怒鳴ることで子供に与えてしまう5つの長期的な影響

子どもに怒鳴ると、精神や身体、脳を傷つけてしまうかもしれないという研究結果がいくつかあります。今日の記事で詳しく知りましょう。
怒鳴ることで子供に与えてしまう5つの長期的な影響

によって書かれた Antonella Grandinetti

最後の更新: 09 8月, 2022

子供に対して怒鳴ることは、脳や身体、心を傷つける可能性があることが様々な研究で示されています。今日の記事で詳しく見ていきましょう。

子育てをする上で、子供に対して怒鳴ることは決して良いことではありません。大声で怒鳴りつけることは、子供の脳や個性に長期的なダメージを与えうる虐待の一つだということをご存知でしょうか。

今日は、子供を尊重しながら育てる方法がどうして良いのか、怒鳴ることは避けるべきであるのはなぜかについてお話しします。愛情と協調性を持って、子供に規律を教える方法を知りましょう。

親が怒鳴ること

怒鳴る 影響

あなたはこれまでに、怒鳴った瞬間を後から振り返ったことがありますか? 怒鳴るということは、コントロールを失ったことを意味します。つまり、自分の意見を聞いてもらいたい、考えを相手にわかってもらいたいときに怒鳴るのです。では、大声を出して怒鳴ることが、あなたのメッセージを相手に届ける助けとなったと本当に思いますか?

精神科医であるジョセフ・ストランド博士の著書『Outsmarting Anger: 7 Strategies for Defusing Our Most Dangerous Emotion』に書かれているデータによると、声を荒げ始めると、子どもの大脳辺縁系が活発化します。この大脳辺縁系は、本能的な「戦うか逃げるか」反応を司ります。

つまり、我が子に対し、注意を引かせて話を聞かせる代わりに怒鳴ってしまったら、それは逆のことをしてしまっているのです。怒鳴られた子どもは、怒鳴り返すこと、または逃げたり隠れたりという行動をするでしょう。

また、怒鳴ることは、怒鳴る大人にとっても、怒鳴られる子どもにとっても気持ちの良いものではありません。それでは、大人が怒鳴ることで子どもの心には何が起きるのか、どんな結果が待っているのかについて見ていきましょう。

1. 怒鳴ると、幼児の脳の発達に悪影響を与えてしまう

子ども 怒鳴る

2011年に発表された研究では、怒鳴ることで生じるストレスに早期から継続的にさらされることで、言語を通じて受け取る情報を脳が処理する方法が変わる可能性があると結論づけています。

子供に大声で怒鳴ると、乳幼児の脳の発達に影響を与える可能性があります。肯定的な情報や出来事よりも、否定的なものの方をより徹底的に素早く処理するようになるかもしれません。

2. 鬱を引き起こしたり自己評価が低くなる原因となる

あなたは子供の頃、自分の両親があなたに対して怒鳴った時にどう感じたかを覚えていますか? 子供に怒鳴ると、恐れや挫折感、悲しみを与えます。ですが、そのような一過性の感情だけではなく、子供の精神にまで影響を与えてしまう可能性もあるのです。

声を荒げると、確かに子供にはあなたの送るはっきりした大きなメッセージが聞こえるでしょう。「子供は大人が期待した通りに正しく物事を行うことができるほど賢くないのだ。」-こういった忍耐力や寛容さの欠如は、子供たちに「自分は親の期待に応えられない」と感じさせてしまう恐れがあります。結局、子供の自尊心を傷つけることになるのです。

さらに、言葉の暴力が、大人になってからの心理的な問題の原因になっている可能性を示した研究もあります。実際、大声を出して叫ぶことは、うつ病や不安神経症と関連しています。また、アルコールや薬物の乱用、危険な性行為など、自己破壊的な行動との関連も指摘されています。

3.精神的な虐待は、攻撃的な問題行動を引き起こすことがある

怒鳴る 影響

今日の記事の最初に説明したように、子供に向かって大声で怒鳴ることは、大脳辺縁系からの反応を引き起こします。この反応は、戦うか逃げるか反応です。多くの場合、子供に向かって大声で怒鳴ることは、問題を悪化させるに他なりません。問題を解決するどころか、子供の反抗心や頑固さが増し、子供を危険な状況に置いてしまうことすらあるかもしれません。

ある研究者たちは、親の怒鳴り声によってストレスの多い状況を経験した13歳の子供たちが、中期的にネガティブな行動を増加させたことを観察しました。そのため、状況をさらに複雑にさせたくないのであれば、子どもに向かって怒鳴ることは避けるべきでしょう。

4. 誤った問題解決方法を子どもに教えてしまう

親は、子供が目にする鏡です。親が自分の感情をコントロールできないなら、一体子供はどうやって自分自身をコントロールするというのでしょう? 感情をコントロールできなければ、自分と同じように行動することを子供に教えてしまうことになります。子供に対して怒鳴るということは、その方法こそが自分の欲しいものを手に入れる方法だと教えているのです。

怒鳴るのではなく、話してみてはいかがでしょうか。イライラを前向きに処理する方法を子供たちに教えてあげてはいかがでしょうか。子どもたちが将来、自信を持ち、共感し、尊敬できる大人になるように、お手本を示してあげましょう。

5. 怒鳴ることで、子どもの身体的健康に影響を与えてしまうかもしれない

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ご覧のように、親に怒鳴られることで子供が受けるストレスが、慢性疾患につながる可能性があると結論づけた研究もあります。これらの病気は、ストレスによって発生する内分泌系の分泌物によって引き起こされます。考えられる身体的問題の中には以下のようなものがあります。

  • 関節炎
  • 偏頭痛や深刻な頭痛
  • 背中や首のトラブル
  • その他の慢性の痛み

結論として、我が子が幸せな人生を送り、レジリエンスのある健全な大人になってほしいと願うなら、まず私たち自身が自分の感情をコントロールする方法を学ぶ必要があります。子供たちを怒鳴りつけることは、私たちの問題の解決にはなりません。そして、子供たちの学習速度を上げることにもならないのです。

あなたも今日から怒鳴るのを止め、子育てに前向きなテクニックを使ってみましょう。爆発しそうになったら、一旦離れて、呼吸をして落ち着きましょう。子供のレベルに合わせて、敬意を持って話しましょう。あなたは子どもが目にする鏡なのです。我が子が将来自分自身のことをどう考えるかは、親であるあなたに大きく関係していることを忘れないでください。

 


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