはずです。これが感情を安定させてくれます。このことが、心理的により健康でより安全な環境を生み出し、子供たちのよい手本となれるでしょう。

赤ちゃんを抱き目を閉じる女性

5. 平均寿命が長くなる

33歳以上で出産した女性は、最後の子供を29歳までに産んだ女性より長く生きる確率が倍であるということが、さまざまな調査で明らかにされています。つまり世間で言われることとは逆に、子供たちと長く過ごせる可能性が高いということです。

 

6. より健康的な生活スタイルを送る

30歳以上の方は自分の身体の必要性を良く理解していることでしょう。言いかえれば、自分の健康により注意しているということです。これは健康的な食生活や運動などの生活習慣を持つことを含みます。

すでにバランスのとれた健康的な生活スタイルを確立していれば、子供を作ろうと決めても大きな生活習慣の変化は必要ないかもしれません。

赤ちゃんと体操する女性

35歳以上で母親になるべき?

ここでの結論は、母親の生活の質と子どもが何人いるかが、子供たちの発育に直接影響するということです。

あなたはどう思いますか?35歳以上で母親になることには、確かに多くのメリットがあると言えます。しかし忘れてはならないことは、高齢出産にはリスクもあるということです。ですからこのテーマについては各自の状況や健康状態を念頭に専門医とよく相談することをお勧めします


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